周りの不安定に振り回されないために
自分がどれだけ頑張って生きていても、
前向きな気分でエンジンを掛けようとしていても、
周りにいる人に振り回されてしまうことがあります。
その人の問題解決に尽力し、
実は本人よりもあなたの方が大きく疲弊してしまった
なんてこともあるかもしれません。
この「心の安定」マガジンでは、心の不安を論理的に理解し、
安心状態を確保する方法をお話ししてきました。
自分のことはコントロールできても他人のことはどうにもできない!
周りの人に振り回されちゃうときはどうしたら良いの?
そんなあなたの心が少しでも楽になれば良いなという思いで
今日はこの文章を書くことにしました。
一番大事な大前提
この「心の安定」マガジンに書いてきたことを読んでいただいてきた方ならお分かりかと思いますが、心の安定というのは誰でも器用にこなせるものでは無いと思います。
それは、自分と向き合い、弱さなどの自分の特性を受け入れられた人だけが手にできる世界だからです。
何度も何度も繰り返しやることで、少しずつ上手くなっていくんです。
だから必ずあなたの周りには心の不安定さに振り回されてしまう人がいます。
そしてそれは、本人が向き合わない限り、他人ではどうしようも無いことなんです。
アドラー心理学について物語調で書かれた『嫌われる勇気』という有名な本をご存知でしょうか。
その本に書かれた「課題の分離」という考え方。
私はこの考え方を知ってから、人と接するときに、
とても良い距離感を保てるようになったと感じています。
人間関係で起きるトラブルは一見複雑ですが、
絡み合ったものを紐解いてみると、
相手の問題と自分の問題が見えてきます。
トラブルが起きている時には必ず両方に問題があるというのが私の考えです。
これはかつての私にはどうしても受け入れられない考え方でした。
相手のせいなのに、なぜ巻き込まれた私にも問題があると言われなきゃいけないのか。
そんなの絶対に認めたくない!相手が許せない!
だけど、相手を恨んでも恨んでも、状況は何も変わりませんでした。
相手が変わることを待ち望むこと、
それはつまり、あなたの人生をその相手に委ねているということなんです。
あなたの大事な人生の鍵を、
よりにもよって、あなたの嫌いな人が握っているなんて。
本当にそれで良いんですか?
私はある時目覚めました。
トラブルが起きる時の2つの問題
問題は両方に存在するというお話。
例えば、ある人の心の不安定さが原因で、
その周りの人を振り回していたとします。
あなたもそれに巻き込まれてしまいました。
ここには
①心が不安定で乱れてしまう相手の問題
②それに巻き込まれてしまうあなたの問題
の2つが存在しています。
ここでまず、相手の心の不安定さについて、
これは当たり前ですが、相手の問題です。
これまでのシリーズでお話ししてきたとおり、
さまざまな要因で、相手の方は心に余裕がなくなっています。
1つの大きな要因が引き金であっても、
実は色々な要因の組み合わせである場合があります。
例えば、お金に余裕が無いところに、さらに病気であることが発覚して絶望している。とか。
これは単に、病気について励ましても相手の不安は取り除けません。
あなたから見えている問題は、表面的なものに過ぎないのです。
この複雑な問題を無視して、相手を説得して変わってもらおうとはしていないでしょうか。
もしくは逆に、議論が面倒だからと、相手の言いなりになってはいないでしょうか。
世の中には、上手く立ち回っていて、あまりトラブルに巻き込まれ無い人っていますよね。
その一方で、あちこちでトラブルに巻き込まれている人がいる。
相手の問題ばかりに注目していると、この2つ目の問題になかなか気付けないんです。
他人の心を整理してあげることはできる
他人の不安定な態度や行動に振り回されないためには、
まず自分自身の感情をコントロールすることが重要です。
まずは自分自身の心の安定を確保しましょう。
そして、もしあなたが相手のために何かしてあげたいと思うのであれば、
相手の心の整理を手伝ってあげることができるかもしれません。
現在抱えている不安や不満、相手が大事にしたいことなどを
頭の中から外に出して一緒に整理してあげるのです。
ただし、大事なのは相手があなたの助けを受け入れる気持ちがあること。
あなたが強引に整理しようとしても、
本人の気持ちが無ければどうにもできないことを理解してください。
「あなたのせいで○○になった」などと、あなたに不満をぶつけて来ているなら、相手は自身の非と向き合う準備ができていない状態です。
そんな時にトラブルの相手であるあなたから何か指摘されては火に油を注ぐだけ。
今は相手に何かするのはやめておきましょう。
そしてもしあなたが自信の無いタイプなら、
この相手からの言葉によって、「自分のせいなのでは?」と感じてしまうかもしれません。
ですが、もしあなたがきっかけを作ってしまったのだとしても、
それに振り回されてしまったり、怒ったりしてしまうのは相手の課題です。
あなたの問題が改善されれば、すべての問題が解決されるということはありません。
冷静に課題を分離して考えましょう。
あくまでもあなたの課題はあなたが解決し、
相手の課題は相手が解決するものなのです。
相手がどうにも受け入れる準備ができていないときは、
時間や距離を置いたり、上手く避けることも必要です。
最後に本記事で伝えたかったことをおさらいしようと思います。
①自分自身が安定していることが大事
②相手の課題と自分の課題を分離して考える
③他人の安定はコントロールできない
④他人の心を整理してあげることはできる
⑤どうにもできない場合は避ける、考えない
この「課題の分離」という考え方はとても重要だと考えていますが、
私自身、これを受け入れて自分のものにするのにはとても時間が掛かりました。
未だに相手のせいにしたくなることもあります。
自分で意識してもこれほど難しいことなので、
相手に変わってもらうことは非常に大変であることも理解しておいた方が良いと思います。
まずは自分の課題の解決に集中し、
人生を良い方向に変化させていきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた。
Genie Granny(ジーニーグラニー)
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