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A-308 小児立像(キューピット)

石膏像サイズ: H.47×W.16×D.18cm
制作年代  : 17世紀前半
収蔵美術館 : 
作者    : フランソワ・デュケノア(François Duquesnoy, 1597 – 1643)(イタリアでの呼称は Il Fiammingo)

 小便小僧の作者であるジェローム・デュケノア(Jerôme Duquesnoy)の息子フランソワ・デュケノアの作品です。

フランドル出身のデュケノア親子はベルギーの宮廷彫刻家でした。フランソワは宮廷からの支援を受けローマで彫刻を学び、その後もローマで活躍しました。同時代にローマで活躍していたベルニーニが劇的な表現を得意としていたのに対し、デュケノアは古典・古代のカノンに習った抑制された作風で高い評価を得ました。聖人像、プット(小児)像、古代遺物の修復・再生などたくさんの作品を残しました。フランス宮廷からも高く評価され、晩年には王立彫刻アカデミーの設立を委託されますが、フランスへと旅立つ途上で亡くなりました。

 19世紀末に印象派の画家セザンヌがこのキューピット像をモチーフにした作品を描いています。当時の美術教育教材としてポピュラーな石膏像だったようです。他にもほぼ同一の彫像で、両腕が備わり踊るポーズの石膏像の写真が残されており、原作彫刻には両腕が存在したものと推定されています。

「石膏像のある静物画」セザンヌ作 1895年
(画像はWikimedia commonsより)





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