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【住民に愛されて変化を受け入れられる街が生き残る】

1. 街が形成される理由

都市の成り立ちは行政の中心地の城下町、交通の要衝の宿場町、流通の拠点の港町、信仰の拠点の門前町、観光の対象の温泉町などの人が集まる場所が起点となっています。人がそこに定住し、住まいが集積して町が徐々に拡大し、更に大きく発展して都市が形成されました。城下町の中には武家屋敷の他に職人町や商人町もできました。共同作業の必要性から農家集落や漁業集落なども形成され、林業や狩猟を生業とする人たちも、危険回避や相互扶助などの必要に応じ、小さな集落を形成したのでしょう。明治以降はその幾つかが産業都市となり、あるいは政治や経済の中心地となって更に発展し、昭和の時代には高度経済成長を背景に各地に大都市が形成されました。そして人口増加と経済成長で都市の中心に通勤する人の住いが必要となって、都市周辺で宅地開発が盛んに行われました。都市郊外に大規模なニュータウンが幾つもできて、大都市圏が形成されました。

2.街が消滅する理由

人口減少や高齢化率の上昇傾向が顕著な都市や街や集落がその状態を放置すれば、過疎化、限界集落、宅地の消滅という悲しい結末に至ります。今後100年の間にはそんな未来が訪れるかもしれません。現在衰退に向かっている街は、その街で生まれ育った次の世代の若者が、その街に住み続けない街でしょう。高度成長期にベッドタウンとして開発されたニュータウンは、都心への通勤が何とか可能な立地という理由だけで街が造られたので、街としての魅力が乏しいのかもしれません。もっと通勤に便利な場所に住めるなら、その街に住み続ける理由がありません。その街で生まれ育った子供たちは成長して独立すると転出してしまいます。世代交代のたびに街の住人が流出します。その街で働いたり学んだりできて、日々の生活を楽しむことが出来ない街は、長く歴史を刻むことはできません。

3. 住民に愛される街が生き残る

社会環境の変化は目まぐるしいほどで、変化は加速度的に速くなっています。テレワークでの仕事やリモート授業などが行われるようになれば、住まいを選ぶ条件も変化します。通勤や通学の利便性は以前ほど重視されなくなっています。デュアラーと呼ばれる2拠点居住者も増えるかもしれません。価値観が変われば住む場所を選ぶ基準も変わります。そんな時代に選ばれる街はどんな街なのでしょうか。自然が豊かで街並みが美しい街や、必要な品物が必要な時に手に入る便利な街や、美味しいものが食べられる、余暇を楽しみやすい街や、気候風土が穏やかで一年中快適に暮らせる街は魅力的です。しかし一番大事な街の条件は、その街で生まれ育った住人にその街が愛されているということでしょう。街は淘汰される時代になりました。そんな時代に生き残るのは住人に愛される街です。

4.変化を受け入れて発展できる街が生き残る

別荘地や観光地や独自の産業都市として長く生き続けている街の魅力は何なのでしょうか。街には建物や道路も必要なのですが、文化や歴史や街並みや住人の生活習慣が醸し出す街のたたずまいも街の魅力ではないでしょうか。住人が自慢できる魅力があって、住人に好かれている街から住人は離れません。そんな街の魅力を再確認して、その魅力をさらに高めるための工夫や努力をする街が人口減少の時代にも生き残るのでしょう。転入してきた新しい住民と街の魅力を共有できたなら、街は発展し新住民もその街で心地よく暮らせます。街の一員となって街を誇りに思い、街の魅力を高めるために旧住民と協力し、街の新しい歴史を築いてくれます。そんな住人の活動を行政は援助しなければいけません。

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