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【受付番号】

家内と2人で病院に来た。

今日は僕の定期検診の日なのだが、タマタマ家内も付いてきたのだ。

直ぐに受付を済ませてから、待合室の長椅子に腰掛けて順番を待つ・・・

この病院は大きな総合病院なので、天井からぶら下がっている液晶ディスプレイパネルに順番案内の受付番号が表示されて、診察の呼び出しをするようになっている。僕の受付番号は〈84〉だ。

番号が更新されるとお知らせのチャイム音が鳴る。

「キンコ~ン❗️」

チャイムが鳴る度に、今度こそは自分の番じゃなかろうかと、患者さん達は一斉にパネルを見上げるのだ。

ところが大変に混んでいて、待てども待てども順番が回ってこないので、皆んなはもうウンザリしている。

「キンコ~ン❗️キンコ~ン❗️」

何度もチャイムが鳴るのに、僕の受付番号もなかなか掲示されない。

かれこれ2時間は経っただろうか・・・

「キンコ~ン❗️」

「あっ❗️父さん❗️〈84〉だ❗️やっと順番がきたよ父さん❗️〈84〉が出たよ❗️」

待ちくたびれた腹癒せに僕は軽いジョークを言ってやった。

「ん?ありゃ〈84〉じゃないか、僕のは〈084ゼロハチヨン〉だから違うだろ」

即、リアクションが返ってくる。

「つまらないこと言ってないで早く行きなさいよ❗️」

不機嫌だった家内が更に不機嫌になってしまった。


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