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【僕のフルート】

小学1年の時に、大阪の叔父さんが広島の僕んに遊びに来たことがあった。その時、一緒に来ていた叔父さんの友達から〈縦笛〉を貰った。叔父さんの友達は大阪で〈アウロス〉というメーカーの〈縦笛〉を販売する仕事をしていたのだ。

僕達は兄弟3人だったので、兄が〈横笛〉、僕が〈ソプラノリコーダー〉、弟が〈ソプラニーノリコーダー〉を貰ったのだった。

僕が貰った〈リコーダー〉は〈アウロスヴェルカント〉という名前の〈リコーダー〉で、真っ黒い本体が3つに別れて専用のレザーケースに入っているという高級品だった。

嬉しくなった僕は〈 高級リコーダー〉を自分なりに練習をした。我流ではあるが、それでも少しずつ吹けるようになっていった。

小学3年の時だったと思うが、学校の音楽の授業に〈リコーダー〉が取り入れられた。初めて手にする〈リコーダー〉にクラスの皆んなが戸惑っている中、僕は余裕を持って授業に臨むことが出来た。

以降、〈リコーダー〉は僕の趣味になり、中学生になっても吹き続けていた。そして中学2年の時だった。

僕は体操部の副キャプテンをやっていたので、吹奏楽部に入ることはなかったのだが、銀色に輝く〈フルート〉には憧れていて、いつか〈フルート〉を吹いてみたいなぁと思っていた。

〈フルート熱〉が高じて、とうとう親にねだって〈フルート〉を買って貰ったのである。1本目の〈フルート〉は「ヘルナレス」というメーカーのもので、2本目が「YAMAHA製」の結構いいものだった。

〈フルート〉を手にしてからは、教則本を買って、独学で勉強しながら、暇さえあれば吹いていた。

〈フルート〉の趣味は社会人になってからも続いていたが、独学なので、僕の〈フルート〉の腕前なんて高が知れていた。それでも、演奏らしい演奏として唯一記憶に残っているのが、当時の勤務先のホテルでの演奏である。

所属していた〈宴会課〉が、課内の懇親パーティーを催した時に、余興として〈フルート〉を吹いたのである。

ホテル専属の女性ピアニストの伴奏付きで演奏した曲は以下の2曲であった。

〈ユーモレスク:ドヴォルザーク〉

〈精霊の踊り:グルック〉

演奏が終った後に、アルバイトで来ていた音大生の女の子が2人、僕の側に駆け寄ってきて賛辞を贈ってくれたことが、とても嬉しかった・・・

しかし、いつ頃からだろうか・・あれほど好きだったのに、今ではもう吹くこともなくなってしまった〈フルート〉は、居間の棚の奥で静かに眠っている。

僕が大好きな〈フルート曲〉に、ドップラーの『ハンガリー田園幻想曲」という曲がある。日本の尺八の音色を思わせるようなこの曲は、日本人に最も好まれている曲のひとつである。以下にURLを貼っておくので、御興味ある方はどうぞ・・

https://youtu.be/_ORhxjrPt5M

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