【ピッ❗️】
セキセイインコ〈ニコル君〉の「ピッ❗️」という鳴き声はまだ続いている・・・心配だ。
ところで夕食も終り、そろそろ〈ニコル〉の放鳥タイムになったので、ケージの扉を開けて部屋に放ってやった。
喜んだ〈ニコル〉は、お守り役の息子の肩に乗って、隣の部屋に遊びに行った。
部屋にはケージだけが残って〈ニコル〉はいなくなった。
・・・・・・・
「ビッ❗️」
「えっ❗️❓️」
〈ニコル〉がいなくなった部屋に声が響いた。
「ピッ❗️」
「わっ❗️まただ❗️・・えぇ❓️なんでなんでぇ❓️鳴き声は〈ニコル〉の声じゃなかったのかぁ❓️」
〈じゃあなんの声なんだ❓️〉
家内が不安がっている。
「父さんがYouTubeで幽霊動画ばかり観てるから霊が寄って来たんじゃないの❓️」
「幽霊か❓️霊のラップ音か❓️」
「やめてよぉ❗️」
「天井裏の虫じゃないの❓️」
騒ぎを聞き付けた息子が〈ニコル〉と一緒に隣の部屋から戻ってきた。
「いや母さん、蝙蝠がおるんかもしれんよ❓️」
手に持った〈布団叩き〉でコンコンと天井板をつ突きながら、僕は部屋中を見回した。
「ビッ❗️」
「わっ❗️」
〈一体なんなんだろうか・・・〉
僕は息子に頼んだ。
「声の間隔を計ってみてくれるか❓️」
「うん、計ってみる・・・」
「・・・・・・・・・」
「どうじゃ❓️」
暫く経って息子が言った。
「ん~~・・父さん、47秒から48秒置きだわ」
「そんな同じ間隔で鳴くか❓️」
息子は「ビッ❗️」という〈音〉の原因について更にググっている。
「なんか判ったかぁ❓️」
「・・・え~~とぉ・・父さん、ヤモリが交尾する時こんな声を出すらしいし・・・」
「ヤモリの交尾ぃ❓️」
「・・・それから・・・火災報知器の電池切れで「ピッ❗️」っていうお知らせ音がするってぇ・・」
「火災報知器ぃ❓️」
そう言えばどうも天井の方から音がする。天井を見上げた。
「あっ❗️あったぞ❗️火災報知器❗️」
見れば蛍光灯の横に、古い〈火災報知器〉がブラ下がっていたのだ。
「ビッ❗️」
「鳴った鳴った❗️これじゃ~っ❗️」
なんと、謎の鳴き声は〈火災報知器〉の電池切れのお知らせ音だったのだ❗️
な~にが〈ニコル〉の声だ。大体、首を後ろに埋めて寝ている〈ニコル〉が、夜通し「ピッ❗️ビッ❗️」」なんて鳴く訳ないわ❗️先入観は恐ろしい。
ここ2・3日、万が一の時のことを覚悟して、〈ニコル〉の棺桶用の箱を用意しようか、とまで言って心配をしていた家内なのだ。全く人騒がせな〈火災報知器〉である。
なにはともあれ、原因が判明した途端に、〈ニコル〉が元気に見えてきた。
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