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風俗探偵 千寿 理(せんじゅ おさむ):第30話「明かされた川田 明日香の秘密と太平洋上に姿を現す『クラーケン』!!」

「報告します! ミズ・ライラ、二機の護衛用『AH-64R アパッチ改』の消息が途絶とだえました。二機とも正体不明の何者かによって撃墜げきついされた模様もようです。」
 副操縦士が、現在の当機における最も上官の立場であるライラに報告した。

「何だと…? いったい、誰にやられたって言うんだ?」
 ライラは自分の座っていた席から立ち上がり、副操縦士の席の後ろまで行って彼にめ寄った。

「じ、自分には敵の正体は… わ、分かりません!
 で…ですが、レーダーから二機の機影が消え、正体不明の機体が当機に接近中なのは、じ…事実です! 不明機の速度は、現状で最高速度を出せない当機をはるかに上回っています。ですが、ジェット戦闘機ではありません。」
 背後からライラに胸ぐらをつかまれ、無理やりに身体を後ろにねじ向けられた副操縦士はあわれな声で返答した。彼の声は苦しさと恐怖でふるえていた。
 見かけの容貌ようぼうは男なら誰でも振り向くほどの絶世の美女であるライラだが、その秘めた腕力は常人の比では無いのだ。彼女には大の男など片手で軽々と持ち上げる膂力りょりょくがあった。不機嫌なライラに怪力で胸ぐらをつかまれた副操縦士は、たまった物では無い。

「ミズ・ライラ! 当機の無線に何者かが強制的に割り込んできました。
 どうやら、当機を追跡している正体不明の機体からの通信のようです。
今、通話回線を機内放送につなぎます。」
 操縦士である本来の機長からの報告に、ライラは副操縦士の胸ぐらを掴んでいた右手をようやく解放した。

『ライラにバリー、聞こえてるか? 俺だ、お前達二人とは大の仲良し探偵の千寿 理せんじゅ おさむだ… お前達には白虎びゃっこと言った方が分かりやすいか。さっきの、ヘリから落とされた礼を言うのを忘れてたんで追いかけて来たぜ。
 今、俺の乗った「黒鉄の天馬アイアンペガサス」がお前達の乗ったブラックホークを追跡中だ。二機の「AH-64R アパッチ改」は可哀かわいそうだがバラバラになって太平洋に沈んでいったぜ。搭乗員は今頃、サメの腹の中だろうな。
 前にバリーのどてっ腹に風穴を開けた俺の愛車「ロシナンテ」が、今度は空を飛んでお前達を追い詰めるぜ。
 待ってろ、すぐに追いつくからな。必ず、お前達が拉致らちした川田 明日香かわた あすかを返してもらうぞ。
 絶対にお前達を「クラーケン」とやらには合流させん。』

 そこまで言うと、千寿せんじゅからの通信はライラが何か言う前に一方的に切れた。
 ライラは巨体のバリーがいる事でさらに狭くなっている『UH-60 ブラックホーク(Black Hawk)』の機内を、イライラと歯ぎしりしながら歩き回った。

「くそっ! あのクソ探偵野郎、あの高度から落下して地面にたたきつけられても無事だと… 信じられん不死身の化け物め!
 しかし、ヤツめ… なぜ『クラーケン』の事を知っているんだ…?
 おい、『クラーケン』との予定合流地点までの時間は?」
 ライラは、さっきまで首をめあげていた副操縦士に乱暴に聞いた。

「はっ! このままの速度で進めば、合流まで20分~30分というところです。」
 副操縦士は、ナビゲーションマップに表示された自機と、恐らく『クラーケン』の現在位置らしい表示との距離と機体速度から予想される合流推定時間をライラに報告した。

「では、当機を追跡中の敵機との接触予想時間は?」
 次にライラは、白虎が言っていた『アイアンペガサス』なるものと当機との接触すると思われる時間を副操縦士に問いただした。

「は! 敵機の現在の速度は、故障中で最高速度の出せない当機のそれをはるかに上回っています。
 このままの速度で敵機が追い上げてくれば、当機との接触まで10分~15分くらいかと…」
 この答えがライラの気に入るはずがないので、副操縦士はまたひどい目にうのじゃないかとおびえ、ふるえながら答えた。

「何いっ! 『クラーケン』が合流地点の海域に浮上しさえすれば、後は私とバリーに加えて人質の小娘が乗り込むだけだというのに…
 それより前に、クソ探偵野郎に追いつかれるだと…」
 ライラは愛用の『オレイカルコスのむち』を右手で強く握りしめ歯ぎしりしながら、一番すみの席にしばり付けられたまま眠っている川田 明日香かわた あすかを憎々しげににらみつけた。

「今すぐに、この小娘ののどみ破って海に放り投げてやりたい…」
 そうつぶいたライラの美しく赤いくちびるからは、きばとしか思えない二本の鋭くとがった大きな犬歯がのぞいていた。


********


 『千寿せんじゅさん、「黒鉄の天馬アイアンペガサス」がこの速度で飛び続ければ約10分で敵のブラックホークに追いつきます。』

 『黒鉄の翼アイアンウイング』の操縦席コクピットから青方龍士郎あおかたりゅうしろうが無線で話しかけて来た。

「ああ、もうすぐだな。やっと追いつける。」
 俺は青方あおかた少年に力強く返事を返した。
 そして俺は、助手席に座る鳳 成治おおとり せいじの方を見て言った。

「おい、おおとり… いいかげんにそろそろ、本当の事を話せよ。
 川田 明日香かわた あすかの事だ。お前たち内調ないちょう(内閣調査室)の特殊諜報機関である特務零課とくむぜろかとライラ達の組織が彼女を奪い合ってる本当の理由を俺にも聞かせろ。俺には知る権利があるはずだぞ。
彼女はいったい何者なんだ?」

 事がここまで及んで、俺はとなりに座る旧友のおおとりを今までの様に曖昧あいまいな態度と説明で許すつもりは無かった。
 手加減なしでなぐりつけてでも聞き出すつもりの気迫でおおとりに迫った。

「ああ… ここまで来て、俺ももう黙っているつもりは無いよ。お前には十分に知る権利があるし、彼女のためにも知っておいてもらった方がいいだろう。」

 腕ずくででも聞き出すつもりだった俺にとって意外な事に、おおとりは素直に話すつもりの様だった。俺は話を黙って聞くことにして、腕組みをしながら目顔でおおとりに先を話すようにうながした。

「ある意味で、彼女はお前と同じなんだよ… 千寿せんじゅ
 川田 明日香かわた あすかは、普通の人間の女性とは違っているんだ。」

「!…」

 何を言い始めるかと思っていた俺だったが、鳳 成治おおとり せいじが口にした言葉に十分過ぎるほどの衝撃を受けた。だが、俺は口をはさまずにおおとりの話を聞く事にした。

「俺達の目下もっかの敵である中国マフィアの『地獄會議ディーユー ホエィーイー』が製造し、新宿カブキ町を拠点として売りさばいている最凶ドラッグである『strongestストロンゲスト』は、お前もすでに承知の通りに魔界の技術を使って作られたものだ。
 人間に『strongestストロンゲスト』を投与すれば、その者は遅かれ早かれ魔界の怪物と化す。しかも、粗悪な製品では怪物と化した人間は二度と元の姿に戻れない。ここまではお前も承知しているな。」
おおとりが俺の反応をうかがうように聞いてきた。

「ああ、俺も昨夜ゆうべからの体験で嫌というほど思い知らされたさ…
 中国での『strongestストロンゲスト』の名称は別の呼び方だったが、そんなのはどうだっていい。『strongestストロンゲスト』を人間に使う事で、コストの掛かる通常兵器よりも安価で強力な強化人間ブーステッドマンが簡単に手に入るって事をな。」

「その通りだよ、千寿せんじゅ
 現在、アメリカ合衆国を始めとする西側諸国でも、対する中国側においても開発と実戦配備にしのぎをけずっている強化人間ブーステッドマンの存在… 
 西側における『Bio-enhanced remodeled soldier』の略称である『BERSバーズ』、日本語では「生体強化型改造兵士」の意味を持つ強化人間ブーステッドマンを作り出す事の出来る中国側の禁忌きんきドーピング用薬剤のベースとなっているのが、この『strongestストロンゲスト』なんだ。」 (※1)
 そこまで言い切っておおとりは、ため息をつきながら俺を見た。

「つまり、何か…?
 世界では洋の東西を問わず、強力な兵器としての『強化人間ブーステッドマン』を戦争に投入するために、魔界の技術を使って作り出した『strongestストロンゲスト』で自分たち人間自身の身体を魔界の怪物に変身させてるって言うのか?」

 さすがの俺も、おおとりの話に愕然がくぜんとなった。
 世界各国がしのぎをけずって開発に躍起やっきとなっている『BERSバーズ』が、人体を魔界の力で究極の兵器として怪物化させるドーピング技術だったとは…
 
「各国が恐ろしいほどの税金を注ぎ込んで造り出した強化人間ブーステッドマンで、戦争相手の国を破壊し人々を殺戮さつりくしているってのか…
 馬鹿な事を… 自国が一番になりたいと言う人間の心理を、魔界の連中に利用されてるのが分からないのか…」
 俺は、つくづく人間というおろかな生き物が嫌になった。そして、自分の身体にも半分その人間の血が流れている事をのろわずにいられなかった。

「俺も同じ気持ちだよ、千寿せんじゅ
 人間というのはなんて愚かなのか。が日本も同じ事なんだ。俺はそんな国の公務員として働いているんだぜ。びるほど酒でも飲みたくなる…」

「国家公務員としてのお前の気持ちは良く分かる。だが、今は川田 明日香かわた あすかの話を続けてくれ。」
 今の俺には、自己嫌悪におちいっている公僕こうぼくとやらの愚痴ぐちを聞いているひまなんて無い。

「ああ、そうだな… 続けよう。
驚くなよ、千寿せんじゅ
 中国マフィアの『地獄會議ディーユー ホエィーイー』につかまっていた間に川田 明日香かわた あすかは、例の『strongestストロンゲスト』を普通の人間なら致死量をはるかに超える分量を、毎日嫌というほど身体に投与され続けていたんだ。」
 
「何だと…?」
 俺は頭に血がのぼり、全身の体毛がゾワゾワと逆立ってくるのが自分で分かった。口内の犬歯と両手の爪がメキメキと伸びていく…
 駄目だめだ… 俺は怒りのあまりに獣人化現象ゾアントロピーを起こしかけていた。俺の中の獣人白虎びゃっこが怒りと共に表面に現れようとしていた。

「お、落ち着け…千寿せんじゅ… こんな状況で怒りに我を忘れるな! 冷静になって話の続きを聞け!」
 鳳 成治おおとり せいじが大声で俺を怒鳴りつけた。俺はハッとしてヤツの顔を見返した。怒りが徐々にだが引いていく。

「すまん… もう大丈夫だ。話の続きを頼む…」
 俺は落ち着きを取り戻してきた。ちょっぴりだが、隣に座る旧友のおおとりを見直した。こいつは獣人の俺を恐れてはいなかったのだ。

「ああ… 頼むから冷静に聞いてくれよ。
 なぜ、『地獄會議ディーユー ホエィーイー』が川田 明日香かわた あすかにそんな事をしたかというのは、その結果を見れば火を見るよりも明らかなんだ。
 非常に驚くべき事だが、彼女は『strongestストロンゲスト』をいくら投与されても身体に変調をきたす事が全く無かったんだ…
 つまり、人体に『strongestストロンゲスト』を投与した結果として必ず起こるべきはずである怪物化の副作用が、川田 明日香かわた あすかには全く現れなかった。
これがどういう事か、お前にも分かるな?」
 ここまで言ったおおとりが、俺の目を真っぐ見つめながら問いかけて来た。

「それは、つまり… 彼女の身体には『strongestストロンゲスト』に対する何らかの耐性があると言う事か…?」
 俺はおおとりに対してというよりも、自分自身に言い聞かせる様につぶやいた。

「そういう事なんだろうな。理由は不明だが、不思議な事に彼女に対しては『strongestストロンゲスト』が無効なんだよ、千寿せんじゅ。」
 鳳 成治おおとり せいじがニヤリと笑いながら俺に言った。そして話を続ける。

「想像するにかたくはないが、中国マフィアの『地獄會議ディーユー ホエィーイー』の連中はさぞかしあわてただろうな。
 ヤツらがカブキ町を拠点にして最終的には日本中に蔓延まんえんさせようとしていた『strongestストロンゲスト』の効力が、彼女の身体を研究し解明する事で無効化されてしまうかもしれないんだからな。」

 俺はゴクリと唾を飲み込んで、自分の考えを整理しながら口にした。
 
「ああ、お前の言う通りだろうな。
 川田 明日香かわた あすかの身体の秘密を解き明かし、その技術を手にする事が出来れば人間は、『strongestストロンゲスト』を恐れる事は無くなる。希望的観測だが彼女の血液からワクチンでも作り出せれば、人間に『strongestストロンゲスト』を投与しても、打たれた人間が怪物化したり死ぬ事が防げるかもしれない…
 しかし… 彼女の身体から解明した技術を用いれば、中国マフィアの作る『strongestストロンゲスト』の無効化どころの話じゃ無くなるんじゃないのか…?」
 俺は自分の頭に浮かんだ疑問を、旧友だが日本の国家機密全般に触れる事の出来る内閣調査室特務零課とくむぜろかの課長の立場でもある鳳 成治おおとり せいじにぶつけずにはいられなかった。

「まったくもって、お前の危惧きぐは当たってるよ、千寿せんじゅ
 川田 明日香かわた あすかの存在が、日本はもちろんだが世界中各国の軍隊及び軍需産業がしのぎをけずって開発中の物や、すでに実戦配備されている『BERSバーズ』…つまり『生体強化型改造兵士』の存在を根底から破壊してしまう事になるんだ。」
 日本における公的諜報機関のボスの立場としてのおおとりが、難しい顔をして俺に言った。

 俺は鳳の言わんとする事をみ取って言う。
川田 明日香かわた あすかは、世界中のBERSバーズ計画及び配備にとって非常に邪魔な存在となる。だが、裏を返せば…彼女を握った国こそが天下を掌握しょうあく出来る事になる…という訳だな。」

 鳳 成治が大きくうなずいた。
「その通りだ。彼女を手に入れれば、自国以外の兵器としてのBERSバーズを無効化する事が出来る。だから彼女は、西側諸国からも中国側からもねらわれる存在となった。
 世界各国の諜報ちょうほう機関による川田 明日香かわた あすか争奪戦の勃発ぼっぱつだ…
 だが、我が国も手をこまねいて黙って見ている訳にはいかない。彼女は日本人なんだ。アメリカであろうが他国に、おめおめと彼女の身柄みがらを渡す訳にはいかん。」

「そんな国家間の事情なんて、まったく反吐へどが出るぜ…
 おい、彼女は意思を持った一人の人間なんだぞ。この俺がそんな連中の思い通りに絶対にさせるもんかよ!おおとり、何が何でも彼女を取り戻すぞ!」
 俺はフル装甲モードを解除した『ロシナンテ』のフロントウィンドーから見える白み始めた大空に向かって大声で叫んだ。

 その俺達の視線の真っぐ先に広がる太平洋に、今まさに水平線から朝日がのぼろうとしていた。
 すでに明るんでいた空をさらに朝焼けに染めながら浮かび上がって来る太陽に向かって飛行中の、一機の双発エンジン搭載の中型多目的軍用ヘリコプター『UH-60 ブラックホーク(Black Hawk)』が目視で確認出来る距離まで俺達の乗った『黒鉄の天馬アイアンペガサス』は迫っていた。

『ロシナンテの千寿せんじゅさん、こちら黒鉄の翼アイアンウイング青方あおかたです…
 ついにブラックホークの尻尾しっぽを捕まえましたね、千寿せんじゅさん。
 この距離でも黒鉄の翼アイアンウイング超電磁加速砲レールガンなら、あのブラックホークを一撃で撃墜げきつい出来ますよ。』
 青方龍士郎あおかたりゅうしろうが、無線でこちらに話しかけてきた。

青龍せいりゅう! 冗談でも馬鹿な事を言うな!
 あのヘリには、拉致らちされた川田 明日香かわた あすかが乗ってるんだぞ。」
 俺は無線越しに青方龍士郎あおかたりゅうしろう容赦ようしゃなく怒鳴りつけた。

『すみません… でも向こうが可笑おかしな真似をしてきたら、いつでも阻止そしして見せます。』
 俺に怒鳴られて、少々落ち込んだ口調になった青方あおかた少年が返答した。
 少し可哀かわいそうになった俺は、自分でも気味が悪かったが出来るだけ優しい声で青方あおかた少年に言ってやった。

「俺はお前さんを本当に頼りにしてるんだぜ。そこで頼みがあるんだが、聞いてくれるか?」

 現金な事に青方龍士郎あおかたりゅうしろうは、すぐにうれしそうな声で答えた。
『どうぞ! 何でも言って下さい、千寿せんじゅさん。』

「よし、じゃあ遠慮なく言わせてもらうぜ。
 あのブラックホークに適当な距離を保って、この『黒鉄の天馬アイアンペガサス』をやっこさんの機体左側に高度と速度を合わせて付けてくれ。
 情けない事に『完全なる白虎』と化していた俺はハッキリと覚えていないんだが…ブラックホークに取り付いた時に、機体の後部左側スライドドアを引き千切ってやったらしいんだ。
 ヘリから落ちる前に覚醒して正気になった俺が、この目でちゃんと確認したから間違いない…
 だから、ブラックホークの左側からはヘリの機体内部の状況が目視でのぞき込めるはずなんだ。ライラやバリーに加えて川田 明日香かわた あすかの姿も見えるといいんだが…」

 俺の要望を最後まで聞くことなく、『黒鉄の翼』のコクピット内の青方あおかた少年が元気よく応答した。
了解ラジャー! ブラックホークの左側空域に『黒鉄の天馬アイアンペガサス』を付けます! ただし、当機の超電磁加速砲レールガンは真横には砲撃出来ませんので、機体下部の20㎜機関砲チェーンガンをいつでも撃てるようしておきます!」

 そう青方龍士郎あおかたりゅうしろうが、『ロシナンテ』の俺達に対して言った時だった。

警告! 敵機ブラックホークの前方約5㎞の海域に、海中より何か巨大なモノが浮上しつつあります! 恐らく…原子力潜水艦と思われます。推定全長は約170m…
 大きい… アメリカ海軍が所有する戦略ミサイル原子力潜水艦:SSBN(Strategic Submarine Ballistic Nuclear)の中でも、最大級の排水量をほこるオハイオ級原子力潜水艦(Ohio class submarine)に匹敵する巨大さです…

 『ロシナンテ』の頭脳である完全独立思考型人工知能、AIの『ロシーナ』が美しい女性の声で告げたが、もう俺達自身の肉眼でも確認出来るくらいに巨大な原子力潜水艦が前方洋上に浮上しつつあった…

「なんてこった… あれが、ヤツらの言っていた『クラーケン』なのか?
 『クラーケン』ってのは原子力潜水艦の事だったのか… (※4)
 何てデカいんだ… あんなモノを所有しているなんて、いったい俺達の相手にしている組織はどれほど巨大なんだ?」

 俺は自分の目で見ていながら、眼前の光景が自分自身で信じられなかった…



【次回に続く…】


********

(※1)BERSバーズニケ… 翼ある少女 : 第2話「敵… 北条 智とBERS」 参照
(※2)川田 明日香かわた あすか風俗探偵 千寿 理せんじゅ おさむ:第1話「カブキ町ブルース」 参照
(※3)strongestストロンゲスト風俗探偵 千寿 理せんじゅ おさむ:第5話「最凶ドラッグ『strongest』」 参照
(※4)クラーケン:下記各話参照
 ニケ… 翼ある少女 : 第19話「『作戦ニケⅡ』発動… 北条 智とクトニウス機関」
 ニケ… 翼ある少女 : 第24話「くみの学校中退と日本国脅迫計画」
 ニケ… 翼ある少女 : 第31話「狂気の北条 智、原潜クラーケンを掌握する」

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