演劇と声劇は別物。知り合いの舞台を見て思ったこと。

声の活動をしている人で舞台に立ったり演劇経験があったりする人も多い。
やはり演じるという面が同じだからだろう。
もちろんそういう人は演技の経験あるから上手い人は多い。

私の知り合いの同僚に地元で劇団を作って定期的に舞台をやっている人がいる。
時々地元のラジオで声優みたいな事もしていたらしいが、どちらかと言えば舞台がメイン。
こんなド田舎でもそういうのがあるというだけでも驚きだった。
実は誘われて一度舞台を見に行った事があるのです。

しかし、声活動をやっている私は耳が肥えてしまっているので、ついつい役者の声に注目してしまう。
他の方の演技力も負けず劣らずだったが、その中で印象に残ったのは男性2人の演技だった。

一人は背が高く若い男性。物凄く声が通り過ぎて良かったのが印象的だった。
相手の詳細は知る由もないけど、この人実は声優目指していたんじゃないか？というくらい声がとにかくよかった。

もう一人は実は私と同じ職場にいる人。知り合いはこの人に誘われて劇団に入ったらしい。
劇団で最年長の男性です。
どうもこの人はテレビで役者経験があったらしいし、とある有名俳優とも共演した事があるらしく…
その事もあってかこの人の演技力だけなんか一味違って見えました。
とにかくうまい…うますぎるんですよ…
やっぱりテレビ出演経験がある人は何かが違います。

さて、実際に舞台を見て思った事がある…。

演劇と声劇は別物だという事に…

私は絶対演劇は出来ないし舞台には立てないと…

舞台に立つなら美形とまでは行かなくてもそれなりに容姿は整っていた方がいいだろう。
特に痩せている方が舞台映えする。
それに舞台告知で写真撮られるのはしょっちゅうだ。
うん、無理だ。

しかもみんな本名でやっている。それをネットでも公開している。
うん、無理だ。

そしてセリフも暗記しなくてはいけない。
本番は台本は読み返せないし、声に出すどころか体でも表現するのが演技だ。
うん、無理だ。

本番はもしかしたらうっかりミスをしてしまうかもしれない。
そういう時はなんとか乗り切るアドリブやスキルも必要だろう。
うん、無理だ。

劇団と言うからには集団でやっている。
ということは新たな人間関係が出来上がるから、そこで対人トラブルも起こる可能性もあるだろう。
うん、無理だ。

多分みんな趣味でやっている人が多いだろうけど、それでも自分から舞台をやると積極的に声をかけないとお客さんはまず集まらない。
集客スキルは必要になるだろう。
うん、無理だ。

なかなかハードルが高いです。
そう考えると声だけの演技はいかに敷居が低くて楽かというのを思い知らされました。
容姿なんて重視しなくてもいい、本名公開しなくてもいい、セリフ暗記しなくてもいい、その場のアドリブもそこまで重視しない、人間関係そこまで複雑じゃない、商売やってないなら無理に宣伝しなくていい。
もしも私が声活動より演劇を先にやったら演技が嫌いになりそうだと思うくらいだった。
人によっては向いてる向いてないはあるだろう。
とにかく目立ちたい人や、そんなの気にしないなら、いきなり演劇やってもいいと思う。

逆に言えば舞台やってみたいけど、人前に立つには心の準備が…という人は声活動からやってみてもいい気がする。
声活動を先にやっていれば多少は自信がつくと思うから。

こうして書くと声劇の方が楽そうな印象はあるけど、決してそういうわけではない。
「声だけの表現」というのはやはりそれなりの技術が必要になってくるわけだし、喉にも気を遣わないといけない。
そもそも演劇と声劇は声の出し方が全然違う
当然ながら声の表現の演技の方が自分を活かせる人もいるし、演劇の方が自分を活かせる人もいるので、自分に合ったスタイルを選ぶのが一番いいと思う。