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【テレビと災害】

地震や台風や豪雨などで大災害があると、テレビや新聞は大々的に現地レポートの報道を始める。

災害が起きると、彼等はお祭り騒ぎのように喜んで報道するんだというような、チョッと不謹慎な話も聞いたことがあるが、流石にそんなことはないだろうと思う。

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2014年8月20日、広島市の安佐南区と安佐北区で集中豪雨による土砂災害が起こった。特に被害が大きかったのが、77人の内41人の死者が出た、安佐南区の〈緑が丘県営住宅〉周辺であった。

実は、その県営住宅には、半年前まで、家内と次男と僕の3人が住んでいたのである。だから土砂災害の一報を聞いた時には、俄に信じることが出来なかったくらいだ。

広島市で消防士をしている長男は、緊急出動によって直ぐに災害現場に駆け付けたという。かつて自分も住んでいた、思い出ある6号棟の部屋に行ってみると、次男が寝ていた部屋を大きな木が直撃していたそうだ。

家内と次男と僕の3人はいても立ってもいられなくなり、災害現場の〈緑が丘県営住宅〉へ出向いていって、救援活動ボランティアをさせて頂いたのである。

ドブのような匂いが充満する現場では、大勢の自衛隊員や消防士やボランティアの人々が必死の救援活動を繰り広げていた。微力ながら、我々も家屋の中からドロドロになった土砂を掻き出す作業を続けたのである。

2時間も経っただろうか、一旦作業を中止して、飲み物を買いにコンビニまで下りていったのだが、その近くに、東京からレポートに来ている〈某キーテレビ局〉の一団がいた。その中に、毎朝テレビで顔を見る有名な女子アナ:AYの姿があった。

ところが、こともあろうに、彼女はカメラが回っていない時には、多くの犠牲者が出た〈土砂災害〉の現場であるにも拘わらず、丸でお祭り騒ぎの如く、「キャッキャ❗️」とハシャいでいたのである。それは不謹慎極まりない姿であった。

テレビが災害を喜ぶという噂は、どうやら本当だったようである。他人の不幸を売り物にして喜ぶなんて言語道断だ。兼ねてからテレビは腐っているとは言われていたが、果たして・・本当に腐っていた。


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