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【小説】『笑顔』

突然だが私には可愛い後輩が居る、とても良い子で優しい子、私はその子と付き合っている、でも付き合っている事は学校内では内緒にしている

「羽島さん、ちょっと良いかしら?」
「あ、はい、何でしょうか?」

あれ?さっき私の知らない男と話してた…?

「今日、放課後残れるかしら?」
「はい!残れますよ、伊藤先輩」

流石、私の美玲…優等生ね…この学校は猿ばかりで嫌になっていた、でもそんな中現れた一人の優等生…それが私の恋人【羽島美玲】

「美玲、残ってくれてありがとう」
「えへへ…先輩、良い匂いですね」

私は愛しい美玲を抱きしめる

あぁ…なんて幸せなんだろう…この空間に二人だけで居られるなんて…

「ねぇ、美玲?渡したい物があるの」
「何ですか?」

私は美玲にピンク色でハート型のヘアピンを渡した

「美玲、ピンク色のアクセサリー好きって言ってたから、そのヘアピン買ったのよ」
「わぁ!可愛いです、先輩ありがとうございます!」

美玲は早速付けてくれた

「どうですか?先輩、似合ってますか?」

ほんと…可愛い子…愛しい子…こんなに良い子を放置していたら、変な猿に目を付けられるに決まってるわ…

「凄く似合っているわ、美玲にピッタリね」
「やったぁ!愛美先輩ありがとうございます」

私が守らなきゃ…ずっと…見守らなきゃ…私だけの美玲…

「ねぇ、美玲…今は二人だけなのよ?先輩呼びしなくても良いのよ」
「え?あ、はい!愛美さん!」

可愛い…私の名前呼んでる…誰にも渡したくない…

「ところで、美玲…今日話してた男…誰?」
「…同じ組の男の子です」

何だ…ただのクラスメイトか…でも…

「仲良いの?その男とは」
「いえ…今日はたまたま話しただけです」

なんだ…たまたま…か…でも親しそうにしてた

「美玲、嘘じゃないよね?」
「嘘じゃないですよ」

嘘…美玲は嘘つく時目を少し逸らす癖がある

「じゃあ何で、目逸らしているの?」
「…すいません、最近話す程度です」

やっぱり時々話しているのね…美玲

「お願い…美玲、私には嘘つかないで?」
「ごめんなさい…愛美さん…」

そして私達は下校した

「さて…美玲のSNS見よう」

{先輩からアクセサリー貰った、可愛い!}

ふふ…私のあげたアクセサリーをもうSNSにあげているのね…

「うふふ…可愛い…」

あら、もう[♡]が沢山付いているわ、あの子愛されているのね…

「…でも…美玲を愛して良いのは私だけ…」

私も美玲のSNSに♡を付けコメントを残す

⚪︎喜んでくれて嬉しい

早速美玲から返信が来た

◎先輩コメントありがとうございます!

「あぁ…早く会いたい…抱きしめてあげたい」

私はコルクボードに貼ってある、美玲の写真を見つめる

翌日

「おはよう、羽島さん」
「おはようございます、先輩」

朝から良い笑顔…ホント…癒される…

「あら、今日も付けてくれているのね、そのヘアピン」
「はい!お気に入りなんで!」

美玲はニコッとする…私の大好きな笑顔

「良かったわ…気に入ってもらえて」
「えへへ…はい!」

あら?…美玲…メイクしてるのかしら?

「羽島さん、今ってメイクしてるの?」
「ごめんなさい、ナチュラルメイクしてます」

え?え?可愛過ぎる…みんな気付かないなんてやっぱり私見る目あるわぁ〜!

「羽島さん、後で良いかしら?」
「え…怒られますか…?」

あー、可愛い、メイクしてきて私から怒られるって思ってる美玲凄く可愛い…

「うふふ、怒られると思ってるの?」
「…はい」

少し怯えてるみたいね…怖がらせちゃったかしら…でも安心して私は怒らないから…

昼休みの屋上

「美玲、そのメイク可愛いわ!素敵よ!」
「わぁ!先輩なら気づいてくれるかなって思ったんですよ!」

可愛い後輩がもっと可愛くなった…あぁ…抱きしめたい…

「抱きしめたい」
「えへへ、私…先輩のハグ好きです…」

とっても素敵で可愛い…私の大好きな美玲

「ふふ、良い匂い…美玲」
「嬉しいです」

あぁ…これからもこの関係を続けていきたい…誰にも邪魔されずに…美玲の笑顔を見ていたい

「ねぇ美玲、今日も残れる?」
「…あぁ…すみません…ちょっと用事が…」

用事…何かしら…気になるわ…

「用事って…何かしら?」
「家の用事です」

…美玲、今回は嘘ついてないわね…良かった…

「そっか…じゃあ今日は一緒に帰れないわね」
「そうですね…残念ながら」

あぁ…寂しいわね…美玲も寂しそうにしてるわ

放課後の帰り道

すっかり遅くなったわ…美玲のSNSは…今日は更新されてないみたいね…そうよね、美玲は嬉しい事が無いとSNS使わないもの…

「ん…?あれは美玲…?」

美玲…誰と居るのかしら…

「何で…クラスの男と居るの…?」

もしかして嫌がる美玲を無理矢理誘った?!
そうよ…きっと、あんな優しくて可愛くて優秀で笑顔が素敵な子が男と居るなんて…

あぁ…

「明日…問い詰めなきゃ…」

私は帰宅した

「用事…今日の用事…男…用事…男…会う…」

違う…美玲は夜に男と会う子じゃない…違う…あれは美玲じゃない…違う女…美玲は夜に出歩かない…

「SNS…チェックしなきゃ…」

{今日、ナチュラルメイクして行ったら先輩が気付いてくれた、嬉しかった!}

あぁ…良かった…いつもの美玲…♡付けなきゃ…コメントもしなきゃ…

⚪︎綺麗だったわ
◎気付いて下さりありがとうございます♪

あ、すぐにコメントきた…良かった…

「やっぱ…あれは美玲じゃない…」

私はそう言いながら眠りに就く

翌日

「お、おはよう、羽島さん」
「…おはようございます!先輩」

あれ?今少し間が合ったような…

「どうしました?先輩」

いや…そんな事無いか…いつもの可愛い美玲…

「うぅん、何でもないわ」
「そうですか…何かあったら言って下さいね」

そう言って美玲はニコリとした

「うふふ、優しいわね…羽島さん」
「えへ、そうですか?先輩」

さて…今日は残ってもらおう…

「羽島さん、今日残ってくれるかな?」
「…良いですよ!」

何だろう…この嫌なモヤモヤ…

放課後の屋上

言わないと…昨日の事…あれは美玲じゃないって信じてるから…

「美玲…昨日、何処に居たの?」
「え?昨日は家に居ましたよ?」

疑いたくない…だって美玲は良い子だから…

「本当に…?嘘…言わないでよ…」
「…はは…あはは…先輩はよく私を見てますね」

何言ってんの…当たり前じゃない…恋人なんだから…

「昨日は同級生の子に遊ぼうって誘われたので出掛けてました」
「え…あのクラスの男と?!」

あぁ…ダメよ…完璧な美玲が汚れる…害虫は処分しなきゃ…私の美玲に近寄らせないように…

「ダメよ!何で夜に男と会ってるの!?美玲は夜に出歩く子じゃないでしょ?!」
「あ、私がクラスの男の子と会ってたのも知ってたんですね」

何…その顔…何でいつもの笑顔じゃないの…何で…??何で真顔なの…美玲…

「ダメ…男に会うなんて…私が嫌なの!!私の美玲が汚れる!!」
「愛美さん、もう良いですかね?」

何…急に何言ってっ…

「きゃっ!!!」
「では愛美さん」

私は屋上階段から突き落とされ

その瞬間の美玲の顔はとても…

狂気に満ちた笑顔だった

私は頭から落ちて意識を失いかけている時に美玲はニコリとしながら話してきた

「承認欲求出来ましたか?愛美さん、お疲れ様でした、さようなら永遠に」
「ぁっ…まっ…て…み…れい…」

私は完全に意識を失くした

美玲視点

帰り道

「あ、来た来た〜、あの先輩と話し合い終わった?」

私の事情を知っている彼氏

「うん…とても泣かれて嫌だって言われたけど私も先輩の気持ち分かりますって伝えたら、そっかって言われて別れたよ」

まぁ、階段から突き落として頭から落ちたから生きてるか分からないけど

「そっか良かったな、別れられて」
「うん、良い別れ方したと思う」

同じクラスの男の子名前は桜澤拓己、彼からアプローチされ断ったが『お願いします!』と言われて付き合った

「あの先輩かなり情緒おかしいって言われてたから別れるの大変じゃなかった?」
「うん、どう別れ話を言えば良いのか分からなかったけど…頑張ったよ」

拓己には私と先輩が付き合ってるって言ったら驚かれたけど、先輩の度が過ぎるって話をしたら別れた方が良いよって言ってくれた

「あの先輩、お前の事ずーっと見てたから俺怖かったよ笑」
「ナチュラルメイクしてきたらすぐ気付いたからビックリしたよ笑」

メイクは拓己に見せる為にしてきた、教室で拓己に見せたら、好き、可愛い、もっと美玲ちゃんを知りたいって言われた時はドキドキした

「手紙のやり取りはバレなくて良かったよね」
「それはホント怖かった笑」

でも夜に会った事はバレたからもう良いやってなっちゃった

「早く帰ろう?明日は休みだから家でデートしよう?」
「うん!する!あ、あとヘアピンありがと!」

あの目立つヘアピンより好みが分かってくれてる彼とお揃いのヘアピンが好き

「急にピンクでハート型のヘアピンしてきたからぶりっ子にキャラ変したのかと思った笑」
「私がぶりっ子になるわけ無いじゃん笑」

私たちは楽しく手を繋いで帰った






先輩の遺体が見つかるのはいつだろう?
                     END

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