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沈黙の夏

「本当は君も私と同じタイプだよね」 困惑で僕は固まった。 自分の全てを見透かされたような気がした。 1 高校1年、4月。1年4組の連中は、隣のクラスで誰が一番可愛いかとか、宿題が億劫だとか、帰りにスタアバックスの新作を飲もうとか、初々しい制服姿に身を包みながら、がやがやと楽しそうに騒いでいる。 皆んな、仲良くなろうと必死だな 心の中で少し捻くれてみた。生来寡黙な僕はそのようなクラスの浮かれた雰囲気に未だ充分馴染めずにいた。 4月27日。 週始めから予報通りの雨。雨

    • これから卒論を執筆する全ての大学生に向けて

      こんなことを言うと先生方に怒られてしまいそうですが、卒論を適当に書こうとするのもアリだと思います。自分の問題意識と真摯に向き合ったり、大学院進学を見据えたりして、 卒論を「ガチる」人もいれば、就活や留学、遊びに全力投球して、卒論はとりあえず提出のためだけに書く、という人も勿論いるでしょう。(一応私は前者でした)大学生活の過ごし方は人それぞれで、卒論にどれだけの時間と労力を費やすのかも人それぞれだと思います。そのため、私は「人生に一度の学術論文を書くチャンスだから、提出するため

      • 「おはようございます」ツイートで2021を振り返る

        「おはようございます」で1日を始める 私は、これまでたくさん「おはようございます」ツイートをしてきました。今回、2021年に私がツイートした「おはようございます」関連のツイートを列挙して、その時の心情を思い出してみようと思います。うまく思い出せなければ推測します。 ちなみに、タイトルは仰々しく「2021を振り返る」としていますが、6月までしかツイートを遡れなかったので、「2021年下半期を振り返る」くらいのタイトルでいいかもしれません。というか、そもそも「振り返る」でもな

        • 元気谷は何故ご飯を残さないのか

           私は給食というものを初めて目にした時、その量の多さに開いた口が塞がらなかった。隙間なく敷き詰められた麦ご飯。お椀いっぱいの汁物。250mlの牛乳。おまけの一品煮物。給食の定番とも言える献立だったが、生来少食であった私の腹を十二分に満たす為には十分な量であった。無論、完食することなどできるはずはなく、当然の如く食べ切れなかった分を残した。その残飯が廃棄されることなど知る由もなくー  以来、私は完食する気などさらさらなく、友人との雑談に興じながら給食の時間を過ごすことが日常と

        沈黙の夏