withコロナ:東京都の制度融資を活用しよう

都の制度融資

 コロナ感染症は一旦の収束局面に向かいつつあるのでしょうか?緊急事態宣言も解け、東京都もステップ3になりました。ただ、コロナ禍による社会変化でどこの事業者も依然として厳しい状況です。この状況を乗り越えるための策として様々なメニューがようやく揃ってきました。今日は特に東京都の制度融資について、簡単に説明します。(今回は東京都の事業者向けの記事です)

 このコロナ禍で持続化給付金や休業要請に応えたお金(感染拡大協力金)は多くの方が申し込まれたでしょうか?コロナの影響は大きく、当初よりも長期に及んだため、それに伴う休業や来店客減などにより、家賃・人件費・仕入れなどの運転資金を確保することが難しくなりました。多くの方が、上記の制度そだけではとても賄えられず、不足分を融資でということになっているかと思います。(今回初めて融資を受けるという話もよく聞きます。)
 今日の話はこの融資制度を手厚くしたのが東京都の制度融資です。

まずは全国制度を活用

 先に説明しておくと、今回のコロナでは全国制度としての「感染症対応融資」があります。こちらは、セーフティー保証4号、5号(ただし15%以上の売上減少)、危機関連保証の認定が必要です。無担保3000万円、3年間無利子、保証料全額補助となっています。金融機関へ融資を申し込むと、まずはこちらを利用することになります。この時点で事業規模がそれほど大きくない人(ここで対象にしている個人事業主やフリーランサー)はこちらで足りるはず。(感覚値ですが、月商×6ヶ月がベースと考えると、月商500万円ぐらいまで)

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 しかし、スタートアップや月商500万を超える事業を回している方の場合はこれでは足りなくなってくるので、東京都の制度融資を使うことになります。(ちなみに、全国制度の他に各市町村で何かしらの策があり、融資額も小規模なのでそちらの方が使いやすいみたいです。)

東京都の制度融資について

 今回の東京都の制度融資は次の3つのメニューがあります。

・新型コロナウイルス感染症対応緊急融資
・新型コロナウイルス感染症対応緊急借換
・危機対応融資

いずれの制度も内容は
・融資限度額は2億8、000万円(無担保は8、000万円)
・1億までは3年間無利子
(ただし、融資限度と利子1億は全国制度との合算)
・保証料全額補助
で、併用した場合は同じ枠を利用することになります。
(2つ併用しても融資限度額は合算で見られます。)

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では、それぞれ何が違うのかというのを説明します。

新型コロナウイルス感染症緊急融資

 条件は直近または今後3ヶ月間の売上が前年同期比5%以上減ということ。これは、全国制度の15%以上減よりも緩くなっています。ちょっと難しい話をすると、全国制度の条件である認定のうち、4号と危機関連は15%以上減であれば取れます。しかし、5号は本来5%以上減であれば認定されるのですが、全国制度では5号でも15%以上減であることが条件とされているために、5号認定をとっても漏れた人を救う機能があるということです。なので、事業規模が小さくても、減少率が5%〜15%の方は5号認定を取れば東京都の制度融資は使えるということになります。

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新型コロナウイルス感染症対応緊急借換

 こちらは、既に保証協会の保証付き融資を利用している場合で、減少率が5%以上の場合に事業計画を作って経営改善に取り組んでいれば、借換ができるよというものです。当然、借換後はコロナ緊急融資と同じ条件になるので、現在の融資よりも良い条件(1億まで3年無利子や保証料全額負担)になります。ただ、事業計画を作るところは今までやったことがない人にとってはちょっとハードルが高いかもしれませんね。(おそらくですが、この場合は5号認定の取得を求められると思います。テクニカルな話ですが、銀行もリスクを負わないといけなく、4号や危機関連だと銀行がリスクを負わなくなってしまうため・・・)

危機対応融資

 こちらは新型コロナウィルス感染症対応緊急融資の条件に当てはまらないけれど、危機関連保証を取得した人向けです。カバーする範囲を補完していると考えてもらえればいいです。

まとめ

 結局、今回の都の制度融資は一つでも多くの事業者をカバーするためという意味合いが強いです。しかも、当初の融資予算を超える可能性があったため補正予算でさらに財源を確保したとのこと。融資に時間がかかりすぎるという話はよく聞きますが、行政側も頑張っているのは事実だと思います。

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どちらにせよ、このコロナ感染の影響の大きさを感じますね。今日はここまで。

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