これから卒論を執筆する全ての大学生に向けて

こんなことを言うと先生方に怒られてしまいそうですが、卒論を適当に書こうとするのもアリだと思います。自分の問題意識と真摯に向き合ったり、大学院進学を見据えたりして、 卒論を「ガチる」人もいれば、就活や留学、遊びに全力投球して、卒論はとりあえず提出のためだけに書く、という人も勿論いるでしょう。(一応私は前者でした)大学生活の過ごし方は人それぞれで、卒論にどれだけの時間と労力を費やすのかも人それぞれだと思います。そのため、私は「人生に一度の学術論文を書くチャンスだから、提出するためだけに卒論を書くのはもったいない」と言うつもりはありません。

しかし、それでも、卒論は結局、「ガチって」しまった方が楽だと思います。というか、どんなモチベーションで始めたとしても、最終的に「ガチる」ことになると思います。

まず、卒論を適当に書こうとしても、それは逆に難しいものです。テーマや分析方法をある程度ちゃんと練らないと、そもそも書き始められないからです。「卒業論文」の代わりに「卒業エッセイ」を提出することも認められれば良いのに、と個人的には思っていますが、大抵の場合、書くのはエッセイではなく学術論文です。実証的な分析を行い、最終的にはある程度きちんとした結論を提示しなければなりません。そのためには、具体的な分析方法を意識したテーマ設定が重要になってきます。書きやすそうなテーマや、面白くて意義深いテーマを設定したとしても、分析方法が思いつかない、 もしくは実証が難しいものだと、途中で行き詰まります。そうなると、にっちもさっちもいかなくなり、卒論はどんどん後回しになり、提出直前になって鬼の形相でキーボードを叩くことになってしまいます。もし、最初に設定したテーマと分析方法で上手くいかなければ、 早めに見切りをつけて、新しく練り直すのもひとつだと思います。(私もそうしました)抽象的なテーマ設定でも、分析方法さえきちんとしていれば、書いている途中で具体的な道筋が見えてくることもあります。しかし、分析方法がしっかりしていないと、そもそも着手することすらできません。とにかく、具体的な分析方法とテーマの設定だけは、 どんなモチベーションの人であっても絶対に避けては通れません。


そこで、テーマと分析方法を練ったとします。すると、次に全体構成を考えなければいけなくなります。順序だてて論証しないと、執筆の途中で結局何が言いたいのか自分でもわからなくなってくるからです。そうなると、にっちもさっちもいかなくなり、卒論はどんどん後回しになり、提出直前になって鬼の形相でキーボードを叩くことになってしまいます。そこで、文章を書きながらでもいいので、全体構成を組み立ててください。

そこまで完成したタイミングで、たいていの場合、 指導教員の先生に見ていただくことになると思います。そこで、注釈や文の体裁等、訂正のご指摘をいただくと思うので、該当箇所を直します。ここまでくれば、なんと、卒論は 9 割くらい完成しているのです。


せっかくだし、ということで表現にもちょっとだけこだわってみてください。自分の好きなレトリックや言い回し、語感があるはずです。(私の場合、「世界史を俯瞰すると」という言い回しを好んで使います)


そして気が付けば 1 月。


あなたは自分の「作品」を好きになっていることでしょう。

と、少し話を盛っていますが、 大体こんな感じです。卒論に対する熱意は最初、人それぞれだと思います。しかし、「とりあえず提出できたらいいや」と思って書き始めたとしても、取り組む以上は、ある程度真剣に書かざるを得なくなります。そして、書いているうちに楽しくなってくることも、もしかしたらあるかもしれません。(本当にもしかしたら、ですけれど)


「ガチ勢」の人はいわずもがなですが、「提出できたらいいや」派の人も、とりあえず、最初の関門、テーマと分析方法の設定だけでも頑張って練ってみて下さい。


きっと、それさえできればあとはローションの上を滑るようにスムーズにいくと思います。

ではでは、ありがとうございました。

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