秋でもオカルトな話がしたい/暗い夜道での怪
もうすっかり涼しくなってきましたけど、まだまだオカルトな話は書いていきますよ。
深夜にお腹が減っちゃうことってありますよね。
そんなとき、強い味方なのがコンビニです。
ゲーマーなんて人種は夜型が多いもんで、アタシもよく行くんですがね。
前、住んでいたところは、最寄りのコンビニに行く途中に、真っ暗な道があったんです。
その一角だけ、まだ開発がされていなくて雑木林が残ってまして。そのせいで住宅の明かりもない街灯もない状態でした。
深夜にそこを通ると、まさに黒一色、目の前2メートルくらいしか見えないんです。
そういう、ちょっと、怖い道なんですよ。
でも、そこを通らないと大変な回り道になっちゃうんですよね。
その日も、深夜にその道を通ってたんです。
そうしたら、その闇の向こう側から、何やら大きな声が聞こえてきたんですよね。
「ばかやろう!」とか「このやろう!」とか。
どうやら喧嘩でもしているようです。
嫌だなー嫌だなー、怖いなー怖いなーって思ったんですが、なんせそこを通らないといけない。
恐る恐る進んでいくと、向こうからその声も近づいて来たんです。
声が近づいてきて、相手の姿が闇の中にぼんやり見えてきた。
喧嘩だと思ったんですが、どうやら相手は一人のようです。
年は50代から60代ってところ。
小柄でメガネをかけている。普通のおじさんかなって思ったんです。
ところが、よく見ると普通じゃなかった。
右手に金属バット、左手にゴルフクラブを持ってるんです。
そんな人が誰も居ない空間に向かって、大声で罵声を吐きながら近づいてくる。
踵を返して逃げようかと思いました。
しかし、向こうはこちらには気がついていない様子。
メガネをしているから目が悪いんでしょう。暗闇でこちらは見えていないと思われました。
そこで、思い切ってすれ違ってみよう、そう考えたんです。
今思うと無茶したなぁって感じなんですが、アタシもだいぶお腹が減ってたんでしょうね。
ゆっくり近づいて、もう相手との距離も1メートルもない、そこまできたとき、ついに向こうもこちらに気がついたんです。
おじさんはそれまでがに股でノシノシ歩いていたんですが、罵声を止め、その場でピタッと止まりました。
ヤバイ!殺られる!
咄嗟にそう思ったんですが、おじさん、こちらを見て
「あ、スミマセン」
って言ったんです。
いやー、ホッとしましたねぇ。
こっちも、「いえ」なんて言ったりして。
そのまますれ違ったんですが、すれ違ったその瞬間、またしても「ばかやろう!」、「このやろう!」って大声を出しながら去っていきました。
なんか…大変だなぁって思いましたね。
後日、そのあたりで何か事件でも起きていないかと、新聞などチェックしてみたんですが、そういうことはなくホッとしましたねぇ。
よく考えると、これ全然オカルトじゃないですねぇ。
まぁ、定番の生きている人間が一番怖い話ってやつでした。
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