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vol.2 理解があるから仕事を続けられる

子育て中で短時間勤務の状態だったのに、リーダーとして認めていただけたのは本当に嬉しかったです。

山田紗矢香さんは約11年間、病院勤務の看護師として働き、2022年4月にジェネラスに入社。3人のお子さんの子育て、家事と仕事の両立、訪問看護のやりがいについてお話をお聞きしました。

休日にご家族と過ごされる山田さん

➤ 訪問看護は、利用者さんひとりひとりに時間をかけることができる

―― 訪問看護をやろうと思ったきっかけは何ですか?

看護学生の時に行った訪問看護実習がすごく楽しかったことがきっかけです。それと、国家試験の直前に、祖母が脳出血で倒れたんです。状況的に施設に入れることになって、家に帰ってくることができなかった。そういう経験もあって、家で看ることのできる訪問看護をやりたいという気持ちがありました。
病院勤務で新人の頃は、慢性期の病棟ばかりでした。治療の必要がなくなった方を家に送り出すわけですが、その後どうなるのかは気になっていました。「家に帰りたい」「家族に会いたい」という患者さんの中で、家に連れて帰れる人とそうではない人がいました。でも、家に帰れる環境が整えられるのであれば、なるべくサポートできたらなと思っていました。

―― 実際、訪問看護の仕事に携わって1年半以上が過ぎましたね。

ちょうど今、ターミナルの方が多く、特指示(訪問看護指示書)も出ていて、訪問が回らないくらいバタバタしています。老衰など本来病院で入院するような方々もいらして、病院が満所で入院できなくて在宅で点滴しているというようなことも多く、スタッフみんな総力を挙げて訪問に行っている状態です。
大変ではありますけど、持ち帰りで仕事するということはないので、総合病院で働いていた時に比べたらそれほど大変ではありません。

―― 病院での看護と訪問看護の違いはありますか?

病院勤務の頃は事前の情報収集のために朝7時過ぎには家を出ていました。でも、今は30分以上余裕があるので、それだけでも全然違いますね。

あと、訪問看護は利用者さんひとりひとりに時間をかけることができます。その分大変なこともありますし、訪問先によっては空気が重たい時はありますけど、やりたいことができているという点でストレスはありません。
総合病院には2カ所勤めた経験がありますけど、常に走り回っているような状態だったので、家に帰ってからはぐったり。子供を寝かしつけて、そのまま私も寝てしまうということがあったほどです。

➤ なるべく家族を巻き込こんだケアを

―― 2023度からリーダーになられたんですね。

子育てもあり短時間で勤務せざるを得なかった状態だったのに、リーダーとして認めていただけたのは本当に嬉しかったです。今までとは違う立場になったことで、管理者がどうしてそういうことを言ったのかが少し分かるようになった気がします。訪問の調整や新規の対応などをしていますが、まだ頭がうまく回っていない状態です。リーダーとしても訪問看護としてもまだまだこれからですね。

―― 利用者さんとのご関係はいかがですか?

ある若い利用者さんで、もう治療することがないと言われていました。1%でも可能性があるなら治療をしたいと本人もご家族も思っている中、私たちからすれば黄疸も出てきていて難しいと思っているんですけど、先生がステロイドの薬を始めてくださいました。それからは、ある程度体が動くようになって、風呂に入れることなどできるようになりました。

また、リハビリに入らせていただいている利用者さんが「外に行きたい」とおっしゃっていたので、リハビリに同行してみんなで外に行くことができました。利用者さんと話をしていろいろ聞けるようになれば、外に行きたいとか、お風呂に入りたいとか、要望を言ってくれるようになります。ただ、現実的に不可能なことはあるので、その方の体力や状態を見ながら可能な範囲でやっていければと思います。

ご利用者様との関わり

―― 訪問看護をする中で気をつけていることはありますか?

例えばターミナルケアの場合、利用者さんご本人もご家族も不安でピリピリしている状況があります。そんな時でも、私はなるべく家族を巻き込こんでケアをしようと思っています。
家族によっては、看護の時に席を外される方もいます。でも、少しでも一緒にケアにお付き合いしてほしいんです。利用者さんが亡くなった時に、何かひとつでもできたという気持ちをご家族に持ってほしいんです。だから、なるべくご家族に声を掛けながら、看護をしています。

―― これまでの訪問看護の経験の中で印象に残っていることはありますか?

2022年の夏のことです。私が新規で担当させていただいた利用者さんは60代で、90代のお母さんが一人で看ていました。呼吸状態が良くなくて、私が行った時に救急車を呼ばせていただいたのですけど、そのまま入院して10日ぐらいで亡くなってしまったんです。
私の中で悩みもし、後悔もしました。利用者さんが病院に行きたくないと言っていても、あの状態では置いてけないし、私自身もずっと一緒にいられるわけじゃない。恨まれてもいいから、とりあえず病院に行ってもらおうと。それが最後になってしまって。その対応で良かったのかなと思うことはありました。

➤ 娘たちの理解があるから、仕事を続けられる


―― ところで、お仕事と家庭のバランスはうまく取れていますか?

小学5年生と1年生、幼稚園の年中の娘がいます。夏休みは、お弁当を作らなくてはいけなかったり、勉強に付き合ったり大変ですね。

仕事が終わると、延長保育にならないように急いで時間までに迎えに行かなきゃいけないですし。ゆっくりしたいんですけど、ゆっくりすると寝る時間も遅くなってしまうので、駆け足で生活しています。

―― 毎日そんなにお忙しくて、お休みできる時はあるんですか?

そうですね、寝ている時です(笑)。私はもともと寝ることが大好きなので、休みの時は子供を置いて、昼寝しちゃうこともあるんです。
土日はお姉ちゃんがバレーボールを始めて、その当番でほとんど潰れてしまうんですけど、そこでお母さんと話したりすることは気分転換になっています。子供の成長について話したり、長女が反抗期なので悩みを聞いてもらったりしています。

家に帰ってから、座っている時間なんてほとんどないです。もう慣れちゃいましたけどね。そんな中、私が仕事から帰ってきても緊急で呼ばれてしまう時があります。それを子供たちがわかってくれるようになって、普段全然やらないお姉ちゃんがお皿を洗ったり、洗濯物を干したり、妹たちをお風呂に入れたりしてくれるんです。それがあるから、仕事も続けていられるのかなと思っています。

➤ 困ったら、誰かが助けてくれる

―― ジェネラスという会社に思うことはありますか?

訪問看護の記録は紙で情報共有しているという会社もあると聞いたことがあります。でも、ジェネラスは端末で管理しデジタルでの情報共有ができている、そこはありがたいです。

あと、訪問看護は休みが取りにくいと思っていたのですが、唯一ここの会社だけが大丈夫でした。実はここに来る前、ある訪問看護の面接を受けましたが、子供が小さいから急に休まれると困るという感じで言われ、訪問看護はしばらく無理なんだなとぼんやり思っていました。そんな中で今の上司の方が「ここ子供ちっちゃい人ばっかりだから、大丈夫だよ」と言ってくださったんです。
実際、去年コロナに感染してしまったり、子供の体調不良でお休みいただくことも多かったり、他のスタッフもお休みいただいている中でも、調整すればなんとかなるんだなと感じています。気分転換のお休みとか、夏休みもお互いに調整すれば取れているので、とてもありがたいと思っています。そういう文化が会社にあるんです。

ここで働く前は、子供に何かあると基本的に私が休むという形で働いてきたので、その大変さだったり、もどかしさがあったりしました。ですが、今なら「その分私が代わりに行くから、休んでいいよ」と言える余裕ができていると感じています。

―― 最後に、訪問看護に興味があるけど迷っている人へ一言メッセージをお願いします。

私の身近にも訪問看護を考えている友人がいますが、やっぱり訪問はハードルが高いと思っているみたいです。確かに訪問先へ行くのは一人ではあるんですが、困ったら誰かがヘルプで来てくれたり、電話でも対応してくれたりするので、一人で困って悩んだことは今まで一回もなかったんです。だから、心配することはないんです。

これから訪問看護の需要はますます増えていくと思います。お家で看るということは、確かに気持ち的に大変な空気もあるんですけど、お家だからできることがあるんです。本来病院だったらもっと早く亡くなってなくなっていたかもしれないという方が、お家だと思った以上に長く生きられていると感じる場面が多々あります。大変だけど、本当にやりがいは大きいなと思っています。


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