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【ベトコンラーメン】

先日の長距離ドライブの帰途であった。倉敷の国道2号線沿いに「ベトコンラーメン倉敷新京店」というラーメン屋があったので入ってみることにした。

「ベトコンラーメン」という名前は何かで聞いたことはあったが、それがどんなラーメンなのかは知らない。

暖簾を潜り引戸を開けて中に入ると、そこは食券販売機が設置された小さな部屋になっていた。

初めての店なので、暫くは要領が掴めないでいたが、ふと壁を見ると〈当店のシステム〉という説明ポスターが貼ってある。

〈ん~~・・・なになに❓️〉

(食券を購入)
(店員に食券を渡す)
(店員がお席に案内します)
(そのままお待ち下さい)

とまぁ、そんなことが書かれていた。

〈ふんふん〉

店のシステムを理解した僕は早速食券を買おうと、券売機の前に立ってメニューを物色する。

〈ベトコンラーメン¥930―〉
〈ベトコンにんにく抜き¥930―〉
〈ベトコンラーメン味噌¥930―〉
〈国士無双¥1.100―〉
〈国士無双にんにく抜き¥1.100―〉
〈国士無双◎★〇・・etc.〉などなどのメニューボタンが並んでいる。

初めての店は1番オーソドックスなものを食べるのがベターだと思った僕は、迷わず〈ベトコンラーメン¥930―〉の食券を購入したのであった。

食券を手に店内へ入るためのもうひとつの引戸を開けると、店員の声が響き渡った。

「いらっしゃいませぇ~っ❗️」
「いらっしゃいませぇ❗️」

出迎えてくれた女性店員に食券を手渡すと、説明書きの通り席まで案内をしてくれた。席に着いた僕はスマホを弄りながら暫くのあいだ待つ・・・

・・・・・・・

やがて、トレイに乗せられた〈ベトコンラーメン〉が運ばれてきた。

目の前に置かれた〈ベトコンラーメン〉は黒い丼に入っていて、スープは醤油系のようだ。何よりも目を引くのが中央にピラミッドの如くに盛り付けられた〈モヤシ〉である。太めだから〈緑豆モヤシ〉なのだろうか〈大豆モヤシ〉なのだろうか❓️〈ニラ〉もちりばめられていて、ピラミッドの頂上には、柔らかそうな大きな〈にんにく〉の粒が4・5個乗っかっている。見れば麺やスープの中にも〈生にんにく〉を刻んだものがタップリと入っているのであった。

〈そうかぁ~ベトコンラーメンってにんにくが基本のラーメンだったのかぁ〉

そんなことを思いながら食べ始めたのである。スープはシャキッ❗️っとした醤油系の味だ。テッペンの〈にんにく〉はとろけるように柔らかい。麺は北海道ラーメンの麺に近いのか❓️

結構イケるじゃないか❗️これにバターを入れたら文句無しなんだがなぁ~なんて思っていたら、テーブルの隅に貼ってある〈おすすめトッピング〉のメニュー表に気が付いたのである。

〈おすすめトッピング〉

(① バター¥100―)
(② コーン¥100―)
(③ etc.・・・)

渡りに舟とばかりに女性店員に声を掛けた。

「すいませ~ん❗️途中からなんですけど、バターのトッピングを注文してもいいですかぁ❓️」

「はい、ありがとうございます。大丈夫ですよ❗️」

「あっ❗️そうですか❗️じゃあ直ぐに食券買ってきますから・・」

「ここで100円頂ければ結構ですよ❗️」

「あっはいっ❗️」

100円を手渡すと、じきに皿に乗ったバターを持ってきてくれた。

バターを加えると美味さ倍増であった。〈ベトコンラーメン〉を完食した僕は、大満足をして店を出たのである。

車に戻ってググってみたら、〈ベトコンラーメン〉は名古屋が発祥のラーメンだそうである。なんかベトナム戦争を連想させるような妙な名前は、にんにくとモヤシをタップリ食べて〈ベストコンディション〉になろう、ということから〈ベトコンラーメン〉と名付けられたらしい、ということが分かった。

という訳で、初の〈ベトコンラーメン〉は美味かったのだが、家に帰ってからの3日間は、「父さん匂うよ❗️臭い臭い❗️」と家内に言い続けられてしまうというオチが付いたのである。

知らずに入ったけれども、そう言えば店の看板には黒地に〈白いにんにくのイラスト〉がイッパイ描いてあったもんなぁ・・・


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