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【鉄棒】
先日、家内と息子と僕とで、中国山地の奥にある、〈筒賀の大銀杏〉を見に行った。晩秋になると黄色く色付いた葉が大変に美しいのだ。
そこは観光地になっていて、県外からも沢山の観光客がやって来るので、道路はクルマで溢れかえっている。
そのクルマを停めるために、近隣の中学校のグラウンドが仮の駐車場になっていた。
グラウンドにクルマを停めて大銀杏の方へと歩いていると、砂場の横に鉄棒が立っているのに目が留まった。
グラウンドの鉄棒・・懐かしさにチョッとブラ下がってみたくなった。
「お~い!ウン十年ぶりに鉄棒にブラ下がってみるからチョッと待ってくれよぉ」
「父さん大丈夫?無理しないでよ」
家内が要らぬ心配をする。
「大丈夫大丈夫!昔は体操部の副キャプテンだったんだぞ」
そう言うや、よっこらしょっ!っと鉄棒にブラ下がった・・途端に両手に体重が掛かる。伸び切った肩が痛い。鉄棒を握っている手も直ぐに限界が来てしまって、あっ!という間に下りなければならなかった。5秒も保たない。
「ハハハッ❗️父さん、全然ダメじゃん❗️」
家内に笑われてしまった。
これでも若い頃は大車輪でブイブイ言わせた僕なのに、あぁなんという無様な姿よ。
体操部の副キャプテンが聞いて呆れるのであった。
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