監査法人を辞めたときの話

最近今後のキャリアのことをめっちゃ考えてる。

筆者が思うに、キャリア選択って歳を重ねるごとに難しくなっていく。

なぜかというと、大学生の頃はほぼ何にでも分化してゆける可能性があるけど、一旦キャリアをスタートしてしまうと、前職の経験に縛られた転職がメインになってゆくから。

「何やろうかなぁ〜?」みたいな選択は最初だけで、どんどん「この中のどれを選ぶべきなんだ・・・」みたいな選択に追われるようになってくる。

そして、直感的に「どれも違う」ということがままある

そうなると思考停止でそこに留まり続け、ハマりきってないから伸びず、どんどん居場所がなくなってゆく。


例えば筆者の場合、最初のキャリアで「個人向け新規開拓営業マン」を選んだんだけど、販売方針が結構エグくて全く同意できずに2年弱で辞めた。

それで方向転換しようと思ったけど、景気が悪かったのもあるが、新卒採用ではバシバシ内定を出してウェルカムしてくれた素敵な会社なんてもうこちらを振り向いてはくれない。中途・第二新卒の募集すらなかった。

エージェントが持ってくるのは似たような営業マンの仕事ばっかりだった。

それが嫌で会計士の資格を取ったんだけど、会計士も会計士でなりたくてなったというより方向転換したくてなってみただけで、割と向いていたけど「超楽しい」みたいな感覚は持てなかった。一方で輝いている同僚が「超楽しい」状態だったので、ああやっぱ俺は違うんだって確信した

もちろん給料をもらうからには職業的専門家として本気でやってきたけど、本来の自分の性格的には大体あってりゃいいんじゃないの?という感覚なので、「財務諸表があってるかどうかチェックする」ということを定年までやるモチベーションがないし、これが楽しいっていう感覚は全然わからない。

それでまた転職しようと思ったんだけど、会計士をやってた期間が結構長くて、エージェントに会いに行っても当然会計キャリアしかない。

エージェント4社くらいを渡り歩いて色々紹介されたが、直感的に「なんかどれも面白そうじゃないなー」という感覚を持った。

実際ここのステップで二の足を踏んで、結局ズルズルと監査法人に残り続ける同僚がいっぱいいる

筆者も同じ状態に陥り、この状態で3年くらい停滞した。

また、会計士試験はパッと合格したので知識面で問題を抱えることはなさそうだなと思っていたが、楽しくてやっている人に比べて、会計スキルの伸びも良くないように年々感じてきた。

どん詰まりなのに動けない。

ヤバイなという感覚が段々強烈になってくる。


そんなずっと停滞していた筆者が、めっちゃ嫌いな上司の一言で動くことになった


その上司は誰に対しても評価が厳しくて、彼の下に入ると年度評価が低く昇格やボーナスで不遇な日々を送ることになると言われていた。

とは言え、うまく転がせば何とかなるだろうと思っていたが、全然なびかない人で、結局筆者も酷い評価を受けた。

「やることやってんのに、ふざけんな!」と思いながらも、数年間彼と一緒に働いた。

彼と一緒に担当している会社は、往査(クライアントの会社に監査に行くこと)の行き帰りにクライアントの最寄り駅と会社の間を徒歩で行き来する必要があり、誰かが彼と一緒に歩いて喋らないとならない。

筆者は主査(現場監督)だったので、仕方なく彼と一緒に歩く機会が多かった。

嫌だなあと思っていつも接していたが、ある日、往査の帰り道でチームメンバーの退職についての話をしていたときにふと出た彼の

「辞めるなら早く辞めた方が良い。私はもう転職できない。」

という発言に感化された。

彼は監査経験が長いがマネジャから昇格できていない。

いわゆる変人なので、人格面や能力など色々問題があるのだろうが、結果として「滞留」している人材だ。

彼は会計とは異なる前職経験も長く、年齢もかなり行っているため、今更「この仕事違うな」とか思っても、行く先はないのだ。

とは言え、こんな理屈は当たり前で監査現場やら飲み会やらで100回は聞いている

ただ、100回聞いても動かなかった気持ちが、目の前の現実を1回見ただけでようやく動いた


これじゃないと思っているものに縋り付いているうちにチャンスはなくなるという、当たり前の現実をようやくリアルなものとして感じた。


そういう意味では一番影響を受けた上司だったかもしれない。

そこでようやく、エージェントの話を聞くだけではなくて、具体的に動くんだという気持ちが生まれた

ただ、先にも述べたように、エージェントに提示される求人は、ぱっと見どれも面白くなさそうだった。


色々考えたが、ここでの停滞を解消するにはどうしたら良いかがやっとわかった。


この転職は「好きなことをやろう」ではなく、「好きなことをやるための足がかりを作ろう」という目的で、「会計監査外のことをやってみる」という転職にすれば良いのだ。

そして、まずは監査法人を辞め、会計コンサル業務に転職してみた。


どれも面白くなさそうとかいうけど、じゃあお前は何が面白いんだよ?というところだが、本当はマーケティングとか別職種をやってみたいところだ。

ただ、「何をやるか」というよりもっと抽象的に「自分の人生のピークはいつで、なんでピークだったと思うのか」を考えてみた。

自分の人生で一番輝いていたのはいつかと考えると、大学時代にカラオケでアルバイトしていて、ギラギラしている奴らと遊びまくってた頃だ。

思い出すだけでめっちゃワクワクする。

で、それがなんでかなっていうのをもう何年も考えているんだけれど、多分

・それぞれの「個」の存在がイケてて、顔を合わせるだけで嬉しかった
・それぞれに役割があって、お互いリスペクトできていた
・この人のために何かをしてあげたいという感覚があった
・経済的には不自由だったが、時間的自由があった
・これから先なんにでもなれそうな感覚を持っていた

という点が良かったのだと思う。

集約すると、筆者が本質的に求めている日常は、少人数のイケてると思える好きな人とうまく分業してゆったりと新しいサービスを考えながら働きたいんだろうなというところだ。

というふうに考えると、商社みたいな事業投資しまくってる会社とか、ベンチャー企業を何社か渡り歩いて経験を積んで、出会うべき人に出会ってゆくのが良いのかなと思っている。

今の勤務先では業務一巡を覚えて、最近始めた英語の勉強がひと段落したら出発かなと思っている。


そんな感じ。


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