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リモートワーク体制で効果的に仕事を進めるノウハウ 〜国際リモート体制とチームビルディングの実践経験から〜

GEMSTONEでは2017年の創業以来ずっと、リモートと対面を組み合わせて業務を遂行してきました。アジア、欧米に滞在するメンバーとの国境を越えてのリモートワークやコミュニケーションも日常的に行っています。

リモートワークは、通勤時間等が削減され、個々の時間が確保され自由度の高い時間の使い方ができるというメリットがある分、実際に会って仕事をするよりもコミュニケーション密度・頻度を意識的に高める努力、主体的に仕事を進める力などが求められます。また、部分最適が進みやすく、全体最適及びチームとしての一体感を醸成し続ける工夫が必須となります。

GEMSTONEでも実践と情報収集から知見を取り入れ、常に試行錯誤しつつリモートチームを運営していますので、これまでの経験から何かお役立てできることがあればと思い、代表ひできとバックオフィスのみずきで社内の現状を整理し、ノウハウをまとめてみました。(後述するツールはあくまで当社で活用しているものの例であり、導入する際にはそれぞれの組織に適したものを選択、ご検討ください。)


仕事の環境を整える

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・準備するもの
 集中して取り組める場所(デスク、家族との距離) 
 インターネット回線
 カメラ付きパソコン
 マイク付きヘッドホン

主に自宅で仕事を行う場合、まず集中して取り組める場所の確保が大切です。またコミュニケーショ ンツールがインターネット回線に依存しますので、安定したwifi環境を確保します。オンライン会議 にはカメラ付きパソコンが必須ですが、同じくマイク付きヘッドホンがあると、相手方の音声も、こちら側の発言もクリアに聞こえるのでおすすめです(iphoneをお持ちの方はセットでついてくるイヤホンにマイクがついているので使えます)。


リモートならではの留意点

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コミュニケーション量

思い立った際にすぐに声をかけられるオフィスと違い、リモートでは意識していないとコミュニケーション量がグッと少なくなってしまいます。それによりすれ違いや、作業の遅れが発生しやすいため、細かい、積極的な発信が求められます。電話でのやり取りに加え、SLACKでの発言や反応、気軽にZOOMを繋げて対面で話し合う等、「やりましょう!」と声をあげやすい雰囲気を作って行くことが大切です。事前にお互いのスケジュールが共有されていると、声をかけやすいと思います。

スケジュール管理

自宅にて一人で仕事をしていると、つい休憩を長くとったり家事に手を出してしまったりしがちです。また他人の目がないためタスクやスケジュールの管理がなあなあになってしまうことも起こり得ます。オフィス時よりもスケジュール管理を意識し、時間を区切って休憩するなどメリハリをつけることをおすすめします。集中できる状態を作るために小さくラジオや音楽を流すと、不思議と無音よりも仕事に没頭できます。


チーム構築・維持を意識的に行う(外部支援者活用も含めて)

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オフィスで顔を合わせると互いの非言語の情報(例:表情、雰囲気、声色など)が取得しやすいですが、リモートで進める場合は意識的に情報取得を行う事が必要となる為、GEMSTONEでは意図的にチーム構築・維持を重視して進めています(いつの間にかメンバーがダウンしていたというような事態を避けるためにも)。

当社では、社内メンバーが実施する事に加えて、外部支援者も活用して、チームとの対話を促進、維持しています。チームとの対話は、利害が関係する当事者のみでは遠慮などが発生して難しくなることも多いため、外部者の支援が有効に機能する事は多いです(但し、質が高く信頼できる支援者でないと、関与はマイナスなので留意)。また、緊急ではないけれど重要なカテゴリであるこの業務は、 置き去りになりがちですが、外部との予定をあらかじめ定めておく事で実施に繋げることがしやすくなります。


ファシリテーション

会議等での議論を促進、観点を広げる、必要な結論を導くなどを目的に、第三者を会議運営のファシリテーターとして立てます。会議参加者は運営そのものから頭を切り離し、内容に集中することが可能となり、結果として会議の質がグッと高まります。


システムコーチング(関係性・チームビルディングにおけるコーチング)

第三者が場の運営をリードする事は同じですが、ファシリテーションよりも一歩踏み込み、論理以外の「感情・感性」「過去・現在・未来の時間軸」なども使いながら、チームを一つの有機体(システ ム)と見て、チームが「適切な関係性(Right Relationship)」となるよう推進します。個人とチームの「本当に大切にしたいこと」に触れる為、より本質的でダイナミックな流れにつながります。節目となるタイミングで実施する事が多いですが、2週に1回から月1回の頻度で積み重ねる事が最も効果的です。

ツールを活用する

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会議ツールZOOM の活用法

オンライン会議
基本的には対面の会議とほぼ同じようなことができます。資料を共有しながら話をしたり、チャット 機能もついているのでURLなどの文字のやり取りも可能です。録画することも可能なので、会議に参加できなかったメンバーへの共有ができます。会議開始時刻にオンライン入室し、すぐに議題に入ってしまうとメンバーの温度感に差があるままミーティングが行われてしまうので、まず始めにメンバ ーが一言ずつ発言する(チェックイン)を行うとスムーズです。

朝礼(週1回もしくは毎日) 
朝決まった時間に30分ほど全体でZOOMをつないで、お互いの近況、全体向けのアナウンス、個々人で 取り組んでいることなどを共有する時間を儲けます。内容よりも、お互いの顔を見ることに重きを置いています。

疑似オフィス
数時間、ZOOMをお互い繋いだ状態で各自仕事をすると、ちょっとした相談、雑談ができるようになり同じ空間で仕事をしている雰囲気となります。GEMSTONEは頻繁にこの日を設けています。

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メール
報告、連絡、相談のお馴染みの基本ツールをリモートで使用できるように設定します。外部との連絡、外部との連絡を転送する形で内部へ連絡する、資料の展開などで活躍します。

チャットツール SLACK
メールとの最大の違いは、プロジェクト別に分類を作ることができる点、掲示板へ書き込むような形 で予め設定されたメンバーが閲覧できる点です。書き込みの修正、履歴検索も可能で、地味に便利で す。資料添付なども可能です。

報告、連絡、相談。それぞれの必要メンバーへの共有として活用します。発言が一方的になってしまわないように、「メンション(名前での呼びかけ)された場合は必ず一言返信する」「投稿を読んだ らメンションされていなくてもリアクションを残す」等、読み手も積極的に反応できるとやり取りがスムーズになります。
たくさんのやり取りが流れていくと大事なメッセージが埋もれてしまいがちです。後で対応が必要、など残しておきたいメッセージは右上のスターをつけておくと、スター付きメッセージだけを引っ張り出せるので便利です。また検索窓に @自分の名前 を入れると、自分宛にメンションされたものが出てくるので抜け漏れ防止に役立ちます。

留意点としては、誰までがこのツールを使用するか定めておく事、連絡する人は責任を持って相手が必要な反応・アクションを取るまで追う事、機能しない場合はツールや運営のやり方を調整する事です。例えば、AさんがBさん宛の連絡をSLACKでしたとして、Bさんがメール中心でSLACKは週一回しか 開ないとすれば、Aさんは意図せず仕事が遅延します。その際はBさんに別方法で連絡してSLACKへ移行を促すか、Bさんへの連絡はメールなど別ツールとするか調整しましょう。

書類共有フォルダ
書類を共有するツールは様々あり、GEMSTONEではクラウドのDropboxやGoogleドキュメントを活用し ています。リモート中に複数人で資料を作成する場合などで、同時に書き込みをする場合はGoogleドキュメント、各自別作業し後で共有の場合などはDropboxで最新版を共有します。クラウドに書類を格納しておくことで、どこでも、誰でも取り出して閲覧、編集することができるため業務効率化に欠かせません。GEMSTONEではメインの情報格納をDropbox、補完的にGoogleドキュメントを使用してい ます。

会社独自の社内システム上の共有フォルダなどで情報管理されているところも多いと思いますが、リモート状態でも情報アクセスが途切れないように、IT担当者へ依頼する、必要な情報を外付けドライ ブで格納して取り出すなど、情報セキュリティーのポリシーへも準拠しつつ必要な仕事を進められる 体制を作りましょう。

ファイル共有サイト
メール添付による送付などが受取手サーバーに拒否されるほど重い書類を送付する際には、ファイル共有サイトを活用します。相手サーバーによりますが、3-10MBで受信拒否されるケースが多いようです。写真や動画ファイルや、それらが貼り付けされたパワーポイントなどの資料が重くなるケースが 多いです。例えば、以下のようなサイト経由でのファイル共有を行います。 https://firestorage.jp


以上。

リモートワークだからこそ出来ること、新しい可能性を切り開けることを、私たちはこれまでの経験から感じています。いま、そしてこれから、リモートワークに移行する方々に、当社のこれまでの経験がお役に立てばと、そのノウハウをまとめ、公開しました。私たちも常に試行錯誤の最中ではありますが、リモートワークへの移行を、組織を強くする機会にすることに、少しでも力になれれば嬉しいです。

※このノウハウ資料は組織内運営、個人の働き方を支援したいという想いから公開しています。営利目的での利用はお断りさせていただきます。引用・転載時は(出典:一般社団法人GEMSTONE)と明記をお願いします。


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