ベトナム南部の ”スカシーバ・ガカ”の思い出”  ~私のベトナム備忘録😅~

 毎度お馴染み(笑)、私の一風変わったベトナムの想い出備忘録です。。

 一昨日位に、こんなネットニュースを読みました。⇩
 目撃者が語った「恐怖」…京都・清水寺近くで「桜の木」倒れる…男性が下敷きに(日テレNEWS NNN) - Yahoo!ニュース

 桜の木が腐って倒れた…とか、”まぁー、怖いわねぇ。。”で普通は終わりだと思いますが、私はこのニュースを見て、10年前位にベトナム南部のドンナイ省へ旅行した時の思い出が蘇りました。。。

 ホーチミン市に隣接するドンナイ省には昔から工業団地が沢山あり、日系企業も沢山入ってますので日本人駐在員さんにはお馴染みの土地です。
 しかし、ドンナイ省のカットティエン国立公園の存在を知る人はなかなか少ないです。
 丁度今から12,3年前位に、このカットティエン国立公園がラムサール条約に登録されるとかされないとかで地元新聞に出てたので、好奇心強めの私は娘を連れて早速出掛けて行きました。

 ネットで調べたら、どうも近年観光地化が完了したみたいで、エコ・ツーリズムジャンルで広告が一杯出てました。 ⇩
 【週末特集】国立公園ナムカッティエンの大自然を満喫・バードウォッチングやサイクリングを楽しもう。 | ホーチミン観光情報ガイド 
 Trải nghiệm Bàu Sấu Đồng Nai, sự kì thú ẩn mình giữa rừng sâu (traveloka.com)

   しかしです。約10年以上前はまだまだ未踏のジャングル観満載で、特に上⇧のサイトの中のBàu Sấu(バウ・サウ)の意味は、『バウ=沼、サウ=ワニ』、要するに『ワニ沼』とその名の通り野生のワニが沢山生息しており小屋の外に出る事は禁止されてました。小屋の下にも『危険!これ以上進むな、ワニが居る』と書かれた看板が所々に立ってました。ワニは足が速くてあっという間に沼に引きずり込まれるから絶対に好奇心で下に降りたりしない様にと注意されたりしました。。
 しかし、最近のツアー会社の広告宣伝にはカップルが仲良く沼畔で寄り添う写真が掲載されてる。あれ?あの野生のワニの大群は何処へ行ったのか、みんな捕まえてどこかへ移したのか、或いは駆逐しちゃったのか。。。
 ”エコ・ツ―リズム”の名の商売の為に、自然の生態系が破壊され変化させられたりしてる事実は、何となく”エゴ・ツーリズム”とも言える気がします。  
 話を12,3年位前に戻しますと、私達は最終目的地のバウ・サウに向かうべく国立公園ゲートに朝8時頃に到着しました。富士山の樹海同様、携帯電波も届かず磁石も狂うから必ず午後3時位までには戻るように念押しされました。今はもうそんなことはないのでしょうか。。。😅😅

 バウ・サウへ入る入口までは、1時間くらいこんな道⇩を延々と歩きました。はっきり言って、ただの田舎道でつまらないです。。(笑) 

 暑いし、何もないし、飽きるわ~、と思いながら歩いていると、道の脇に少し広い土地で水が乾いて地面に亀裂が入っている場所があり、そこで背の高い西洋人の年配の男性がヨレヨレのTシャツと半ズボンで帽子も被らずに一生懸命虫取り網を振り廻していました。
 好奇心強め女史の私は、当然寄り道して西洋人の男性に”何をしてるんですか?”と声を掛けましたら、男性はロシア人でした。
 今思い出しても、どうやってコミュニケーションしたのか、何語で会話したのか全然思い出せないですが、なんとか会話は成立してたのです。その証拠に私が今でも色々と覚えているのですから。

 その男性はロシアの生物研究者で、京都大学(?)かどこか日本の関西辺りの大学院の研究室でも何年か研究していた、私はこの虫の研究をしているのだ、その虫を捕まえているのだ、ほらこれだ、と虫取り網を見せてくれました。・・・しかし肉眼ではちょっとよく解らない。しかしロシア人先生はどうも久しぶりに日本人に会って嬉しかったようで熱心に色々説明してくれるのですが、やはり半分も分からない。。ただ、話の中にちょくちょく”スパシーバ・ガカ、スパシーバ・ガカ”と連呼あり、私は、”ああ、それなら唯一判るわ、『Спасибо(スパシーバ)』、ロシア語で『ありがとう』だよね。”と心の中で思いながら愛想笑いしてました。

 ロシア人先生曰く、”この虫は、東南アジア広しと言えども、ここ(=ドンナイ国立公園内)と後はマレー半島(の何処か)の一か所にしか生息しない大変希少な虫だ。その研究の為にここにもう数年間滞在しているのだ。”と教えてくれました。

 さてその日は目的地のバウ・サウツアーを無事終了、夜家に帰ってからふと、あのロシア人先生が初対面の私に”Спасибо(スパシーバ)=ありがとう”を連呼する理由が無いことに気が付きまして。(笑)
 そうなら、あの先生はきっと何か大事なことを私に伝えていたに違いない、と思い直して色々調べてやっと判ったのです。それは、これでした。
 ⇩
透翅蛾(スカシバガ)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)
スカシバガ科 - Wikipedia

 なんと、あのロシア人先生は、『透翅蛾科(スカシバガカ)』の研究者だったのでした。。(笑)🤣🤣🤣👌👌 最高の空耳アワー。。。

  因みに『スカシバガ』の写真はこれです。⇩ 

 もの凄い小さい虫のようで、ああ、それなら肉眼で見えにくい筈だわ、と納得しました。

 あの日、家でネットで色々検索して、やっとあの日あのロシア人先生の話に合点が行きました。
 先生は、『桜の木にこの幼虫が住み着くと、あっという間に木腐れの様な現象が起きて或る日突然木が倒れる。そんな現象が近年日本の各地の桜の木に起こっているので、その研究をしているのだ。』と言ってたのです。

 これはもう12,3年前の話ですが、あの日、日本語で『透かし羽蛾科』で検索したら、『桜の木腐れの原因』で情報が沢山出て来ました。でも、変ですね。昨日検索したら、この虫と桜の木腐れの関連性に言及する記事が殆ど見当たりません。不思議ダナ。。🤔🤔🤔

 不思議と云えば、ベトナムのドンナイ省の国立公園内とマレー半島の何処かの本当に狭い土地にしか生息しない希少種の『透かし羽蛾科』の幼虫が、何故か近年に日本の桜の木に住み着いているのも不思議な話です。。。

 ふと、あの日ホーチミン市の自宅でパソコン画面を眺めながら、
”ええ、ならもしかして、所謂仮想敵国の諜報員とかが日本に入って来て、観光客とか夜花見の酔客に紛れ込んで、手のひらサイズの小型ドリルでさっと木に穴をあけて、こっそり手持ち荷物で輸入した小瓶から幼虫を取り出してピンセットで木にねじ込んでしまっても、きっと専門家が見ても直ぐには判らないだろうなぁ~”と、何となくゾっとして怖くなった記憶を思い出しました。😑😑😑

 

  

 

 

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