見出し画像

【オンライン講義第10回】国内スポーツ事例① ~FC今治に迫る~

皆さま、こんにちは!
ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー事務局です。

6月に入り、生憎の空模様が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

GBAでは、実施企画のグループが組成されて約1ヶ月が経ち、企画を検討する議論が活発に行われております。オンライン講義については今期から「リーグや競技を越えた学びを届ける」というコンセプトに基づき、新たな講師をお招きして国内スポーツの事例を講演いただいております。

オンライン講義第10回「国内スポーツ事例① ~FC今治に迫る~」に関して、レポートさせていただきます♪

FC今治のクラブ経営とは

今回は、桐蔭横浜大学 現代教養学環 特任講師 (元株式会社今治.夢スポーツ 広報情報システムグループ)の植野 様を講師にお招きしました。植野 様は大阪府吹田市出身で、生粋のガンバサポーターとのことで、快く講師を引き受けてくださいました。

ご経歴は、慶應大学を卒業後にITコンサル会社に入社。その後、Webマーケティング業界に飛び込み、サービスの立ち上げやSNSマーケティング支援に従事されました。FC今治には2017年に入社され、主にマーケティングや広報業務を担われました。そして、本年4月からは桐蔭横浜大学にて、特任教員として新たなキャリアをスタートされています。

冒頭に、講義で伝えたい2つのことをお示しいただきました。

①株式会社今治.夢スポーツの事業とは
②プロスポーツチームの運営会社の現状について

講義スライド(一部抜粋)

スポーツクラブを内側と外側から見て来られた知見をふんだんに盛り込んだ講義をしていただきました。

FC今治は、日本の愛媛県今治市をホームタウンとするクラブで、現在はJ3リーグに所属しています。2014年に日本代表元監督の岡田 武史 氏が代表に就任したことは、サッカーファンを賑わわせる一大ニュースとなりました。まずは、こうした企業としてのFC今治のご紹介をいただきました。FC今治の企業理念やブランディングなど、一連の情報を知ることができました。

続けて、「FC今治の挑戦」についてご紹介いただきました。4つある挑戦の中でも、「売上の多様化」に関しては、1つのクラブとは思えないほど様々な事業に取り組まれており、凄まじい挑戦に対する姿勢を感じました。事業の例として、幼児から小学生を対象とした教育事業「しまなみ野外学校」や、岡田メソッドを学んだコーチを海外クラブに派遣する「グローバル事業」などが挙げられます。

最近では「FC今治 高等学校」の創設も話題になっており、今後の事業展開も目が話せません。

講義スライド(一部抜粋)

さらに、今治里山スタジアムの構想段階から完成、そして活用についてのお話をいただきました。7年間で2つのスタジアムを作ったということ自体が驚きですが、今治里山スタジアムの構想には、たくさんの想いが詰まっているということにも感心しました。

スタジアムの賑わいの創出という点で、カフェ「里山サロン」や複合施設「コミュニティビレッジ きとなる(社会福祉法人・来島会が運営)」などが併設され、スタジアム内外で訪れた人々が元気になる空間づくりをされています。

FC今治の事業展開やスタジアムづくりからは学ぶことが多く、多くのヒントを得ることができました。

講義スライド(一部抜粋)

受講生からはクラブの理解を深める質問が!

質疑応答のセッションでは、さらに深掘りする質問が挙がりました。これも、FC今治への関心の高さの現れです。その中でいくつかの質問と植野様の回答をご紹介します。

受講生「認知を広げていくために、FC今治としてのどのような方針で広報を行っているか。」

植野様「他地域では、ローカルテレビ局1局しかないということもあるが、愛媛県にはローカルテレビが4局あるため、どこかの局には取り上げてもらえるという特徴がある。さらに岡田氏がいるため、全国的にも注目されやすいという特徴がある。一方で、岡田氏に頼り切ってしまうのではなく、FC今治として取り上げてもらえるよう、その意識を持って広報に取り組んだ。

受講生「FC今治の活動によって、地域や住民にどのような変化があったか。」

植野様「デジタルと街の変化があった。前者は、高齢者が多い今治の街でJリーグIDの導入を進めたことで、デジタル化が進んだ。デジタル化に対して初めは使いづらさや問い合わせが多かったものの、クラブに対しての愛があったからこそ実現できたことで、”FC今治の情報を得るためにスマホに変えたよ”という高齢者の声も聞くことができた。後者はのぼり旗の数が増えたこと。駅から市役所までの道中には100本以上が立ち、合計で700本にものぼる。訪れたアウェイのサポーターからは、のぼり旗の数の多さに対する驚きの声をもらう。

講義スライド(一部抜粋)

GBA受講生が考えるFC今治の企画アイデアとは

後半のグループディスカッションでは、以下のテーマを設定し、議論いただきました。

「FC今治のスタッフになったと仮定し、岡田武史会長の企業理念を体現するために、新設された今治里山スタジアムの環境を活かした事業企画、社会貢献企画のいずれかを考える。」

また、スペシャルゲストとして、株式会社今治.夢スポーツ 里山スタジアム統括グループ 執行役員 中島 啓太様にもご参加いただき、ディスカッションのフィードバックをいただきました。

ここでは、発表いただいた3チームの内の1つとフィードバックをご紹介させていただきます。

受講生「企業理念の”次世代のために”と”心の豊かさを”に注目し、社会貢献企画として”スタジアムで行う地域の運動会”というアイデアが挙がった。席とピッチの距離感が近いスタジアムに、地域のお年寄りや家族、幼い子供まで、多世代の人々が集まり、一緒に取り組むイベントができたら良いと思う。」

植野様「まさに、”インクルーシブな社会を目指す”というスタジアムのコンセプトに合っており、多世代の多様な人々が集まるというイベントは良い。健康や運動という点では、アシックス社が健康測定を行っており、ぜひ実現したら面白いイベントになると思う。」

中島様「多世代をまたぐというコンセプトが良い。スポーツイベントがスタジアムで行われる様子は容易に想像でき、素敵な光景になると思う。ビジネスの観点では、行政連携のスキームが組めれば、スタジアムの稼働率向上にもつながる可能性がある。

竹井「運動会は地域や学校の年一回の一大イベントであり、こうしたイベントがあることで、日々の運動習慣の定着にもつながる可能性がある。クラブのスタッフが日常業務のある中で並行して実行するのは難しいため、FC今治高等学校の学生と連携するなど、ステークホルダーを巻き込むことができれば、実現性が上がり、強いブランディングにもなると思う。」

20分弱の短時間の中で講義の内容を踏まえ、FC今治の企業理念をしっかりと捉えた素晴らしいアイデアを発表いただきました。植野様も中島様も、”多世代をまたぐ”というコンセプトを評価されており、高齢者の健康促進や地域活性を実現できるアイデアだと思います。

一方で、竹井からあったように、実現に向けてはステークホルダーを巻き込む必要性があり、これは現在受講生が進めている実施企画にも言えることです。実施企画においても、ガンバの方針や理念が反映され、企画のストーリーがより一層厚くなることを期待しています!

講義スライド(一部抜粋)

まだまだ国内事例が続きます!!

今回は、同じサッカーでもJ3リーグという異なるカテゴリのお話を聞く事ができ、受講生は多くの気付きを得ることができたと思います。

次回は、千葉ジェッツの舟久保様を講師にお招きし、バスケットボールのクラブ運営について、ご講演いただきます。晴れやかな演出など、エンターテイメントとしても多くのファンを魅了するBリーグがどうなっているのか、必見です。
次回のレポートもお楽しみに♪

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?