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子供に選択を委ねることの大切さ

子育てをしている中で親は、人間関係、勉強、習い事、塾、受験など様々な選択を強いられます。選択を迫られたとき、つい親がすべて決めてしまうということはないでしょうか?多くの場合、それは子供の将来を思う親の愛情によるものであって、愛情自体を非難する気は毛頭ありません。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。それは本当に子供の将来にとって良いことなのでしょうか?すべての人間にとって、人生とは選択の連続です。子供もいつか自立して、自分で考え、自分の判断で選択しなければならないときがやってきます。

なぜ自分で選択することがそんなにも大切なのでしょうか。自分が選択したわけではないこと、つまり親などの他人が選択したことばかりをしていると、つい自分の問題であるという意識が希薄になり、すべて他人事のように感じてしまいがちです。うまくいってもいかなくても、自分の問題として受け止めることができず、特に失敗した際には自分以外の誰かに責任転嫁してしまうこともあります。自分に関することで選択をする際は、親と相談しながらではあったとしても、最終的に自分で考え、自分で判断し、生じた結果に対して自分で責任を負うことが大切です。そうでなければ、いつまで経っても自立心は芽生えず、責任感が養われることはないでしょう。

子供が様々な選択をする際に親がその選択機会を奪ってはいけません。親が良かれと思って子供のために選択してしまうことは、結局子供の自主性や責任感の発達を阻害することにつながる恐れがあります。もちろん、子供の選択がいつも正しいとは限りません。むしろ大人から見れば「失敗するだろうな」と感じることも少なくないでしょう。先回りして手助けしたくなる気持ちは痛いほどよくわかります。

しかし、よくよく考えてみれば、それは誰も(親自身も)が通った道なのではないでしょうか。人間は失敗から学ぶ生き物です。失敗がなければそこから何かを得て成長することもできません。親が先回りして失敗の芽を摘んでしまうことは、成長の芽を摘んでしまうことでもあるのです。自分が経験した失敗を子供にはさせたくないという気持ちはよく分かりますが、それが巡り巡って子供の成長に悪影響を及ぼしてしまっては元も子もありません。

親にできるのは子供の選択の結果生じたことを黙って(失敗も含めて)受け入れること、つまり、忍耐あるのみです。取り返しのつかない失敗になるような場合は別として、それ以外の選択の場面においてはただただ耐えてください。それが結果として子供の成長につながっているのです。

こうした考えを理解し実践するためには、まず親が子を「育ててあげている」という意識を捨て、子育ては親子の共同作業なのだということを理解する必要があります。子が親に育てられるのと同時に、親も子に育てられているのです。そのような親子の学びの場として子育てを捉え直す必要があるのではないでしょうか。


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