彼女の指先は何を奏でるか ⑭

 ベンチで横になっていたあの日から三年が経った。彼女はあの頃と何も変わらないままだ。僕も何かが変わった訳ではないはずだ。
午後八時、彼女が帰ってくる時間。
開く扉、風が運ぶ彼女と冬の匂いを混ぜた香り。

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短編の詩集です。

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