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ミドルリスク・ハイリターンを長期的かつ安定的に実現する資金管理法


はじめに

対象読者・目的・記述の指針

 筆者自身の備忘録だけでなく投資中級者以上向けに、投資において最重要な資金管理について筆者自身が行っている方法論について記述する。
 この資金管理法はミドルリスク・ハイリターンな運用を長期的かつ安定して(いわゆる滑らかな資産曲線)実現するための方法論であるが、リスクを抑える際のヘッジ方法含め実運用が複雑になるため、急にマーケットが底割れたときの適切な対応が必要になる事もある。
 日頃から本記事を見直し・修正することで、資金管理・運用における重大なミスを無くすこと・ルールを徹底することで長期的に安定した運用に耐えうる資金管理法の指針となることを想定している。

最重要ガイドライン

  • 日々の総資産の変動を±1%程度に収める。(※1)

  • 各資産毎の最低水準以上のリスクポジションを常に取り続ける。(※2)

  • 総資産の年間最大ドローダウンを10%以内に収める。(※3)

    (※1) 一番安定しているメジャーな資産の指標であるゴールドやドル円等も日次で0.7~2%程度変動しているため、分散無しで総資産の変動リスクをこれ以下に抑えることは不可能である。同時に各クラスにおいてどのようなリスクポジションを取っていたとしても1%の日次変動は受け入れなければならない。

    (※2) 分散効率における最適なマジックナンバーは3~5であり、それ以上は分散効率の向上は望みにくく複雑度が上がるだけなので望ましくない。

    (※3) 標本を増やすと分散が小さくなるため、保有時間を長くすること=日々の値動き分のリスク(=分散)の低減に繋がる。また、銘柄や資産を分散することで、それぞれの資産クラスのボラティリティ(日次1%=週次2%=月次4%=年次14%)の分散を行うと、資産全体のボラティリティが低減できる。

資産クラスについて(長期運用枠ガイドライン)

  • 株式・ETF・株価指数先物:国内外の合計額=全資産の30~60%
     企業価値増大(配当含む)=金利に相当し、高いリターン(年利10%相当)が期待できるため、各市場毎に4~5銘柄程度分散させつつ60%を保ちたい。

  • ゴールド・仮想通貨・各種商品等:長期保有合計額=全資産の20~40%
     
    金利を産まない資産が多く、短期的な価格上昇トレンドが発生しにくいので、短期で動きがないときはポジション10~20%の少なめでよい。
     長期でトレンドが発生しているゴールドなどは現物で10%程度持っておくのが望ましい。

  • 為替・債権など金利が発生するもの等:全資産の30~60%
     長期的トレンド(ファンダ)に逆らわないことは大前提であり、仕掛ける方向に金利が発生するチャンスがあるときは積極的にポジション(~60%)を取る。
     金利やトレンド方向に逆らう方向に仕掛けるときは短期枠として30%までリスクをとっても良い。(ロング方向ポジ+30%を維持してヘッジ-60%の合算ポジで-30%)

株式・仮想通貨・各商品について注意点

 日次ATRの変動率が高く(日次ATR=3~5%)値動きが粗いものは資産クラスに与える影響が大きいため5%程度に留める。
 米国株も長期枠で保有する場合、FANG+レバレッジETFで評価額を倍額換算して算入することも有り。
 決算・ニュース等で10%程度の急変動が起こるリスクを想定し、長・短期枠合算で個別株式銘柄に限り1銘柄総資産の~10%に留めるようにする。
 制限・一般信用取引よりも株式CFDなら5倍までレバレッジをかけられるため、入れる資金は20%で済み資金効率良。
 信用取引多用するため、ボラによる資金効率を上げることは大事だが、増担保銘柄に関しては資金効率悪くなることによるデメリットも大きいので、他に資金を使う用途がある場合は取り扱わない方が良い。
 先物やFX・CFDで膨らんだ長期枠ポジションは定期的に利確・現物振替・別の戦略用の資金や資産クラスの証拠金等に回すなど、ポジションの整理を行うことで、資産クラス全体の秩序を保つ。

短期枠運用(デイ・スイング)のケーススタディ

長期ポジションのリターン調整(ヘッジ含む)

  • 短期運用分に限定してCFDで一時的に各資産クラスの重みを長期分と合計して90%までふやしてもよいが、この資金は信用取引・CFD・先物等でヘッジ用資金にすることも想定しているので、明らかに短期で底抜けて逆行するときは長期枠のヘッジに使うほうが望ましい。

  • 月・週末は特に値動きが激しいため、心地よく就寝するために、短期でリスクを一時的に増やしている場合や長期ポジの割合が上限近くまで膨らんでいる場合、ポジションを落とすために下限である30%までヘッジ売等によってリスクポジションを軽くしておくなども考えられる。

各資産クラスに含まれる銘柄を一時的に強弱をフィルタリングして抽出することでリターン上昇を狙う

  • AIバブル(2024年前半のNVIDIAやMSFT・AMZN)の上昇分を抽出するため、FANG+の分割分(各10%)を3~4倍程度にしつつ、リスク管理を考慮した1銘柄の保有上限(10%)までCFDでポジション増やす等で調整すると長期枠ポジションの調子が良い部分のリターンをいい具合に抽出できる。場合によっては弱い銘柄(TESLA等)をCFDでショートして帳尻を合わせる等、中長期運用におけるバランス調整に使うのも良い。

まとめ

 本記事の指針は資産運用の枠組みにおける戦略カテゴリーに分類すると、一番メジャーである買い持ち戦略=ロングホールド戦略に相当する。

 資産運用についての概念は、戦略>資産クラス(株・商品)>市場>手法
の階層順で細分化されるものだと筆者自身は考えている。

 また、筆者自身は戦略レベルでの分散運用を行っているため、ロングホールド戦略とは別に鞘取り戦略用に資金を回してるので、現物想定で持ち続けるロングホールド戦略運用におけるリスクポジションの大半は証拠金ベースの信用取引やレバレッジ商品にすることで、資金効率を高めた運用になってることが多い。(日々様々な証拠金口座で追証が発生しているので、強制決済を避けるためのポジション整理・解消等、細かな資金繰りに忙しい😇)


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