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【痒み止め】

背中が痒い。〈孫の手〉で掻いても掻いても痒いのが止まらないではないか❗️

こりゃ、痒み止め薬でも塗らないと埒が明かないぞ。

「お~い S子~!〈ウナ〉とか〈ムヒ〉みたいなのないかぁ?」

「あるよぉ」

家内はそう言うと筋肉痛などに塗る〈アンメルツ〉を持ってきた。

「これしかなかったわ・・筋肉痛なんかに塗るヤツだからキツいかもしれないよぉ?」

「大丈夫だいじょうぶ。チョッと背中に塗ってくれないかぁ、掻いて赤くなったところがあるだろ?」

そう言って僕はTシャツをめくった。

「わっ❗️父さん血が出てるよ❗️どんだけ掻いたのよ、もぉ~。〈アンメルツ〉なんか塗ったら痛いよ❗️絶対に沁みるよ❗️」

「いいから塗ってくれよぉ、痛いくらいが効くんじゃ。1発で治るわ❗️」

「えぇ~っ❗️・・じゃ塗るよ、塗るよ❗️」

家内は恐る々る〈アンメルツ〉を塗った。

「❗️・・くぅ~~~っ❗️沁みるぅ❗️・・けど痒いの吹っ飛んだぞぉ~っ❗️」

「・・ヤッパリ父さんは変態だわ」

そう言えば子供の頃からそうであった。

蚊に刺された所を掻きたいだけ掻いた挙げ句に、腫れたところに爪でペケポンを付けて、そこに〈キンカン〉を塗って喜ぶ少年だったもんなぁ・・・


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