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ヒッチハイクしたら高速道路に降ろされた話 ~ヒッチハイクと橋下徹の共通点~

こんばんは。お久しぶりです。ハヤシダです。

「ヒッチハイクと橋下徹?テキトーぬかすな」
と思うでしょう。まあ最後の方まで見てください。


ここ一週間劇的に忙しくて、来週再来週と色々やりたいことであふれてます。気概だけは10代の頃よりも増えたかもしれません。
けど、あれこれやってるだけだと、すぐに記憶は新しいものにかき消されちゃいます。当然ですね。脳みそは必要ない情報をどんどん忘れるメカニズムだから、自分の行動に意味を見出せなければ、記憶はどんどん”上書き保存”されちゃうわけですね。
ここで例えば”日記”を書くと、過去の振り返りができるので、あの時何気なくやってた自分の行動に、どっしりと腰を下ろして意味を考え、価値を見出すことができます。後から(あの時どんなこと考えてたんかな~)と見返すことができる。つまり、日記によって記憶に”名前をつけて保存”することができるわけですね。

あれ?なんかうまいこといった?俺


前置きは置いといて、本題に入ります。
今回で九州ヒッチハイクの話は終わりです。

僕の個人的感覚ですが、都会から離れるほど”はじめてヒッチハイクを乗せる”という方に出会います。ありがたい。


2日目に入り、大分の別府♨から「九州一周ヒッチハイク旅」を再開した僕ですが、調べてみると別府の街中から別府ICまでは徒歩で約15kmあった。とてもじゃないが、歩いてたらラチがあかない。

明朝AM6:30 

僕は「ヒッチハイクをするためのヒッチハイク」を開始しました。今思えば、時間があるからヒッチハイクをしている奴が、時間を節約するためにヒッチハイクするという、なんとも本末転倒なことをしている。僕ならこんなヤツ絶対乗せない。でも、本当に聖人のような方がいらっしゃる。開始5分で拾ってくれました。車内で過ごした時間はわずか15分ほどだったけど、僕は、15分でおじさんの記憶に自分を残せたのだろうか?

そんなこと考えながら、宮崎方面へのヒッチハイクを2時間ほど立って待っていた。炎天下の中、蒸気が噴き出し硫黄の匂いがほのかに漂う別府で、隣には米軍基地から目と鼻の先にあるミリタリー柄のラブホテル。狂気じみた環境に、正直気が狂いそうやった。


AM9:00ごろだったろうか?

一台の車が止まってくれた。老夫婦だった。そう、何を隠そう、この人がさんざんnoteのテーマに書いてきた

「高速道路で僕を降ろした人」なのである。

さあ、これだけ聞くと、みんなは「どうせハヤシダが老夫婦とケンカ沙汰を起こして、高速道路に降ろされる仕打ちを受けたんだろう」と想像するんじゃないだろうか?

実のところ、僕は非常に円満な別れの元に、高速道路へと降り立った。

「私らの孫も君ぐらいの年齢なんだよ」

と、僕を自分たちの孫のようにもてなしてくれた老夫婦。持っていたクーラーボックスがパンパンになり、もはやクーラーボックスの意味を持たない程の量のお茶を渡してくれ、せっかくの摂取した水分を台無しにするほどの量のキャンディーをくれた。

とにかくこの老夫婦はねんごろに僕の旅を応援してくれて、最後までHAPPYな車内だった。

そろそろ老夫婦が高速道路から下道に降りる料金所へと接近した時だ。

「林田くんは宮崎いくみたいやし、そこの道で降ろそうかね?」

!!?

おじいさんの論はこうだ。

無題

なんといった暴論だろうか。「さすがに危険っすよ」と正論をかまそうとしたが、おじいさんの瞳には一点の曇りもない。

(この人、本気だ、、、)

僕は説得するのを諦めた。

「絶対大丈夫だからね!頑張って宮崎いってね(^^)」

と僕を降ろした老夫婦は子気味よくアクセルを踏みだし、大分の田舎へと消えていった。

…さて、どうしようか。

降りてから20分ほどヒッチハイクを試みたが、一台として止まる気配はない。むしろ、動物園の猿山を見るかのような目でこっちを凝視する運転手の顔が見える度に、「ヒッチハイクしよう!!」なんて酔狂なことを考えた一昨日の自分を心底恨んだね。

そもそも、ハヤシダが立っているのは高速道路の左手側。二手に別れる道でいうと、下道に降りる側に立っているわけだ。(そりゃあ、下道に降りる老夫婦に降ろしてもらったから必然的にそうなるわな)いっぽう、宮崎へ行く車は右側の宮崎へ行く側、道路の右側を走行する(これもまた必然)。

道路の右側を走っている車がわざわざ反対側まで来て、ヒッチハイカーを(しかも高速道路に立っている狂気じみた人間を)乗せようなんて思うわけがないのだ。

「高速道路でヒッチハイクを行う」作戦は、

高速道路を降りる側に降りた時点で

最初から破たんしていた!

うーん、文字に起こしていて、我ながらあきれんばかりの間抜けっぷりですね。

エニウェイ、ともかく僕はその矛盾に気づいた瞬間(ごめんおじいちゃん)と思いながらも、高速道路を降りる方針へと転換した。

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そういう経緯があってこんな写真の状況になったわけ。


こうして1時間、高速道路を降りようと格闘するわけだが、やはり車は乗せてくれない。当然だ。運転手からすれば僕は

「ヒッチハイクをしに高速道路へ登ったのに、

わざわざ高速道路から降りようとしている変態」

にしか見えないからだ。

わかってるよ!そんなこと!でも、どうすりゃいいんだよ!1


絶望の中ヒッチハイクを試みていると、一台の車が僕の脇に止まった。

「そこの君!なにやってんだ!!!こんなとこで!!!」

結局乗せてくれた車はパトカーさんでした。

ちゃんちゃん、、、


事情を説明した僕は、警察官の方になんとか許してもらい、近くのコンビニまで降ろしていただけた。

そこからなんとかヒッチハイクをつづけ、珍妙不可思議なお坊さんに乗せていただいたり(これもまた記事に書きます)、24時間テレビに出演したご家族に乗せていただいたりと、いろんな方に乗せてもらった。

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めちゃめちゃファンキーなお坊さん。若いころに野宿で日本一周したり、お遍路行脚したり、いろんなことにチャレンジ。リーマンショックで商社マンを辞めた後、お坊さんになったそうだ。(メチャクチャためになる話をしていただけたので、またこの記事は書きます)


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高速道路に降ろされたことなどみじんも覚えてない様子。


なんとか鹿児島に着き、翌日もヒッチハイクで熊本、福岡を経由して広島へと帰ったことで、ホントになんとか、九州一周ヒッチハイクを達成しました。

ありがたいことに、この経験をTwitterで見た広大生(”てばさき”というハンドルネームでブログを開設している。めっちゃアクティブで面白い記事バコバコ書いてるから、他の記事もぜひ見て!)が僕をインタビューしてくれた。


「ヒッチハイク」という行為を通して、得られた経験は、このインタビューで深く述べているが、このNoteでも、大まかに3点挙げよう。

①全くの赤の他人とじっくり話すことができる
 ⇒知らないジャンルの話を聞き、新しい情報のアンテナを建てられる
 ⇒他人に自分という人間を説明する中で、自分自身を深く客観視できる

②新幹線や飛行機を”あえて”使わず移動できる
 ⇒普通なら素通りする土地に訪れ、思わぬ発見ができる
 ⇒地元の人が乗せてくれれば、地域住民しか知らないような話を聞ける

③ヒッチハイクをして、車に乗せてもらえる、という事実
 ⇒実際、ヒッチハイクはやってみると、なんとかなる。乗せてくれる
 ⇒ヒッチハイクは若いから許されてる行為。40歳になってヒッチハイクをしても、誰も乗せない
 ⇒今しかできないことを、すぐ行動に移さないと人生無駄にしちゃう

ヒッチハイクを通して自分の中で何が変わるかは人それぞれだし、別にヒッチハイクをしなくても自分を変えることはいくらでもできるでしょう。


けど、何かを変えるためには、ヒッチハイクにしろ何にしろ、
先立つための”行動”がなくては始まらない。

「何よりも行動が重要だ」ということは、先日ある番組で橋下徹さんも同じことを言っていました、より確かなことなんだと確信を持っています。

橋下徹は、今でこそ大阪府知事として有名な方ですが、元々彼は政治家ではなく、一人の弁護士でした。目の前にある問題に疑問を持ち、全力で打開しようとする中で環境がどんどん変化し、彼は”政治家”という、当初予想だにしていなかった未来像を描くことになりました。

自分を取り巻く環境は、いくらでも変わる可能性があるし、自分が将来どうなっているかなんて予想できるわけがない。
そんな中で、周りの環境をより良くしようと思ったら、何もせずじっと待つのではなく、ただひたすらに、愚直に「行動」するしかない。

ヒッチハイクも同じですね。自分が行きたい目的地があっても、スケッチブックを持ち、道に立って、親指を立てなければ、一歩も進むことはできない。
しかし、愚直に道に立ち続け、泥臭く運転手に声をかけ続ければ、必ず拾ってくれる人が現れ、一歩、また一歩と進むことができる。
思い描いたルートとは違っても、必ず前進しているし、むしろ自分が考えていなかった新たな土地や人々の考えに触れることができ、思わぬ収穫を得られる。そんな気がしますね

己おのれの珠たまに非あらざることを惧おそれるが故ゆえに、敢あえて刻苦して磨みがこうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々ろくろくとして瓦かわらに伍することも出来なかった 【山月記】

ふと、山月記に登場する李朝のセリフを思い出しました。
自分の持つ原石はダイヤモンドかもしれんし、ただの石ころかもしれんけど、それは磨いてみないと何も始まらないよね。
原石を磨かずに「もしこれがダイヤモンドだったら~」と理想を言っても、現実は何も変わらんのやなあ、、、


あ、何の話しよったか忘れるとこでした!

つまり、橋下徹≒ヒッチハイクなんですよね


みんなも周りに、「なんか何したらいいかわからんわ」という人がいたら、
ぜひ!
お金かからん、めちゃめちゃ楽しい、すぐ始めれる
ヒッチハイクをおすすめしてあげてください~(^^)