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私が旅行に行かない理由

目をみはるほど美しい自然

沢山の観光者で賑わいを見せる商店街

至れり尽くせりな宿泊施設。

画面越しから見えるキラキラした旅行地として有名な光景たちは、人々を魅了し旅行欲を掻き立てる…のかもしれないけれど、私は行きたいと思えない。

旅行が苦手だからだ。


20代の時に2回ほど旅行好きな友人について行った事がある。

とにかく旅行に集中出来なかった。
友人とは中学からの付き合いで距離感も心地よく口数は少ないけれど上手に気配り出来る子だ。

旅行の計画もほぼ立ててくれた。

しかしとにかく旅行はお金がかかる。

宿泊費、交通費、そして観光地あるある物価高。

常にお金が出ていく状況に、貯金が減ることへの恐怖から内心ハラハラドキドキ

ここまで来るとどんなに絶景でも、画面越しで何度も観ては憧れた場所も目に映らない。

別れ際に
「たのしかったね!また行こうね!」

なんて言っといて、内心では出費の恐怖で動悸が止まらない。

(今何かあったらあの貯金額では終わりだ…)
とまぁ延々に1人で悩んで悩んで頭の中グルグルパニックだ。
思考を止めたいのに止まらない。

誰かに贈り物を探すときは金額に糸目もつけず購入し躊躇いもなく渡せるのに不思議だ。

出かけるのだって苦ではない。

旅番組もグルメ番組を見るのも好きで、テレビでは物足りなさを感じたら動画で探すくらい好きだ。

ただ泊まりになると家族と留守番している猫に狂うほど会いたくてしょうがなくなるので、日帰りが良いなとは思うけれど…

でも旅行には行きたくない。 
どうしてだっけ?と考えてみた。


きっと旅行が苦手なのは楽しまないといけないと思うから。

沢山贅沢して、一緒に旅行している相手と気持ちを共有して、精一杯楽しまないといけないと思い込んでいるから。

私みたいな人間は結局のところ、生きることに余裕がない時は贅沢したって楽しくない。
息抜き下手くそか!


これは自分が生まれた環境で自分が生き抜くために作られた感情と性格と脳の癖。

いろんな事楽しみたいなら、心とお金、時間
の余裕が揃わないと厳しい。

それに気がついてからは、旅行は行かなくなった。
たまに関東圏のイベントに作品を出展しに行っていた時期もあったけれど名古屋から始発の新幹線に乗り込み、イベントが終わるとそそくさ退散。
打ち上げもパス。
寄り道せずに帰路に着く。

介護補助傍らの活動だったとはいえ、なんて付き合いの悪いやつだとは思われていたようだ。

今は少し余裕が出てきたので、用事で遠出したついでに時間ができると、1人で少し寄り道をする。

寄り道するときは有名な観光地は行かない。

地域の歴史が残る。
人気が少し寂しめの商店街や路地裏をぶらぶらするのが好きだ。

空腹に耐えられなくなったら安いファミレスやカフェのチェーン店でさくっとお腹を満たす。

それぐらいが気負わないし、自分にはちょうどいいという事に気がついた。

特に海辺の静かな街は心地が良い。

普段海とは程遠い場所に暮らしているので、物珍しさもあるのかもしれない。

もし家を買うなら、海の見える場所が良いなといつも思う。

湿度が高いとか塩害で鉄が錆びるとかデメリットはあるかもしれないけれど、デメリットのひとつもない場所なんてきっとない。

やっぱり実際住んでみないと自分なりのその場所の良さってわからない気がする。

旅行をいつか思いっきり楽しめるぐらい心に余裕のある日々が来たらいいなと思いつつ。

今日も目標に向けて貯金に勤しむ毎日です。

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