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#3グローバル人材の新たな素養:ジェンダーニュートラルランゲージ

ノンバイナリーを表すSingular They(3人称単数の They)

私たちは、英語教育の実践者として、社会の潮流と言語の変化に注視し、正しい知識を整理して、わかりやすく伝えるために日頃からアンテナを張っています。

近年英語圏で注目され、使用が拡大・定着しつつあるSingular They、特にノンバイナリーを表すSinglar Theyを例にとると、英語圏では、この新しいtheyの用法は2000年代半ばに注目を集め、2010年代の末には2010年代の10年を代表する語にも選ばれ、2020年までに主要な複数の英語辞書に追記されているにもかかわらず、「英語教員・教諭」と呼ばれる人々の中でもその存在に気づいていない人々も多くいることに気づきました。

2021年に独自に準備調査として関東圏内の3つの大学で学生たちにアンケート調査を行ったところ、298名のうちPrefered Gender Pronoun(PGP:使用を希望する代名詞)の存在を知る回答者は66名(22%)でした。そして、66名中61名(92%)は「学校のイベントもしくは授業」を通してこの知識を得たことがわかりました。この61名のうちの約9割の学生がこのnoteの筆者である小塚と小田の英語の授業内でPGPについて知ったことがわかっています。

この数字は何を表しているのでしょうか?
私たちの分析はこうです。日本に住む日本人は、普段英語との接触が少なく、英語というツールを通して情報を入手している人が少ないことが予想できます。そして、そのために世界の潮流から取り残されてしまう可能性が高いと言わざるを得ません。そして、英語の授業が世界についての情報を得る「窓口」になることができる可能性はかなり高い、ということです。

グローバル人材としての素養の一部

現代では、国境や文化を跨いだビジネスや人的交流の益々の増加に伴い、多様性への理解促進の動きが世界的に顕著となり、日本もその潮流に含まれているのは明らかです。ジェンダーの多様性を理解していることはグローバル人材としては素養の一部と言えるでしょう。理解していることに加え、その理解を言語の中に表していくことも求められています。

私たちは、ジェンダー理解に関する言語知識をわかりやすくまとめてお伝えし、どんな参加者の方でも、その知識を日本語に加えて英語の基本的なコミュニケーションにも反映できるように実践練習を提供していきます。

文責:小塚


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