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クリスマスと仏教。 ハロウィンと神無月。

ずいぶん前に、新聞だったのかネットだったのか記憶が無くて曖昧な感じでハッキリと憶えていないのだけれども 「仏教徒が多い日本でクリスマスを祝うのは如何なものか」 という意見に対して 「いやいや、クリスマスにも仏教的な要素があるので皆で楽しく過ごせばいいじゃないか」 というような趣旨の記事があったような気がする。


で、ふとハロウィンにも仏教的な要素というか日本的な要素があるんじゃないか、ひょっとしたら関連性があるんじゃないか、と考えてみたのでつらつらと書いてみたいと思います。


と、その前にクリスマスの仏教的な要素って何なんだろうと気になるのですが記事の内容をさっぱり記憶していないので、少し調べてみたところ要素を取り込んだ、影響を与えたということではなく、ルーツを遡ると同じではないか、根っこは同じではないかということでした。


クリスマスってイエス・キリストの誕生日をお祝いするイベントなんでしょってわたしは思ってたのですが全くの間違いでした。


まず、そもそもイエス・キリストの誕生日が判明していなくて3月説、4月説や5月説、11月説もあるようで、12月に祝うようになったのは古代ローマで信仰されていた太陽神ミトラスの存在が大きく関わっているようです。

この太陽神の誕生を冬至である12月25日に祝う風習がキリストの降誕祭、クリスマスに影響を及ぼしたとのことらしいです。


で、太陽神ミトラスと起源を同じくするのがインド神話におけるミトラです。仏教の世界観にも影響を及ぼしマイトレーヤ、つまり弥勒菩薩という存在のルーツと考えられているようです。


菩薩像の前で手をあわせてお祈りをすることと、クリスマスを祝うことにあんまり違いはないのではないかということだったのかもしれません。



ちょっと前置きが長くなりましたがハロウィンについての考察に戻りますが、結論を先に言ってしまうと共通点はありそうだが関連性はなさそうだということになります。

毎年、夏を過ぎた頃くらいからドン・キホーテや100円ショップなどの店頭でオレンジ色やムラサキ色の商品が目立つようになります。カボチャのグッズや仮装用のコスチュームが陳列されているのをよく見掛けます。

コロナ禍以前は11月1日のテレビニュースは決まって渋谷の様子、騒動みたいなのが垂れ流されていました。

そもそもハロウィンは米国で広まった習慣ですが、元々はイギリスというか古代のケルト人に起源があるようです。


ケルトの世界では冬のはじまりである11月が新年とされ、その時期に亡くなった人たちが家に戻ってくると考えられていたようです。  (日本でいうとお正月のタイミングにお盆のような行事をしてるということですね。)  しかし死者の魂とともに悪霊や魔女などがやって来てしまうようで魔除けの火を灯すことがならわしだったようです。

中身をくり抜いたカブ(米国ではカボチャ)に火を灯していたようで、なんだかお盆の迎え火、送り火や、茄子や胡瓜で馬や牛を模した精霊馬なんかとすこし似ていますね。

で、その年始にされる祖霊信仰の行事が、ハロウィンという習慣になった経緯としてはキリスト教徒による布教、進出、侵略などが大きく関わっています。

元々は5月13日であった万聖節、諸聖人の日が8世紀頃にカトリック教会によって11月1日に移されます。理由は聖人たち殉教者たちを祝うための聖堂が完成したからとのことですが、実情としてはケルト人たちを改宗させるためとの見方もあるようです。

対立的な理由か、土着の文化に融和、習合、折衷させる目的なのかは明確にできませんが、それ以降はケルト世界における新年の日が All Saints' Dayだとか All Hallows や Hallowmas などとキリスト教的な名前で呼ばれるようになりました。



で、わたしはふと思ったのです。

諸聖人が集まる11月1日と、日本から神が居なくなるとされる10月(神無月)は関連があるのではないかと。新暦と旧暦の違いで本当は同じ時期なのではと。シルクロードで結ばれた、繋がりのある関連があるのではないかと。居なくなった八百万の神々が集まるとされる出雲と何か関連があるのではないかと。出雲地方では10月を神在月と呼ぶそうですがハロウィンと何か関連があるのではないかと。


実際は全く関係ありませんでした。

10月が神無月と言われる理由はあまりわかってないようです。表記についても神の無い月となってますが、「神の月」くらいの意味で八百万の神々の不在とは関係ありません。大黒様のもとに神々が集まって会議をするというお話は中世あたりに意図的に流布された俗説だそうです。


結局のところ、わたしのヒラメキというかこじつけは意味のないものでした。


ハロウィンに話を戻しますが、11月1日のオールハロウズ、ハロウマスの前夜(イブ)が訛ってハロウィンとなったようです。

現在はキリスト教とは関係のない世俗の風習、イベントとして日本にも根付いています。とくに宗教的な意味合いは薄まっていると思いますので信教に関係なく、どうかハロウィンを楽しんでくださることを願います。


最後までお読みいただきまして有難うございます。






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