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失敗から生まれたタルトタタンを失敗せずに作るには

リンゴのお菓子でアップルパイと並んで人気なのがタルトタタン。

キャラメリゼしたリンゴの美味しさをたっぷり味わえる美味しいお菓子です。

タルトタタンは失敗の強引なリカバリーから生まれた

タルトタタンはフランスに住むタタン姉妹が生み出したことからこの名前が付けられました。

そしてこの美味しいお菓子、実は失敗から生まれたものなんです。

ホテルを経営していたタタン姉妹。

調理を担当するのは姉ステファニー。

ある日、ステファニーはリンゴのタルトを作っていました。

タルトに使うりんごをバターと砂糖でソテーしていたところ、なんだか焦げたような匂いが。

「やっば!リンゴ焦がしてもうたかも!」

ここで、作り直しをするかと思ったステファニーですが、なぜかフライパンごと焦げた匂いのするリンゴをオーブンに突っ込みます、パイ生地を乗せて。

「何とかなるかもしれん。知らんけど」

と言ったかどうかは知らんけどですが、とにかくステファニーは焦げたリンゴをフライパンごとオーブンに入れてさらに焼くという、結構強引な方法で乗り切ろうとしました。

まぁ、人間だれしもありますよね、なんとかなるんちゃうか、と一縷の望みにかけることって。

この考えは時代も人種も超えるってことでしょう。

そして肝心のリンゴのタルトはどうなったかというと、

あーら不思議、焦げた砂糖がキャラメルとなりタルトのリンゴは美味しいリンゴのキャラメリゼになりましたとさ。

というのがタルトタタン誕生秘話のようです。

タルトタタンを上手に作るには

このように失敗から生まれたタルトタタンですが、家で作る時は失敗したくないですよね。

ここからは、このnoteの本題である、タルトタタンを作る時のコツを紹介していきます。

タルトタタンは基本的にはリンゴ、砂糖、パイ生地(業務スーパーので十分)くらいしか使いません。

そしてタルトタタンの作り方はこちら。

ネットで見られるレシピもだいたい同じようなものだと思います。

タルトタタンの大体の作り方

・リンゴの皮を切り、くし形に切る(小ぶりのもので8分の1くらい)
 ※15㎝型で2個半~3個くらい
・フライパンでキャラメルを作って、その中にリンゴ(とバター)を投入
・リンゴがしんなりするくらいキャラメリゼする
・リンゴを型から出るくらいの量をギチギチにならべる
・180℃くらいのオーブンで焼く
・型と同じサイズの焼いておいたパイをかぶせてひっくり返し、型をはずす

リンゴをキャラメリゼして型に詰めて焼く。

はしょると本当にこんなことくらいしかしていません。

だからこそ、タルトタタンは作るポイントがすべてのようなお菓子なのです。

タルトタタンは深い赤みがかったキャラメル色が魅力。

そして表面がツルッと、かつ果肉の存在感があると見た目はかなり良くなります。

ちなみ私が家で作ったのがこれ。

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ツルっとしていてリンゴの存在感もあって、結構いい感じじゃないでしょうか。

表面のツルツル感は後で上掛けジャムなどでカバーもできますが、タルトそのものがツルっといていると仕上がりは段違いです。

ではいきましょ~

リンゴは紅玉を使う

タルトタタンに使うリンゴといえば紅玉。

なんで紅玉なん?フジでもいいんじゃないの?と思うかもしれません。

確かにフジは酸味と甘みのバランスが取れていて美味しいので、生で使うならフジでもいいですね。

ですが、キャラメリゼしたり、炊いたり、焼いたりするなら紅玉がオススメ。

紅玉は酸味が強い小ぶりで身がしまっている品種です。

煮崩れしにくくキャラメリゼなどにぴったり。

また紅玉の赤い皮はタルトタタンに欠かせないもの。

紅玉の皮の鮮烈な赤色は、タルトタタンの深い色を生み出します。

また単に色の問題だけでなく、皮には多くのペクチンが含まれていて、キレイなタルトの形に固める役割を果たします。

リンゴのキャラメリゼは皮も一緒に!

じゃあ紅玉の皮の赤い色をどうやって活用するのかというと、リンゴをキャラメリゼする時、剥いた皮も一緒に入れるんです。

これがキレイな色を出す重要ポイント。

紅玉の皮のキレイな赤色がキャラメリゼしたリンゴに移り、赤銅色の美しいキャラメリゼに仕上がります。

そして、リンゴをフライパンから取り出した後の残ったキャラメルもめっちゃ重要。

これはどういうことかというと、リンゴの皮に多く含まれるペクチンがタルトタタンのバリっと角のある形を生み出し、リンゴの隙間を埋めるのです。

ペクチンというものは加熱、砂糖、酸でゲル化するという特性があります。

キャラメリゼした後のキャラメルは、リンゴから出た水分で少し液状になっています。

このキャラメル汁には皮も一緒に入れているので、ペクチンが多く含まれているのです。

そして紅玉は酸味が強いので、酸、キャラメルの砂糖、そして加熱という3条件が整っているため、この汁はゲル化します。

ですので、リンゴを取り出して型に詰めたら、残ったキャラメルも一緒に型に流し込みましょう。

リンゴの隙間をペクチンがたくさん含まれたキャラメル汁が埋めてくれるので、ツルっとした仕上がりになりますよ。

フライパンに残ったキャラメルを増量する

ただこのキャラメル汁、普通にキャラメリゼしただけではそんなに量が取れません。

店でたくさん作る時は、たくさんのリンゴからそれなりの水分がでるので問題ないのですが、家庭で1台作るくらいだと、キャラメル汁の取れ高は少ないです。

量が少なすぎると型に詰め込んだリンゴの隙間を十分に埋められません。

じゃあどうするかというと、キャラメル汁を増産します。

リンゴを取り出した後のキャラメルと皮が残った状態の鍋の中に砂糖と水を少し足します。

そして再び過熱し、ペクチンが含まれたキャラメル汁をカサ増しするんです。

この時は別に再びキャラメル化しなくても別に大丈夫。

とにかくペクチンの含まれたシロップ状のものを増産したいだけなので。

これを型に流し込めば、焼き上がりは十分にリンゴの隙間が埋まり、ツルっとした焼き上がりになりますよ^^

焼成途中にリンゴを押しこむ

タルトタタンはリンゴを型から出るくらい押し込みます。

オーブンに入れてリンゴに火が入ってくるとカサが減るので、とにかくいっぱい入れましょう。

また焼いていると、リンゴがぼわーっと浮いてくるので、途中耐熱ゴムベラなどで、浮いたリンゴを型にギュギュっと押し込みます。

こうすることで、リンゴが型の形にしっかりおさまり、仕上がりがキレイになります。

型を抜くときはコンロやバーナーで軽くあぶる

良い感じに焼けても型から抜くときに崩れたらガッカリですよね。

とにかく焼けたタタンはしっかり冷やしましょう。

温かいと、せっかくのペクチンが固まらずボンド替わりを果たしません。

そしてしっかり冷やしたら方から抜くときは少し型の表面を温めるとポコッと抜けやすいですよ。

こんな感じでコツを押さえていけばタルトタタンは結構上手に作れます。

ぜひチャレンジしてみてくださいね~makoでした^^

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