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kojimayu
夏と彼女と熱いお茶
暑い夏の日は、
淹れたての、ゆるやかに湯気の立つお茶の香りを思い出す。
「あなたはお茶が好きだから」と嬉しそうに湯を沸かす準備をするあなたとすごした夏。
扇風機がゆるゆると回る居間は、もう遠い過去になりつつある。
二度と戻らない夏があることは、無くなってからしか気付けない。
今となっては、
私は本当に淹れたての熱いお茶が好きだったのか、
「お茶が好き」と言うと嬉しそうに笑うあなたの喜ぶ顔が見たかっただけなのか、わからない。
いつかどこかで、誰かの思い出になるときに、
私もあなたのように、なつかしさとうれしさと、
ほんの少しの寂しさを混ぜた夏の景色になれるだろうか。
淹れたての熱いお茶を飲みたくなる、夏の思い出のお話。
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