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「新ドラマの時期ですね」ヒットドラマの見分け方は2話目のアノ数値【視聴率分析の視点から】

 (1月)19日にNHK総合で放送された大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」初回の平均視聴率は関東地区が19.1%、関西地区が19.3%だったことが20日、ビデオリサーチの調査で分かった。
 昨年の「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の初回は関東15.5%、関西12.9%だった。関東地区での初回19%超えは2016年の「真田丸」(19.9%)以来4年ぶり。  時事通信

 「麒麟がくる」は昨年末に良からぬことで知名度が上がり、何とか初回放送にこぎつけ、結果高視聴率となりました。

 初回はお手並み拝見といったところで、大河ファンでない人も多く注目したかもしれません。今後1年間にわたってこのドラマが愛されるものになるかは、2話目の視聴率の動向で何となくわかります。といっても、ただの視聴率ではありません。

 ビデオリサーチ社の提供する視聴率データには様々な分析メニュー(inex)があり、私はテレビ局でマーケティングを担当していた頃、重複視聴という読んで字のごとく「視聴者がどの程度重複しているか」というデータをよく見ていました。視聴継続率とも言います。

 上記は21時台の月9から22時台のスマスマ=SMAPxSMAPと1時間ごとの重複視聴を紹介している記事ですが、これを初回から2話目といった感じで設定すると、「初回を見た人がどのくらい見続けているか、逃げた人はどこへ行ったか」が詳細にわかるというわけです。

 この重複視聴データにおいて、前のシリーズより高ければそのまま高視聴率で推移する可能性が高く、低ければ改善策や新たな視聴者を呼び込む番宣の必要が生じます。番組視聴率が高いままだったとしても、継続率が良くなければ、裏に強いコンテンツがあれば簡単に下がってしまうので、このデータは必ず見ておくべきものなのです。

 こんな分析をしながら関係者たちはより多くの人に見てもらう努力をしているんだと楽しんでもらえれば幸いです。


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