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【幽霊にインタビューした男⑧】

オジサンたちが姿を消したと同時に、玄関で音がして、部屋の襖がパッと開くと、電話で呼んでいた彼女が入ってきた。

「ねぇ、チョッと大丈夫❓️」

ハッとした彼は今あったことを彼女に伝えた・・

「いや、いまオジサンが2人いて、ここで喋ってたんだよ」

「は❓️なに言ってんの❓️具合は❓️」

具合は❓️と訊かれた彼は、あれほど具合が悪かった体調が良くなっていることに気が付いたのである。

・・・・・・・

次の日の朝、タマタマ炬燵の上にあった新聞が妙に気になった彼は、普段は滅多に読まないその新聞を捲りながら眺めていたという。

そこへ、夜勤の仕事を終えた看護師をしている彼の妹が帰って来て、側を通り過ごそうとした時である。開いてあった新聞を見て彼女がこう言った。

「あれっ❓️それアタシが以前担当していた宮坂さんだわ」

なんのことだろうと思った水沢さんが改めて新聞を見ると〈お悔やみのコーナー〉が開かれていたのである。その中に妹さんが担当していた患者さんの名前が載っていのだ。それに目が止まったのである。

ところが、訃報コーナーの顔写真を見た水沢さんは、明け方の2人の幽霊の内のもうひとりの方が宮坂さんだったことに気が付いたのだ。当時のその地方紙には顔写真が載っていたらしい。

「このオジサン、昨日お兄ちゃんとこ来たぜ」

「なんで兄ちゃんの所に来るのよ❓️」

「そうだよなぁハハハッ❗️」

そりゃ尤もな話なのだが、しかし彼の脳裏に昨夜のオジサンが言ったある言葉が甦ってきたのであった。

〈おぉ、コイツが挨拶したいって言うからよぉ、俺が連れて来てやったんだよ〉

水沢さんは、もうひとりのオジサンが妹に挨拶をしに来たんだということを悟った。

「そう言やお前に挨拶したいみたいなこと言ってたぞ」

「えっ❗️宮坂さんなんて言ってたの❓️」

「あぁ、なんか、お前によろしくだって」

それを聞いた妹さんも思うところがあったようで・・

「あっ・・へぇ~~宮坂さん楽になれたんだね・・」

そう言って部屋を出て行った。

(明日につづく)


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