株式会社A&Mコンサルト

経営環境が激変する中で、企業が永続的に存続できるよう「経営戦略改革」「仕組・組織構造改…

株式会社A&Mコンサルト

経営環境が激変する中で、企業が永続的に存続できるよう「経営戦略改革」「仕組・組織構造改革」「人事制度・教育制度改革」「組織風土改革」の4つの切り口で活動するコンサル会社です。このnoteでは設計者向けに「設計者の未来を創るノウハウ集」と題して、様々なノウハウを公開していきます。

マガジン

  • トヨタ流開発ノウハウ|設計者のためのテクニカルマガジン

    トヨタの設計には、競争に勝ち残れる考え方やノウハウがあるのです。このコラムではそれらを1つひとつ紐解(ひもと)いていきたいと思います。

最近の記事

設計者が実施すべきマーケティングとは|トヨタ流開発ノウハウ 第27回

◆マーケティングに対する意識について 設計者の皆さんはマーケティングを意識しているでしょうか? マーケティングを商品企画部門や営業部門だけが実施するべきことだと考えてはいないでしょうか? 私が考えるマーケティングとは、製造業であれば設計者も実施するべき項目が必ず存在すると思っています。 設計者がマーケティングを実施していない場合、お客様に届く商品が設計者の思い描いた使用方法になっていない可能性があります。 見込み生産(自動車など)だけではありません。受注生産の商品に

    • お客様の要求が正しいとは限らない?!|トヨタ流開発ノウハウ 第26回

      ◆設計改革・モジュラー設計導入での設計効率向上 設計改革やモジュラー設計導入(3DCAD導入も含む)で設計効率を向上させるということを目的とすると、やはり標準モデルの設定であったり、過去の設計内容が流用しやすいように整理していくことが近道となります。 そのような改革を進めていくにあたり、最初に検討しなければならないのは市場やお客様の要求がどのような内容で、その結果どのような製品を設計してきたかです。 この内容が企業でどの設計者でも使用できる状態になると、格段に設計効率は

      • フロントローディングの落とし穴|トヨタ流開発ノウハウ 第25回

        ◆設計改革の困りごと設計改革を進めているとこんな困りことを聞くことがよくあります。 1.フロントローディング、フロントローディングって言うけど、設計時にやること増えてない? 2.設計改革をプロジェクトで進めているみたいだけど、そのプロジェクトで決まった内容を実施したとしても工数が減るようには思えない。 3.不具合対応で忙しい時にフロントローディングなんて実施できない! 4.DRBFMってめんどくさいから資料を適当に作って、DRに提出すればいいや。 皆さんは、このよ

        • 設計開発マネジメントの教育に対する重要性|トヨタ流開発ノウハウ 第24回

          ◆部下の教育方法について マネジメント層の皆さん、部下の教育方法に迷っていませんか? また、設計者の皆さん、OJTという名の教育に困っていませんか? 古くから技術部門は「背中を見て、覚えろ!」や「先輩の図面を繰り返し読んで、設計の考え方を理解しろ!」なんて言われながら、教育≒OJTとしてきました。 今の時代のマネジメント層が言っていることは・・・ ・若い設計者は今までと同じOJTでは育たない。 ・一から全て教えてあげなければならない。 ・言わないと自ら進んで仕事をしな

        設計者が実施すべきマーケティングとは|トヨタ流開発ノウハウ 第27回

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        • トヨタ流開発ノウハウ|設計者のためのテクニカルマガジン
          27本

        記事

          設計マネジメントの在り方とは|トヨタ流開発ノウハウ 第23回

          ◆設計者マネジメントの考え方のポイント 皆さんは設計者をマネジメントする考え方や方法は社内で統一されていますか? また、設計マネジメントの在り方に悩んでおりませんか? 私が支援させていただいているクライアント先では、マネジメントの在り方について悩んでいる設計部門の管理職の皆さんがたくさんいらっしゃいます。 悩みは次のような声が挙がってきています。 1.年齢があがって管理職になったのはいいが、マネジメントの在り方がまったく分からないし、教育もない。 2.教育はあるが、

          設計マネジメントの在り方とは|トヨタ流開発ノウハウ 第23回

          変化点内容に対する横並びとは|トヨタ流開発ノウハウ 第22回

          ◆現状の設計手法について 現状の設計の進め方の多くはモジュラー設計(流用設計)です。 ただし、標準化したモジュールを流用のみで新しい製品を創造することは難しく、必ず新しい設計要素を組み込まなければなりません。 新しい設計要素を組み込まなければならない原因は、標準化したモジュールを未来に起こるであろう市場のトレンドを全て予測し、組み入れることができていないことです。 しかし、お客様の多様化が進んだ今の市場を見ていると、全ての市場のトレンドを予測することは不可能に近いでし

          変化点内容に対する横並びとは|トヨタ流開発ノウハウ 第22回

          ムダの見つけ方|トヨタ流開発ノウハウ 第21回

          ■業務のムダ働き方改革として、効率的な働き方を求められているため、様々な企業が、業務のムダを見つけて効率化に取り組んでいるでしょう。 しかし、その「ムダ」の見つけ方は本当にあっているでしょうか? 私が関わっている多くの企業では、この「ムダ」の見つけ方を感覚だけで抽出してしまっている場合が多いのです。 この感覚的な抽出の仕方では、ある人にとっては「ムダ」でないことを「ムダ」だと判断してしまい、そのムダを削減した結果、逆に効率が悪化してしまうこともあります。 そのため、あ

          ムダの見つけ方|トヨタ流開発ノウハウ 第21回

          生産技術とのコミュニケーション|トヨタ流開発ノウハウ 第20回

          1.コミュニケーション・連携が必要 コロナというパンデミックを経験した日本。 以前より更なるテレワークが推進されていく流れになっています。 そんな中でどの企業からも声が上がっているのが、「コミュニケーション」を取るのが難しいという点です。 慣れない環境の中で今までと同じやり方で業務を推進していくのは難しく、今の環境に合わせた新たな仕組みやシステムが必要になってくるでしょう。 そのような企業全体の問題から、焦点を絞って、設計者が最もコミュニケーションが必要な部分に焦点

          生産技術とのコミュニケーション|トヨタ流開発ノウハウ 第20回

          設計部門の標準時間|トヨタ流開発ノウハウ 第19回

          ■設計の標準時間突然ですが、皆さんの設計部門に「設計の標準時間」は存在しますか? 私は、様々な製造業の企業様でコンサルタントとして支援をさせていただいておりますが、コンサルタントに転職して約10年間、設計部門内での「設計の標準時間」を聞いたことがありません。 設計の標準時間と言えば、製造部門の1つ1つの作業に対して標準時間が設けられ、その標準時間通りに生産していかなくてはなりません。 例えば自動車メーカーの完成品組立ラインは、流れてくる車体に対して、ある一定の距離が

          設計部門の標準時間|トヨタ流開発ノウハウ 第19回

          不正から考える設計組織風土|トヨタ流開発ノウハウ 第18回

          近年、自動車メーカーによる不正が多く報告され、元自動車メーカーの技術者として非常に残念に思う一方、なぜこのような不正が多くなっているのか疑問に感じています。 不正を実施してしまったのは、技術者自身ですが、不正をはたらくに至った背景から、組織的な問題ではないかと考えます。 今、技術者がおかれている状況は、多くの業務をこなさなければならず、ただ単に設計をしていればいいわけではありません。 設計業務(構想検討、シミュレーション、評価、試作、生産性確認など)に加えて、フロント

          不正から考える設計組織風土|トヨタ流開発ノウハウ 第18回

          正しい技術伝承とは? Part②|トヨタ流開発ノウハウ 第17回

          まずは前回の記事のおさらいをしましょう。 技術伝承の正しい方法は、「コア技術内容が誰でも使いたいときに正しく使えるようになる」ことだと考えます。 そのためには体系的に詳細内容までコア技術を正しく記載しなければなりません。 正しくドキュメントに記載する方法は次のようになります。 1.製品機能を明確にする まずは製品に織り込まれている「機能」を明確にすることです。 設計は「機能⇒方式⇒仕様」を創造し、最終的に図面やBOM(部品表)に落とし込まれます。 現在の時代

          正しい技術伝承とは? Part②|トヨタ流開発ノウハウ 第17回

          正しい技術伝承とは?|トヨタ流開発ノウハウ 第16回

          皆さんの会社では技術伝承の仕組みはあるでしょうか? 今までの日本の製造業での技術伝承は・・・ 「俺の背中を見て身につけろ!」 「図面の描き方を見て、ノウハウを盗め!」 のように、主に技術伝承される側が技術ノウハウを身につけるために、何かしらの行動をしてきました。 また、技術伝承をする側からOJTを受けるなどして、技術伝承している気になっている会社組織がほとんどです。 もちろん、今までのやり方を否定しているわけではありません。 「技を盗む!」といった考え方

          正しい技術伝承とは?|トヨタ流開発ノウハウ 第16回

          新システム設計プロセス MBD|トヨタ流開発ノウハウ 第15回

          第14回の記事で、システム設計組織の在り方を紹介しました。システム設計組織が構築することができ、連携方法が明確になった時点で、着手しなければならないのが、新たな設計プロセスの構築です。第14回のおさらいを簡単にしましょう。 重要なのは、以前のようにメカ設計後、エレキ設計、ソフト設計のようにバトンタッチにて設計を進めていくのではなく、ソフト設計が先頭には立つものの、構想設計内容をエレキ設計、メカ設計にインプットし、コンカレントに設計を進めていくことです。 このような設計組

          新システム設計プロセス MBD|トヨタ流開発ノウハウ 第15回

          システム設計での技術部門組織体制|トヨタ流開発ノウハウ 第14回

          メカ設計が主役の古い組織体制現在、この世の中に創出されている製品の多くはシステム製品です。元々メカだけで駆動していた部分を電動化することにより、多くの機能の実現を可能とします。 さらに、単なる電動化だけではなく制御により更なる市場や顧客要求に答えようと、日々進化しているのがシステム製品です。 では、このシステム製品はどのような組織体制で設計が進んでいるのでしょうか。 多くの企業は、元々メカ屋発祥のため、システム製品と言いながら、メカの大部分が決定した後に、メカで実現でき

          システム設計での技術部門組織体制|トヨタ流開発ノウハウ 第14回

          モジュラー設計の運用の考え方|トヨタ流開発ノウハウ 第13回

          モジュラー設計の運用プロセス皆さんの会社では、モジュール化や標準化を検討した後、改良や変更をした場合の運用フローはありますか? 私が今、支援させてもらっている企業では、モジュール化や標準化を構築した後にこんなことが起きています。 標準化や共通化を進めたものの、次の開発時に使用出来ていない。 標準が古くなっており、クレームの対応策が織り込まれていない。そのために標準を使用すると設計変更が多くなってしまうため、使用していない。 モジュールを使用しようとしても使い方(バリ

          モジュラー設計の運用の考え方|トヨタ流開発ノウハウ 第13回

          製品の使用環境の違いによる変化点管理|トヨタ流開発ノウハウ 第12回

          皆さま、唐突ではありますが、製品の使用環境についてどのように考えていますか? 私の前職では製品が自動車だったので、様々な使用環境を想定し、評価や確認を行っていました。さらに評価だけではなく、設計仕様に至るまで使用環境の変化により、内容を検討していく必要がありました。 例えば、日本とアメリカで同じ自動車を販売する事にします(法規制などはもちろん異なります)。 自動車で最も影響するのが道路事情です。 アメリカのロサンゼルスなどがある西海岸では、東海岸のニューヨークなどとは

          製品の使用環境の違いによる変化点管理|トヨタ流開発ノウハウ 第12回