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美味しいのシチュエーション

【和風わさび冷麺始めました。】

いやぁ、暑いですね。マスクしながら味見しようとしたり、焼き台に炎が上がった時にマスク越しに吹いて消そうとしてしまったり、洗い場で汗だくになったり、ヤレヤレな日々が続いている。

依然として変わらない社会の不穏な空気、豪雨被害には胸が痛むし、梅雨の低気圧による体調不良、考え感じ過ぎてすっかりくたびれてしまった。

つい一年前、いやわずか半年前の雰囲気が遠い昔のよう。何気ない季節のイベントがいかに大事だったか。

夏になって、『あれ?春はどこさ行った?』『もう7月なの?』と思っている人は多いはず。

厨房の暑さも増しているけど、スーパーや市場に出回る食材が夏めいてきて、「え、もうそんな時季?」とハッとさせられる。

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↑ランチメニューも夏野菜をふんだんに使うように気をつけて。

日々は続いていくので、暑さに負けないように、バテないように、マスク生活でもなんとか乗り越えて行けるように、体調管理や食事管理は大変だ。

テイクアウトや自炊をする方が増え、手作りの美味しさやヘルシーさに目覚める人、テイクアウト容器で持ち帰ってのご飯は味気ないとちゃんとした器で熱々で食べられる食事の素晴らしさに気づく人、今までと食生活が変わって、改めて食事を見直すという人も多いと聞く。

美味しいには、味うんぬんもあるけど、食べる器や温度、場所や雰囲気、一緒に食べる相手、などシチュエーションが大切。

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長引く自粛生活の末、友人と再会した時のご飯とお酒は、久しぶりに友人と囲むテーブルは嬉しくて、人の作った料理はとても美味しくて、人とのつながりってありがたいなぁと酔った帰り道にしみじみ。

テイクアウトはどうしても店の味に劣ってしまう。原価かけている割にお店と同じ料金というのも頂きづらい。いつ食べるのか、温めるのか、そのままなのか、お皿に盛り直してくれるだろうか…。

こんな風に、つくっている側には心配だらけのテイクアウト惣菜なのだけど、食べる人は「やっぱり家では出せない美味しさ」と喜んでくれている。

自分でも外食して実感するけど、「店で久しぶりに食べるのはもう、格段に美味しくて、やっぱりお店っていいって、人の注いでくれたお酒ってなんで美味しいのだろう、出来立てってそれだけでも美味しいなぁ」って感動してもらったりすると、やっぱり早く落ち着いて、元のようにおもてなししたい、目の前のお客さんに振る舞いたい!、と切なくなる。


食と人における愛情のやりとりは、離れていてもなんだかちゃんと成立するんだな。そして、ライブ感の嬉しさを増幅させてくれる。


見過ごしていた何気ない日々、当たり前のことのありがたさを再認識できたんだから、コレからの新しい時代も人とのつながり、温かさを大事にしていきたい。

そして、なんだか落ち着かない空気の中、心の健康は食からだなぁと改めて。お客さんの健康にも気を遣いつつ季節に合った料理をお出ししていきたい。

〜おまけレシピ〜

しらすと枝豆のピザ

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ビールも日本酒も進むおつまみ。

トルティーヤ生地に味噌を薄く塗って、チーズ、しらす、むき枝豆を散らして焼く。わらびの水煮をピザに散らすとトロッとして美味しい。バジル代わりの大葉がまた、よく合う。

蒸し鶏の生姜ソース

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蒸し鶏と香味野菜、茹でて冷やしたキャベツなどを重ねて、醤油:梅酢:みりんを1:1:0.3くらいで合わせて、白ごま油やオリーブ油のクセのない油で伸ばし、おろし生姜、白ごまを混ぜてソースを作って上からかける。


おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。