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浅はかなやつ全員死ね

ぼくはバンドをやっている。
バンド名は言いたくないから言わないけど、まだまだ売れないバンドをやっている。

少し前の事、2024年の2月のライブで、自分にとって嫌な嫌なイベントがあった。

そのイベント名も日付も言えないのだけど、その日は本当に嫌な日だった。
どんなものかと言うと、ひとつのバンドを宗教みたいにおだてあげるというものだ。僕ら以外の共演者は全て信者みたいに見えた。いや、もはや信者みたいなライブをしていた。

ライブのMCで「〜(教祖)大好きだからさ!このアルバムのこの曲!今からカバーします‼️」みたいな。

僕ら演者側としたらその行為は論外。甚だ図々しい。お前らは何をしに来ているんだ?自分を見せる為に来てるんじゃないのか?物販だって持ってきているのに。

本当に意味がわからなかった。そのおかげで僕らはとてもやりずらくなっていった。
トリ前だから、バンド数を重ねる毎にやりにくくなって行った。その時正直ライブをするのが嫌だった。こんなイベントなんで出たんだろ?とか思いながら。

やっと僕らの出番。心身共にイライラしている中、ライブが始まった。観客は20人くらいいたんだけど、年齢層が結構高めで全然乗ってくれない。

本当にイライラする。

これまで約1年くらいバンドをしていて、ライブの時にこんな感情になるのは初めてだった。

ストレス全部ぶつけてやる。

と思った僕はありったけの憎悪とお前らを殺してやるって言うくらいの気持ちをぶつけた。

ぶつけた時は凄く気持ちがいいのだけれど、どうにもこうにも不完全燃焼で、ライブが終わってもずっとイライラしていた。トリのバンドが出てきた時は多分睨んでた。ごめんね。

それくらい不完全燃焼だった。終演後、若めのお客さんに「めっちゃかっこよかったです。」って言われたから、こういうライブもいいものかもな。って思った。もう絶対出ないけど。

帰り道でまだイライラしていた僕は音楽を漁った。いつも聞くロックめな感じじゃなく、感情をぶつけてくれるような、僕の気持ちを代弁して、遥かに大きな声で寄り添ってくれるような曲を探した。

その時思い出したのが「muk」っていうバンドだった。
元々はサブスクで出ている曲で何がいいんだろう?って思うような人間だったんだけど、その時聞くと、無性に鬼リピしていた。止まらなかった。

コード進行もリズムも全部ぐちゃぐちゃでどうにかなってしまいそうなライブだったけど、その人、その曲の主張には芯があった。感情があった。僕と同じだと思った。「浅はかなやつは全員死ね」本当にそうだと思う。僕がこういう音楽にハマるきっかけだった。

音楽があるから、僕はまだ音楽続けていけそう。
そんな瞬間だった。

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