【通せんぼ】 6 プチフルート 2022年4月28日 06:20 珍しく熱が出た。下痢の症状もある。家には新生児を抱えた娘がいることもあって、家内が〈PCR検査〉を勧めるのであった。「父さん❗️〈コ◆ナ〉だったらいけないから〈PCR検査〉受けに行ってよ」やいのやいの言われるので仕方なく予約を取って、近所の内科医院まで検査を受けに行くことにした。指定された時間が近づいてきたので、僕はクルマに乗り込んで内科医院へと出発する。クルマで5分程の所にある医院には直ぐに到着。車内で待っているとスマホに電話が掛かってきて、発熱外来専用の入り口から入って、中で待つようにという説明があった。発熱外来の患者は端はなから〈コ◆ナの陽性〉を前提として扱うようで、普通に院内には入れないようである。さて、担当者が来るのを今か今かと待っていたのだが、こともあろうに〈便意〉を催してきてしまったのである。昨夜からの結構な下痢だったので、どうも我慢が出来そうにない。仕方がないので一般受付に回ってトイレを貸して貰おうかとしたのだが、発熱外来者にトイレを使ってもらう訳にはいかないと言うのだ。受付に顔を出すこともよろしくなかったらしい。切羽詰まってきたので家に一旦帰ってトイレを済ませることにした。直ぐに駐車場に 戻ってクルマを発進させる。家までもうすぐの所まで帰ってきた。後は踏切をひとつ越えればもう我が家だ。ところが、こともあろうに遮断機が降りているのだ。お腹はグルグルいい始める。1分・・2分・・3分・・・いつまでも経っても電車が来ない。5分も待っただろうか、いてもたってもいられなくなってクルマの外に出てみると、踏切から少し離れた所に電車が停車していて、その先には赤色燈を点けたパトカーが止まっているではないか。どうやら人身事故のようだ。遮断機が上がる訳がなかった。なきそうな気分になって僕はクルマに戻りUターンするしかなかった。迂回して山を1つ越えれば踏切を通らずに我が家に行くことが出来るのだ。長い闘いを覚悟して僕は山道の方角へクルマを走らせた。何度かの「危機」を乗り越えてやっと家に着いた。幸いトイレには間に合ったのだが、また山道を通って再び医院に返って来たのは、約束の時間を30分も過ぎた頃だった。検査担当者の態度が、何かしら突っけんどんに感じたのは気のせいだったのだろうか・・確かに遅刻はした。しかし、院内で〈ウ■コ〉を漏らさなかっただけで良しとして欲しい・・とは言えなかったのである。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #エッセイ #毎日note #イラスト #短編小説 #ラーメン #PCR検査 #面白い話 #下痢 #危機一髪 #迂回 #通せんぼ #踏切事故 6