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【感染 ③】
今度は家内が調子がおかしいという。僕はワクチンを打っていないのだが、仕事上、2度もワクチンを打っている家内が陽性になろうものならいよいよワクチンを疑わねばなるまい。
・・・・・・・
今、保健所から指定された〈コロナ陽性患者〉を扱う総合病院の駐車場に来ている。
クルマの車種と色とナンバーが予め伝えてあって、担当の看護師がクルマまで来るという仰々しいシステムになっている。
指定された場所に停車して待っていると、すぐに担当の2人の看護師がやってきて運転席の窓越しに問診を始める。女性看護師も男性看護師もビニールで身体を覆い隠した完全防備の姿だ。
健康保険証はクルマの窓の内側に指で押し付けたものを、担当者が外からスマホで写真撮影をした。
極力、患者には接しないのだ。只の風邪のような患者を、丸で〈エボラ出血熱患者〉みたいに扱うのである。
それから暫く待たされた後、担当の女性内科医師がやって来て問診し、症状が軽いので自宅で安静に療養して下さいということになった。重症になるのを押さえる薬も無料で処方できるということであったが、体調がいいのでそれは断った。
なんのことはない。以上で診察が終りである。
直ぐにクルマを発進させて、僕は早々に病院から立ち去った。
・・・・・・・
あとは保健所から連絡がくるのを待って、ホテル療養の希望を伝えればいいだけだ。
・・・・・・・
家に着き、クルマから降りようとしていると、家内が家の中から飛び出してきて、泣きそうな顔をして言うのだ。
「父さん、今度は★★ちゃんが・・」
「★★ちゃんがどうかしたのか?」
「★★ちゃんが熱があるのよ」
「えぇ~~っ❗️」
里帰りしている、生後3ヶ月の新生児を抱えた娘が熱を出したのだという。そして、家内も熱っぽいという。
我が家に暗雲が垂れ込み始めた。
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