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THE CONNECTIVES

短編の詩集です。
一話完結(たまに前後等でリンクするお話有り)のお話を毎週金曜日20時に配信しています。 一度ご購入…
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#短編

ノコサレタモノ

 恋人が死んだ。先週の日曜日、朝テレビで桜の満開が告げられた日だった。 皮肉な程に晴れた…

夢の中へ

 そばにいて。一緒にいて。 ずっとずっと、この先ずっと。 人類が、世界が消滅しても、ずっと…

君に会いに明日へ行くよ

 信じられない事が起こった。 強く念じれば、僕は未来へ行ける。 過去へ戻る事は出来ないが、…

頬を伝う流れた過去

 太陽光が反射してキラキラと輝く湖。 澄んだグリーンの水面に時折星が落ちてくる。 きっとこ…

不義と無二

 とある森の奥、寂れた小屋に一人の老人と " フギ " 、 " ムニ " という名の二羽の鴉が暮らし…

山羊数えのハイステンレス

 希死念慮、辞書で引いてみる。 それは漠然と " 死 " を願う状態。 今一度君へダイブ。それが…

ファインダー越しに見る小さな君

 カメラを向けると顔を背けるか、顔を強張らせる癖がある君。 気付けばそんな日が始まってから十年が経とうとしているね。 色々な表情を見てきたけれど、やっと君も僕に心を開いてくれたような気がするんだ。 時間が人を変えていくとは言うけれど、僕達の関係はどう変わっていったのかな。 思い返しても平和で、特に大きな事件もなかったね。 こうして文字にしてみても君に伝わるかはわからないけれど、改めて文字にしてみたかったんだ。 きっと君はあまり感情を顔に出したりはしない " タイプ " だか

記憶を消せるとしたら

 「記憶を消せるとしたらどうする?」 「ん〜……いやな事全部忘れる……っていうのも薄っぺ…

今日はケチャップ多めが良いな

 「別れよ! ……好きだから」 「ああ……うん」 「大好き過ぎるから……一緒にいない方が良…

僕の平和な世界

 僕が産まれて今日で十一年。今のような生活が始まって、気付いたらもう三年もの月日が経って…

フラッシュバック

 君に出会えて良かった。 あの日あの時、あの場所で…… そんな歌の歌詞に製作者以上の意図…

陳腐なストーリーで私を

 私達、今まで色々な事があったよね。 はじめの頃は手を繋ぐのだって恥ずかしくて、目を合わ…

今日があなたの昨日になるかもしれない日

 太陽が今日も沈んでいき、世界が茜色に染まり始める。 この世界の箱の中、車窓という額縁か…

ラストレター ⑩

 -暗転したステージ- 「殺せ……」 「何もかもを焼き尽くし、全てを無に還したら良い」 「何もなくなったこの世界を眺め、後悔すれば良い」 「俺かあの子……どちらかひとりが残ろうと、何も世界に及ぼせる事はないのだから」 「貴様の思うがままに暴れれば良い」 「俺はあの子と共にこの世から消え去ろう」 「しかし忘れるな、俺はお前を憎み、恨み続けるという事を」 「この魂が消えようとも……貴様を忘れる事はないという事を」 「愛している……」 「愛しているから全てを捨て