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(終了しました)【イベント紹介】ジュンク堂書店池袋本店「きりえや偽本シネマまつり」

きりえ画家の高木亮さんによる新刊、『きりえや偽本シネマ大全――名作映画パロディの世界』を刊行いたしました。
この本は、『隠し砦の三悪人』が『隠し砦の300人』、『時計じかけのオレンジ』が『時計じかけのおれんち』、『羊たちの沈黙』が『羊たちの親睦』等々、古今東西の有名な映画作品のタイトルをもじった切り絵と、そのもじりから連想される架空のあらすじをまとめた作品集です。

こちらは、昨年刊行した文学作品パロディの『きりえや偽本大全』の続編となります。
今回は100作品以上ある偽映画作品の中から、82作品を厳選して収めました。 

刊行を記念して、ジュンク堂書店池袋本店にて展示をさせていただけることになりました。
会期は8月2日(火)から8月31日(水)まで9階のギャラリースペースにて開催いたします。

『きりえや偽本シネマ大全』に掲載されている全82作品のブックカバー(一枚150円+税)の販売はもちろん、原画のきりえや描き下ろしのカット、あらすじパネルなども展示します。
本日は展示風景をお見せしつつ、見どころをご紹介できればと思います。
 開催前日の8月1日、無事に展示準備が終わりました。
明日から約一か月、みなさまのご来場をお待ちしております。

展示風景
原画、グッズなど
偽本ブックカバー82種
サイン本もご用意してお待ちしています


見どころ その1:著者を苦しめた「偽映画グッズ」の数々

今回の展示の「ごあいさつ」では、著者の高木さんがこのようなことを書いておりました。

嘘から出たまこと。
僕が作り続けていた偽本ブックカバーが本物の本になってから一年、ここに第二弾をお届けする運びとなりました。
それもこれも、ほぼ無名作家に発表する場を与え続けてくれたジュンク堂書店池袋本店をはじめとする書店の皆様、「偽本まつり」を面白がってくださったみなさんの後押しあってのことです。
厚く御礼申し上げます。 
 
会場では表紙・あらすじの紹介パネル、使用したきりえ原画、カットなどの展示。
本文に掲載された偽本ブックカバー全種の販売等々。
全体を通して『きりえや偽本シネマ大全』の世界をイメージしていただける内容を心がけました。
あわせて今回は慣れない立体に手を出した作者を最後まで苦しめることになった「偽映画グッズ」の数々も展示。
こちらも笑ってご覧いただければ幸いです。 
 
まもなく上映開始となります。
最後に、僕を作ってくれた作品の数々、配給会社に映画館、スタッフ・キャスト、それに山師も、映画に関わるすべての人に愛と感謝を捧げます。
どうぞごゆっくりご覧ください。
 
きりえや 高木 亮

ジュンク堂書店池袋本店 展示「ごあいさつ」

いい感じの言葉でサンドイッチされている、「慣れない立体に手を出した作者を最後まで苦しめることになった「偽映画グッズ」の数々」という不穏な一言。
 
そう、この「偽映画グッズ」こそが、おそらく今回の展示で一番見ていただきたいものかもしれません。
本業は「きりえ画家」のはずなのに、なぜかきりえとは関係ないところで追い詰められて、印刷所への入稿当日まで偽映画グッズを作っていた著者。
 
 ……いったい、何をしているんでしょう。
まるで偽本の世界の住人のような、ちょっとズレた熱の入り方。
これはぜひともジュンク堂で現物を見ていただきたいのですが、ビフォーアフターをより楽しむために、何点か制作途中の写真をご紹介します。 
 
まず『キューポラのいる街』より、「怪獣キューポラソフビ」。
「ソフビ」とはいいながら、予算・技術的な問題から実際は粘土で制作したそうです。
 
キューポラの愛らしい頭の丸さを出すべく、芯になる素材を探し求めた著者がようやくたどり着いたのはフルーツ牛乳だったのだそう。

フルーツ牛乳のペットボトル

そして仕上げ・着色前のキューポラ。
素朴さが前面に出ていて、これはこれでかわいい。

とぼけた表情が魅力のキューポラ

「怖いから茶の間で乾かすな」と著者がご家族から言われてしまったという、『スター・モーゼ 帝国を100周』のシタッパトルーパー

制作中のシタッパトルーパー

上司のダーク・ペーターとともに、あとは着色を待つばかり。

上司と部下

ところが、悲劇が起きました。
フィギュア塗装用のエアブラシが壊れてしまったのです。

著者「破壊しちゃった…」 

著者曰く「下部分がプラスチック製のエアブラシだったから&長年きりえで鍛えた指先握力の合わせ技」とのこと。
いやどうするつもりー!?と送られてきた写真を見て愕然としたものの、ご本人は「筆塗りに切り替えます」と素早く舵を切り直し、なんとか完成させてくれました。よ、よかった……。

 このほかにも『未知子の土偶』の「土偶発掘キット」や『フラッシュおうどん』の「決して折れない箸」など、完成品を見ていただきたい「偽映画グッズ」をたくさん展示しています。

肉付け前の土偶と箸

とんでもなく気合の入ったグッズの数々を、ぜひお楽しみくださいませ。
 

見どころ その2:著者、編集で知恵を絞った「映画チャート」

謎に力の入ったコラムは「偽映画グッズ」だけではありません。
「こんなコラムがあったら楽しいよねぇ」と著者と話している中で出てきたコラムの一つに、「映画チャート」がありました。
 
「運動は好き?」「理系科目が得意?」「早起きできる?」などの質問にYes、Noで答えていくと、最終的に「あなたにぴったりの映画は○○だよ!」と教えてもらえる、アレです。
アレの偽本バージョンを作れたら、読んだ人みんな楽しんでくれそう!
そう盛り上がり、ノリノリで設問を作り始めたのもつかの間……あまりの難しさにのたうち回りました。

途中までは矛盾なく設問をつなげられてもどこかしらで齟齬が生じてしまったり、強引すぎる設問が頻発してしまったり。

おかげで普段めったに読まない雑誌の「モテ度診断」や「キャラクター診断」を見漁って、自らのモテ度の低さや「あなたは○○タイプ!」と示された不気味なキャラクターに落ち込む羽目になりました。
 
が、著者とともにあーだこーだ入れ替えたり設問をいじったりして、なんとか完成!

展示・書籍では続きも掲載しています

苦難の末にできあがった「見たい映画が必ず見つかる!? ザ・シネマコンシェルジュ」は、ジュンク堂ではカラーで展示いたします。
あなたにぴったりの偽映画、ぜひ見つけていただけたら嬉しいです。

著者の在廊日


ジュンク堂書店池袋本店での展示は、8月2日から31日まで。
会期中には、著者の高木亮さんによるきりえワークショップや、実演などもおこなう予定です。

著者の在廊予定日は、下記になります。

8月2日(火)
8月11日(木)
8月13日(土)
8月21日(日)
8月27日(土)
8月31日(水)

ワークショップのスケジュールは、著者のホームページやTwitterからチェックしていただければと思います。

会場でみなさまにお会いできますことを、楽しみにしております。
まだまだ暑い日が続いておりますので、どうかお気をつけてご来場ください。

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