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復帰の日に感じたこと
前夜は、胸がドキドキして眠れなかった。
怖い、ただただ怖い。
“どんな目線を浴びるんだろう”
“どんな声をかけられるんだろう”
“明日やっぱり行けないかもしれない”
“行けなかったら何が起こるんだろう”
そんな不安が浮かんでは、自分の恐怖は現実的なものなのか、歪んでいないか見直して、理性を取り戻した。
そんなに怖がる必要もないし、その恐怖はなんの根拠も妥当性もないものだと、自分に言い聞かせながら、電車にのり、オフィスのドアを開けた。
結論、良い意味で何も変わっていなかった。
上司や周りからは、「よく帰ってきたね」「おかえり」「ボチボチやってこうよ」という言葉が掛けられた。上司や同僚は笑顔で話していて、顔見知りでない社員は当たり前だけど何の変化もなく仕事していた。
こんな状況を夢にも思わなくて、何度も涙目になりながら、涙を堪えた。
帰って来れて良かったと、ひたすらに感じた。
そんな時でも、きっとわたしがいない間業務をフォローしてくれた人がいるから、申し訳なさも感じている。
時に謝り、時に感謝しながら一日を乗り切った。
午後は早く帰りたくてしょうがなかったけれど、とりあえず一日普通に過ごせたことが嬉しかった。
この日常がどこか愛おしい。身体で感じるこの疲れは、一日家で鬱々と過ごした疲れよりも気持ちいい。
わたしは「休職した子」「心が弱く繊細な子」というアイデンティティーを一つ手に入れたと感じた。
でもそれが、”ありのままのわたし”なんだからしょうがない。
手っ取り早く分かりやすいアイデンティティーを手に入れた。
このわたしと向き合いながら、一日一日を紡ぐように過ごしていく。
自分で自分を不安に陥れず、焦らず、ただ一日を元気に過ごしてくことを考えてゆっくりゆっくり。
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