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#9 覚悟と決意と、それでも愛が。

アニメや漫画で主人公が覚悟を決めるシーンがある。
決めたことをやりきる。苦しい環境を乗り切る。彼らは一度覚悟を決めたことを最後までやり切る。
だからこそ「主人公」なのだろう。そこに痺れる憧れる。

この人生の主人公は間違いなく僕自身のはずなのに、僕は彼らのようなよくできた「主人公」ではない。
一週間前の僕よ。君は決意したよな。もうノンケへの彼には連絡しないと。どれだけ好きだろうと自分から連絡するのはやめると。告白もした。カミングアウトもした。もう十分だと。
なのに何でLINEにメッセージを送っているのだ?
はぁ、なんて甘い「覚悟」なのだろう。自分が情けない。

彼から認められたとでも思ってしまったのか。
そんなわけないじゃないか。認められてるわけないじゃないか。
彼は優しいから、リップサービスに決まってるだろ。
本当は気味悪がっているに決まっている。
考えてもみろ。自分の恋愛対象でもない人間が恋愛感情ダダ漏れで付きまとってくる鬱陶しさを。
しかも先輩で気を使わないといけないときたら、邪魔以外の何者でもないぞ。

挙句の果てに自分から送ったメッセージに返信が来ないことで悲しんでいるなんて。
先週の自分が見たら、怒られるぞ。
「そんな覚悟で告白したわけじゃない。」って。

覚悟が甘かったわけじゃない。
先週の自分は確かに決意してた。もう会わないって。もう連絡はしないって。
なのに、なのに。これが恋なのだろうか。
忘れようとしてる人たちはどうやって忘れているのだろう。もう過去のことだと忘れた人はどうやって忘れたのだろう。もう連絡しないと、もう会わないと決めた人たちは、その溢れる思いをどうやって抑えたのだろう。教えてほしい。

これ以上 心に君が溢れて
誰かを傷付けてしまわないように
君の恋の終わりを願う本当の私に
今は硝子の蓋を閉めて

backnumber 「黄色」

僕の大好きな歌。
誰か僕の硝子の蓋を閉めてほしい。心が君で一杯なんだ。

ダサい。一度決めたことを守れない自分がダサい。もっと強くありたかった。決意したことを恋のせいにして破っている自分がダサい。もっとカッコよくありたかった。醜い自分。

僕の心を別の誰かで埋めてくれる、そんな日が早く来てほしい。


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