株式会社A&Mコンサルト

経営環境が激変する中で、企業が永続的に存続できるよう「経営戦略改革」「仕組・組織構造改…

株式会社A&Mコンサルト

経営環境が激変する中で、企業が永続的に存続できるよう「経営戦略改革」「仕組・組織構造改革」「人事制度・教育制度改革」「組織風土改革」の4つの切り口で活動するコンサル会社です。このnoteでは設計者向けに「設計者の未来を創るノウハウ集」と題して、様々なノウハウを公開していきます。

マガジン

  • トヨタ流開発ノウハウ|設計者のためのテクニカルマガジン

    トヨタの設計には、競争に勝ち残れる考え方やノウハウがあるのです。このコラムではそれらを1つひとつ紐解(ひもと)いていきたいと思います。

最近の記事

変化点内容に対する横並びとは|トヨタ流開発ノウハウ 第22回

◆現状の設計手法について 現状の設計の進め方の多くはモジュラー設計(流用設計)です。 ただし、標準化したモジュールを流用のみで新しい製品を創造することは難しく、必ず新しい設計要素を組み込まなければなりません。 新しい設計要素を組み込まなければならない原因は、標準化したモジュールを未来に起こるであろう市場のトレンドを全て予測し、組み入れることができていないことです。 しかし、お客様の多様化が進んだ今の市場を見ていると、全ての市場のトレンドを予測することは不可能に近いでし

    • ムダの見つけ方|トヨタ流開発ノウハウ 第21回

      ■業務のムダ働き方改革として、効率的な働き方を求められているため、様々な企業が、業務のムダを見つけて効率化に取り組んでいるでしょう。 しかし、その「ムダ」の見つけ方は本当にあっているでしょうか? 私が関わっている多くの企業では、この「ムダ」の見つけ方を感覚だけで抽出してしまっている場合が多いのです。 この感覚的な抽出の仕方では、ある人にとっては「ムダ」でないことを「ムダ」だと判断してしまい、そのムダを削減した結果、逆に効率が悪化してしまうこともあります。 そのため、あ

      • 生産技術とのコミュニケーション|トヨタ流開発ノウハウ 第20回

        1.コミュニケーション・連携が必要 コロナというパンデミックを経験した日本。 以前より更なるテレワークが推進されていく流れになっています。 そんな中でどの企業からも声が上がっているのが、「コミュニケーション」を取るのが難しいという点です。 慣れない環境の中で今までと同じやり方で業務を推進していくのは難しく、今の環境に合わせた新たな仕組みやシステムが必要になってくるでしょう。 そのような企業全体の問題から、焦点を絞って、設計者が最もコミュニケーションが必要な部分に焦点

        • 設計部門の標準時間|トヨタ流開発ノウハウ 第19回

          ■設計の標準時間突然ですが、皆さんの設計部門に「設計の標準時間」は存在しますか? 私は、様々な製造業の企業様でコンサルタントとして支援をさせていただいておりますが、コンサルタントに転職して約10年間、設計部門内での「設計の標準時間」を聞いたことがありません。 設計の標準時間と言えば、製造部門の1つ1つの作業に対して標準時間が設けられ、その標準時間通りに生産していかなくてはなりません。 例えば自動車メーカーの完成品組立ラインは、流れてくる車体に対して、ある一定の距離が

        変化点内容に対する横並びとは|トヨタ流開発ノウハウ 第22回

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        • トヨタ流開発ノウハウ|設計者のためのテクニカルマガジン
          22本

        記事

          不正から考える設計組織風土|トヨタ流開発ノウハウ 第18回

          近年、自動車メーカーによる不正が多く報告され、元自動車メーカーの技術者として非常に残念に思う一方、なぜこのような不正が多くなっているのか疑問に感じています。 不正を実施してしまったのは、技術者自身ですが、不正をはたらくに至った背景から、組織的な問題ではないかと考えます。 今、技術者がおかれている状況は、多くの業務をこなさなければならず、ただ単に設計をしていればいいわけではありません。 設計業務(構想検討、シミュレーション、評価、試作、生産性確認など)に加えて、フロント

          不正から考える設計組織風土|トヨタ流開発ノウハウ 第18回

          正しい技術伝承とは? Part②|トヨタ流開発ノウハウ 第17回

          まずは前回の記事のおさらいをしましょう。 技術伝承の正しい方法は、「コア技術内容が誰でも使いたいときに正しく使えるようになる」ことだと考えます。 そのためには体系的に詳細内容までコア技術を正しく記載しなければなりません。 正しくドキュメントに記載する方法は次のようになります。 1.製品機能を明確にする まずは製品に織り込まれている「機能」を明確にすることです。 設計は「機能⇒方式⇒仕様」を創造し、最終的に図面やBOM(部品表)に落とし込まれます。 現在の時代

          正しい技術伝承とは? Part②|トヨタ流開発ノウハウ 第17回

          正しい技術伝承とは?|トヨタ流開発ノウハウ 第16回

          皆さんの会社では技術伝承の仕組みはあるでしょうか? 今までの日本の製造業での技術伝承は・・・ 「俺の背中を見て身につけろ!」 「図面の描き方を見て、ノウハウを盗め!」 のように、主に技術伝承される側が技術ノウハウを身につけるために、何かしらの行動をしてきました。 また、技術伝承をする側からOJTを受けるなどして、技術伝承している気になっている会社組織がほとんどです。 もちろん、今までのやり方を否定しているわけではありません。 「技を盗む!」といった考え方

          正しい技術伝承とは?|トヨタ流開発ノウハウ 第16回

          新システム設計プロセス MBD|トヨタ流開発ノウハウ 第15回

          第14回の記事で、システム設計組織の在り方を紹介しました。システム設計組織が構築することができ、連携方法が明確になった時点で、着手しなければならないのが、新たな設計プロセスの構築です。第14回のおさらいを簡単にしましょう。 重要なのは、以前のようにメカ設計後、エレキ設計、ソフト設計のようにバトンタッチにて設計を進めていくのではなく、ソフト設計が先頭には立つものの、構想設計内容をエレキ設計、メカ設計にインプットし、コンカレントに設計を進めていくことです。 このような設計組

          新システム設計プロセス MBD|トヨタ流開発ノウハウ 第15回

          システム設計での技術部門組織体制|トヨタ流開発ノウハウ 第14回

          メカ設計が主役の古い組織体制現在、この世の中に創出されている製品の多くはシステム製品です。元々メカだけで駆動していた部分を電動化することにより、多くの機能の実現を可能とします。 さらに、単なる電動化だけではなく制御により更なる市場や顧客要求に答えようと、日々進化しているのがシステム製品です。 では、このシステム製品はどのような組織体制で設計が進んでいるのでしょうか。 多くの企業は、元々メカ屋発祥のため、システム製品と言いながら、メカの大部分が決定した後に、メカで実現でき

          システム設計での技術部門組織体制|トヨタ流開発ノウハウ 第14回

          モジュラー設計の運用の考え方|トヨタ流開発ノウハウ 第13回

          モジュラー設計の運用プロセス皆さんの会社では、モジュール化や標準化を検討した後、改良や変更をした場合の運用フローはありますか? 私が今、支援させてもらっている企業では、モジュール化や標準化を構築した後にこんなことが起きています。 標準化や共通化を進めたものの、次の開発時に使用出来ていない。 標準が古くなっており、クレームの対応策が織り込まれていない。そのために標準を使用すると設計変更が多くなってしまうため、使用していない。 モジュールを使用しようとしても使い方(バリ

          モジュラー設計の運用の考え方|トヨタ流開発ノウハウ 第13回

          製品の使用環境の違いによる変化点管理|トヨタ流開発ノウハウ 第12回

          皆さま、唐突ではありますが、製品の使用環境についてどのように考えていますか? 私の前職では製品が自動車だったので、様々な使用環境を想定し、評価や確認を行っていました。さらに評価だけではなく、設計仕様に至るまで使用環境の変化により、内容を検討していく必要がありました。 例えば、日本とアメリカで同じ自動車を販売する事にします(法規制などはもちろん異なります)。 自動車で最も影響するのが道路事情です。 アメリカのロサンゼルスなどがある西海岸では、東海岸のニューヨークなどとは

          製品の使用環境の違いによる変化点管理|トヨタ流開発ノウハウ 第12回

          流用設計の真髄|トヨタ流開発ノウハウ 第11回

          流用設計の落とし穴設計の仕事を最初に取り掛かる時に最初に検討することはなんでしょうか。かつて私も設計者であった時は必ず実施していた行動です。それは、「流用元を調査、探すこと」です。過去から存在する機能の実現している製品であれば、必ず流用元が存在します。しかし、この「流用設計」は大きな落とし穴が存在します。皆さんはこのような経験はないでしょうか。 流用したのはいいけど、設計の変更点が多すぎて、新規設計する方が楽だった 適切な流用元を選択せずにあとで後悔・・・ 不具合・ク

          流用設計の真髄|トヨタ流開発ノウハウ 第11回

          標準化による品質不具合低減と標準の構築方法|トヨタ流開発ノウハウ 第10回

          その再発防止策、大丈夫ですか?皆さんは、品質不具合やクレームに対処方法はどのような仕組みで運用していますか? 多くの企業が、原因を追究し、真因を見つけ、暫定対策、恒久対策、再発防止策を考え、品質不具合対策書のような報告資料を作成して終わっているのではないでしょうか。 また、再発防止策といっても、「教育します」、「チェックシートで確認します」、「2重チェックします」と記載していませんでしょうか? これでは再発防止にならず、せっかくの品質不具合の情報を死んだ情報にしてしま

          標準化による品質不具合低減と標準の構築方法|トヨタ流開発ノウハウ 第10回

          DRBFMの正しい使い方|トヨタ流開発ノウハウ 第9回

          DRBFMを使えていますか?設計者の皆さんは問題の未然防止を常日頃考え、問題が発生しないよう対応策を設計内容に反映していることでしょう。 しかし、問題の未然防止の考え方や対応策が設計者の頭の中にしか残っていない場合が多いのではないでしょうか?特にベテラン設計者は、過去からの不具合事象や最近発生したクレーム内容が頭の中に叩き込まれており、1人で不具合・クレームに対する全ての対応策を検討してしまうことが多いのではないでしょうか? このように設計者の頭の中に問題の抽出や対応策

          DRBFMの正しい使い方|トヨタ流開発ノウハウ 第9回

          新規図面のなぜ?|トヨタ流開発ノウハウ 第8回

          今の時代の設計の在り方新規図面を作成する際に、「この形状は加工が出来るのだろうか?」、「この寸法は測定できるのだろうか?」など、加工や生産のことで悩むことが多くありませんか? 私が新人設計者の時、「分からないことは現場に行って確認せよ!」とよく言われていましたので、評価や試作工場の現場によく足を運んでいました。 私の時代のように、ある程度設計者に余裕があり現場を学べる環境であれば、設計者も加工や生産のことを理解、勉強することが可能かもしれません。 しかし、今の時代はどうで

          新規図面のなぜ?|トヨタ流開発ノウハウ 第8回

          図面に対する問題の未然防止|トヨタ流開発ノウハウ 第7回

          設計者にとってのITツールとは?設計者の皆さんは、機械設計者であればCADを開いて、ソフトウェア設計者であればソースコードを書くためのエディタを開いて、電気・電子設計者であれば回路CADを毎日開いているでしょう。 もちろん、仕事をするうえで効率的に活動するためのITツールは非常に重要ですし、活用しない手はありません。また、効率的だけではなく、品質を確保するための仕組みもツールの中に含まれているため、「使用しなければならない」という時代になってきています(手書き図面で出図して

          図面に対する問題の未然防止|トヨタ流開発ノウハウ 第7回