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奨学金を借りる前によく考えるべきこと

奨学金が借金だと思ってなかったと言う人は脇が甘すぎるが、こないだまで高校生だった人が奨学金が後の人生に重くのしかかる重要な借金だと気づけるかどうかといえばノーだろう

学生からすると、数百万円なんて割とすぐに返し終わるものだと思うだろう。

しかし現実はそうではない。

筆者の場合は大学時代に300万円弱借入をした。

それが今どうなっているのかと言うと、下記の通りだ。

貸与終了年月:2008年03月
貸与総額:2,880,000円
利率算定方式:貸与利率
利率:1.02086805%
返還総額(元金):2,880,000円
割賦方法:月賦
月賦返還回数:192回
月賦返還額:16,418円
月賦最終回返還額:16,527円
月賦返還残回数:73回
月賦返還残額(元金):1,150,768円

30代半ばにして、たった300万円の借入に対して、まだ4割の返済期間が残っている。

そもそも設定は16年。本来は22歳で卒業して38歳で返済が終わるはずだったが、筆者は公認会計士試験受験の影響で、試験合格のみならず入社までの期間を含めた2年程支払を止めていたので、プラス2年となる。


10代の終わりくらいに借りることを決めた学費で抱えた借金が、40歳まで残ると言うのは果たして健全な借金なのか?


筆者の場合はまだ良い。学費部分は親が払ってくれたので、一人暮らし費用のうちバイトしても足りない部分だけ借りたので300万円だったからだ。

これがもし学費からゼロだとすると、とても払いきれない。

筆者の後輩で800万円の借入があるという強者もいたが、正直かなり厳しいと思う。

幸いにして筆者は今は世の中の平均よりだいぶ多く給与がもらえる職場に行きついたので、月々の支払は体感的にゼロ水準だが、新卒の頃は本当にキツかった。

手取り20万円もないのに、1.6万円の支払が毎月あるという現実

新卒で入社した会社を辞め、公認会計士試験の受験期間中は時給1,200円のバイトをしていたので当然払えないので猶予してもらっていたが、あのまま試験に落ちていたら、下手すると手取り20万円のままだったかもしれない。

もし自分がその道を歩む人生だったら、あの頃と同じように今でもベローチェのサンドウィッチをかじりながら1.6万円の捻出に苦心していただろう。


ここまでのことが10代の学生に想像できるわけがない。


ただ、それを誰も教えてくれないので、借りるなら借りるなりの覚悟が必要だということをここで理解すべきだ。


Dodaによれば、20代の平均年収は345万円、30代の平均年収は442万円だそうだ。

手取りを仮に8掛けだとすると、20代で276万円、30代で360万円だ。

これにはボーナスも含まれるが、これを月数按分すると20代で23万円、30代で30万円だ。

たったこれっぽっちの中から数万円を持っていかれて平気なわけがない

友人の結婚式で3万円包むことすらポジティブになれない。そんな風になってしまったら生きているだけで苦痛だ。

では、奨学金をそこそこ借りないと進学できない人はどうすべきか。

①本気で高い専門性を身につけて返済能力を上げる
②奨学金を借りない

当たり前すぎるかもしれないが、どちらかの選択肢を選ぶべきだ。

①については、まずは「高学歴」と呼ばれる大学を目指した方が良い。文系だとか理系だとかは関係なく、どの道でもその道でトップ集団にいれば仕事はあるが、「できない」のであれば当然専門的な仕事に従事することはできない。その場合は専門性の低い仕事、つまり代替可能性の高い仕事をやることになる。代替可能性が高い=いくらでも代わりがいるのであるから、当然給与水準は低くなる。

そのため、高学歴と言われる部類の大学に入り、高い水準の専門性を身につけるべきなのだ。

高学歴と呼ばれるような大学は周囲に能力の高い人が集まりやすく、さらに高次元の知識に触れる機会も多いので、沢山のチャンスがある

チャンスを活かしてうまく成長できれば、奨学金をかける価値のある投資になるだろう。

もちろん、良い大学に入っても大した勉強もせず、何も専門性を身につけずに卒業すれば、学校の看板だけあっても就職活動ですぐに見抜かれてしまうので、卒業後に他の専門性のない人たちと合流して低賃金で働くことになる。高学歴で学歴を過信している人は特に注意した方が良い。

一方で、高学歴ではなくてもやり方次第では大学入学後の4年でいくらでも巻き返せるため、そこで収益性が高い能力を身につければ実力で勝ち上がれる。

ただし、その辺の大学に入ると周囲の人も頑張ってこなかった人が多いので、ほとんどの人が一緒になって流されてヌルい4年間を送って、結局低賃金で働くことになるので注意が必要だ。

意識の高い人とお互いに刺激しあいながら過ごすように工夫すべきだろう。

特に、何の分野であれ世の中の上位水準に入ったことのない人は、「頑張る」ということについての頑張り方のレベル感が恐ろしく低かったりするので、本人的には色々やってきたつもりでも、全ての面で全然論外だったりすることもよくある

それに気づくためにも、すごい成果を出している人を探して、その人の努力のかけ方の真似をしてみたら良いだろう。


②については、勉強に対してモチベーションがないのであれば、嫌々やっても身に付かず、コストにしかならないので、そもそもやらないという選択肢もある。YouTuberだとか、ブロガーだとか、高次元の学問の習得の有無に関わらず稼ぐ方法もあるし、芸術や技能などの特殊能力がある人はそちらで稼ぐ方法もある。ただし、自由にやっている人のほとんどの人は何もやってないし、何もできない人なので、「いつか」YouTuberになる、「いつか」収益化できるようになる、といったような発想で、生活できるレベルまでの稼ぎを得られなければ、奨学金という借金は抱えていないものの、結局何も自分のウリがないまま就職して低賃金で働いて生活が苦しいことには変わりがないので注意が必要だ。


奨学金はあくまでも「借金」であり、たったの数百万円でも侮れないので、借りるに際しては注意してほしい。



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