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境界線を越えて part2

ソラは胸の高鳴りを抑えながら、そっと扉の取っ手に手をかけた。冷たい金属の感触が、現実を感じさせる。ゆっくりと開くと、目の前には壮大な自然が広がっていた。澄んだ青空の下、広大な草原が風に揺れ、遠くには雪を頂いた山々がそびえていた。どこかで鳥の声が聞こえ、心地よい風が彼女の髪を優しく撫でた。

「こんな場所、地球上にあっただろうか?」ソラは驚きの表情を浮かべた。

その時、近くの小道に一人の若い女性が立っていた。彼女はソラに微笑みながら近づいてきた。金色の髪とエメラルドグリーンの瞳を持つその女性は、異国の装いをしていた。

「あなたも鍵を持っているのね」と、流暢な韓国語で話しかけてきた。「ここは『境界線の国』。世界中のどんな場所よりも自由に、そしてどんな言語でも通じる場所よ。」

ソラは驚いたが、すぐにその女性に興味を持った。「境界線の国?ここで一体何ができるの?」

女性は謎めいた微笑を浮かべた。「ここでは、時間も空間もあなたの意思で形を変えるの。旅が好きなあなたなら、きっとこの場所を気に入るはず。」

その言葉にソラの心はますます躍った。この世界では、現実の制約を超えてどこへでも行けるのだと理解した。彼女は、目の前に広がる無限の可能性に思いを馳せた。

「じゃあ、次はどこへ行こうか?」

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