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アーティストマネジメントに使える上級コミュニケーション術!! その秘密は「子育て」にあり


アーティストマネジメント は「子育て」じゃないがルールは同じ


我々マネジメントは
アーティストと常日頃から密に関係をとらなければいけない

言うまでもなくそんな我々が
彼らのストレス源になるようなことになってはいけない

アーティストと対峙するときの基本姿勢
その答えは「子育て」にある

子供を育てたことのない人でも
一度ぐらいは「子供」に接したことがあるはずだ

誰でも、幼い子供と話すときは
自然と子供向けのアプローチになるはずだ。

それは、無意識に
子供が伝えたいことを「理解しよう」
子供に伝えたいことが「理解できるよう」

相互理解のための意識レベル合わせのチューナーが働くからだ。

アーティストと接するときも
同じように
彼らの意識レベルにチューニングを合わせることで
「ラポール」と言う心理状態を形成することができる。

それはお互いの「こころ」が調和のとれた状態で
どんなことでも安心して話ができるような心理的関係をいう

すべてのコミュニケーションのベースになるのが
この「ラポール」という心理状態だ。


小さな子供と対峙した時
我々は無意識に
全身の感覚を使って
彼らの伝えたいことを理解しようとしている

なぜなら「言葉」に不慣れな子供は
身振り手振りや表情といった
非言語を多様して意思を伝えようとするからだ

我々はそんなとき
積極的に相手を理解しようと
全身を使ってコミュニケーションをする

この感覚が
アーティストとのコミュニケーションにおける
基本的な姿勢なのだ

我々は好むと好まざるとにかかわらず
五感を使ってコミュニケーションをする
生き物なのだ

「言語」「非言語」を通して
我々は情報を送り合っている
のだ


コミュニケーションの3つの基本姿勢


アーティストマネジメントに限らず
コミュニケーションの基本は
相手にこちらの意思を伝え
理解してもらうことだ。

そして、相手も自分の気持ちを理解してもらいたいと思っている。

だからこそ
相互理解を積極的に進めることは
ストレスのない関係性を創ることになる


常日頃から下記の3つのポイントに配慮することで
「ラポール 」という心理状態をキープすることができる。

「子供」と話す時
より相手を理解しようと
自然にそのモードに入るはずだ



それは、驚くことに幼い子供とコミュニケーションをとる時に、
私たちが自然と行っていることなのだ!


1.「感情」に寄り添うというマインド 【受容と共感】

子供は「言葉」をそんなに多くもっていない
だから感情を全面に押し出し
気持ちを伝えようとする。

泣いたり
笑ったり
微笑んだり
怒ったり

その「感情」を受け入れ
素直に子供たちに寄り添うことができるはずだ

ところが、大人とのコミュニケーションは
ストレートな表現が抑圧されているので
相手の「感情」見落としてしまったり
相手の「感情」を見ないようにしている


アーティストの中には大きな「感情」を抱えているのに、
繊細さから押さえ込んでしまう人がいる

我々は、その「感情」を理解して
寄り添うというスタンスが重要

彼らの感じていることを否定せずに
そのまま受け入れる

それは悲しかったね
それはうれしかったね
それはよかったね

それが正しいかどうかではなく
そう「感じた」という相手の気持ちを大切に共感する

それは「うん」「うん」と頷くだけでも十分に相手に伝わる

自分の意見や感想をいったん傍において
彼らの「感情」を言語化するという作業に付き合うような気持ちで
話しやすい心理的な状況を作ることで
安心感を与えることができる


2.「考え」を真剣に聴くという態度 【傾聴とリフレクティブリスニング】

子供が何かを伝えたいとき
我々は彼らのペースで「言葉」が出来上がるのを待つことができる

彼らの伝えたい内容を知ろうと
一挙手一投足に目を向け
最大限情報を取り入れようとするはずだ

そのとき我々は「傾聴」をしている

アーティストと会話するときも
彼らの会話に真剣に耳を傾け

何を伝えたいのか
言葉の裏にある感情はなんなのか
相手の話を遮ることなく
「うん」「うん」と頷きながら聴く

相手の表情や
声のトーンに気をつけながら
その裏に流れる「感情」の変化を意識する

自分の「判断」や「意見」を脇に置いて
相手の気持ちになって
話を理解する

相手が伝えたいことを
目と耳と心を使って十分に聴く
それを傾聴という

十分に使って相手に対峙することを「聴く」
相手の気持ちに耳を傾けることで「傾聴」となる


アーティストは
自分の気持ちや思考に敏感であり
物事に対して深く考えていることが多いため
ストレートに言語化して話すことが難しい時がある

複雑なパズルのように
散らばったピースの中から
必要なものを一つ一つ探しながら
嵌め込んでいく

この作業にパートナーとして付き合うように
最後まで否定せず真剣に聴くことが大切

相手の話に耳を傾け
共感し
適切なフィードバックを行うことで
コミュニケーションを深めることができる

適切なフィードバックとは
「否定しない」
「判断しない」
「意見しない」


そして相手の伝えたい
「出来事」
「感情」
「出来事+感情=内容の要約」

を適宜「リターン」することで
コミュニケーションを深めていく技術である

決してあなたの「価値観」による
「意見」や「判断」を伝えることではない


3.「正直」という在り方 【自己一致&自己開示】


子供は大人の「言葉」を瞬時に見抜く
彼らは非言語による
情報を拠り所としているからだ

人間は言語だけではなく、
非言語によるコミュニケーションをとっている。

矛盾や嘘は態度に現れるのは
誰しも経験があるはずだ

心理学者のアルバートメラビアンによると
話の内容による伝達は7%でしかなく
話し方や声のトーン33%
態度や表情といった非言語による要素は55%を占めているとのことだ。

つまり、人間は会話の「内容」よりも、
話している「様子」の方が情報伝達量が多いということだ。

特に相手の感情や雰囲気に敏感なアーティスト
他人の感情の変化や矛盾に気がつきやすい。

どんなに口当たりの良い話の内容であっても

その裏に
「嘘」
「おだて」
「ごまかし」
「怯え」があってはいけない

彼らは「言葉」と「こころ」の不一致状態に敏感に反応し
「不安」「反発」を感じるからだ

むしろ自分の「感情」を素直に伝えることで
こちらの誠実性が相手に伝わり
安心感を与えることができる。


「子育て」のアプローチはカウンセリングの基本姿勢

大人が子供と接するとき
無意識レベルで安心感を与える雰囲気を作る

同じようにカウンセラーも
クライアントが安心できる雰囲気を作る

同じようにマネジメントも
アーティストが安心できるムードを醸造する
必要がある

子供にできるのだから
アーティストに対してもできるはずだ

ポイントは3つ
①受容と共感
②傾聴とリフレクティブリスニング
③自己一致&自己開示

まさにカウンセラーが求められるスキルであるが

考えようによっては簡単だが
実際に行うのは難しい

子供と話すときは自然とできているのに
大人と話すときはできない

なぜなら、そこに自分と相手の「価値観」というものが入ってくるから

「価値観」

「良い」「悪い」
「好き」「嫌い」
「善」「悪」

といったもののの判断基順となり

「思考」
「行動」
「感情」

を生みだし
影響を与える

「子供」と話す時には
この「価値観」の対立は
通常はほとんど生じない

だからピュアな気持ちで
相手の伝えたいことを理解しようとする

アーティストとのコミュニケーションも
自分の「価値観」による
「意見」や「判断」をせずに
相手の「価値観」を尊重することで
より良いコミュニケーションが生まれる

マネージャーというパートナーシップに求められるのは
彼らの「こころ」の拠り所になるような
コミュニケーションを心がけることだ


新しい時代に向けて、メンタル・マネジメントの知識を
このブログでは、アーティストマネジメント に大切な
「コミュニケーション能力」
「カウンセリング能力」
「コーチング能力」
について
なるべくわかりやすく順次説明をしていきます。

どのようにしたらみなさんにそれが伝わるか試行錯誤しながらやって行きますので、ご質問やご意見のようなものがありましたらいつでもご連絡ください。
この記事に対するお問い合わせ geess@howling-bull.co.jp
各種セッション等に関する情報:https://tellme.hp.peraichi.com/geess
ここでは私が学んだことを中心になるべくわかりやすく解説をしていくつもりですので、興味のある方はおつきあいください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
少しでもアーティストを取り巻く環境が、より良くなりますように!



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