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組織にボトルネックを作らないIT投資の話4

前回はスケールする事によって難しくなっていくことという話と、それを乗り越えていくために出来ることの話を書きました。今回は人間の限界を超えるための情報処理の話です。

情報処理は疲れる

この四年間、社員の定期面談を全部見ています。40名程度だった人数は60名を超え、全員との面談というのが現実的ではなくなってきたなと感じつつも、なんとかなる方法をまだ模索し続けています。

この定期面談ですが、初期は本当に大変でした。面談に必要な情報があっちこっちに存在しているので、一人30分という時間の中で画面遷移がたくさん生じます。オペレーションは僕自身がやっていましたが、あっちのウィンドウ開いてこっちのウィンドウ開いてというオペレーションは辛かった。面談を手動する側も、欲しい情報を見たい時にあれだしてって言わないとアクセス出来ないというもどかしさがありました。面談される側は一度切りなので問題ないとは思いますけれど。

僕はここで実体験を通じて学びました。必要な情報が散逸している=疲労の1要因となるということに。

仕事というのは短距離走ではありません。ましてや企業活動となるとゴールのないマラソンみたいなものです。走りながらトレーニングを兼ね、目の前の障害をどんどん乗り越えていかねば高度が上がっていきません。障害が外的要因であればまだ仕事だ!と踏ん張れる気がしますが、内的要因によって生み出されるストレスを放置しているのは誰にとっても良くないであろうと思います。あれとこれを見れば分かるから良いじゃないかと思っていた時期もありましたが、組織がスケールしていくに連れて段々と色々なことに時間が取られていくようになります。情報処理なんて計算機が得意なものなのですから、そのアクセスを簡易にし続ける努力を行っていくことでもっと恩恵を得られるようになるはずだと今は思っています。

以下に書くような施策を打つことで、今年度の面談も無事に終えました。疲労感は以前と比べ物にならないくらい軽い。自分で実験しながら限界まで切り込んでいく予定です。

ダッシュボード職人への道

Domoっていうサービスがあります。検索してみるとわかるのですが「次世代の経営ダッシュボード」と書かれています。僕自信がDomoのことを知ったのはSalesforce導入後に彼らのイベントのブースを見ていたときです。いろいろなデータが蓄積してきたあとに何が起きるか、何を起こしたいと考えるのかという考え方が披露されていました。

日々増えていく情報は生データでは活かしきれない。現場の人間が使うツールはそのデータの解釈方法を明らかにしてあげなければ。その時は、Domo入れたくていろいろ検討したのですが、ちょっと価格帯が折り合わなかったのと、そもそもデータが入ってないのでは?という所に気がついて見送りました。

その後はSalesforceにあらゆるデータを統合・蓄積し、それらをダッシュボードとして表現する開発手法を学び、今に至ります。

一番多元的なデータを使っているのが、先程も書いた個人の面談用報告書です。リバネスでは半期に一度の評価を行っているので、その半期に行った活動、数字的な評価、他のスタッフからのフィードバック等などが1ページに収まっています。情報の蓄積は面談前に急に作られるのではなく、半年間の活動結果が集積されたものですので取り繕いようもありません。上下の一方的な評価にならないように双方向に情報が流れるような仕組みづくりを行っています。その仕組で蓄積された情報の上にダッシュボードが一役買うのです。

ダッシュボード職人というのは、やってみて分かることが多いような気がします。これやってみたいと思いついても、実際は情報が存在していなければ情報の蓄積からスタートしなくてはなりませんし、時間がかかるものだと思います。当然最初からデキる人なんていうのはおらず、組織のボトルネックを可視化することにモチベーションが無いと続けられないようにも思います。このあたりはダッシュボード業界の人がもっと頑張ってほしいところですね。

リバネスの可視化一例

・事業計画及びその達成度(この辺はイメージ湧きやすいですね)
・冊子配送先の都道府県別表示(リバネスでは季刊誌を送っています)
・社員の属性別リスト(学位・国・専門分野・所属組織(国内海外等))
・タスク量の分布(誰かに偏ってないか?)
・誰が誰を育成したのか(育成の樹形図みたいな感じになっていて、若干クラスターが出来つつあるのが確認できます)

千里の道も一歩から

色々書いてみましたが、いきなり高度なことはもちろん出来ませんので、まずは身近な2次元くらいの情報の可視化から始めましょう。きっと段々と欲が出てきて、あれもこれも…となるはずです。前回のpostにも書きましたが、そうなってくると一つのシステムで全部のデータが生成されるという訳にも行かなくなってくる。クラウド同士であればデータの連携も簡単、それならクラウドを選ぼう!みたいな感じで思考がつながっていきます。

tobe continued...


noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。