#24 夏場対策

おはようございます。

梅雨が明けて猛暑が続く日々となってきました。

どれだけ熱くなろうと、プロ野球の試合は行われます。

所属チームの本拠地は屋内球場ですので、練習も含めた外での活動時間はとても長く、暑さ対策は選手の体調を保つために非常に大切になります。 

今回はチームの暑さ対策というよりは、僕の考えと個別で対応している取り組みを紹介します。

暑さが及ぼすマイナス面はたくさんありますが、僕なりに3つの分野に分けています。

熱中症
・熱中症による離脱(筋痙攣含む)

体組成管理
・脱水症状による体重減少
・水の飲み過ぎによる食欲低下=体重減少
・体重減少によるパフォーマンス低下
・体重減少を防ぐために食べすぎて体重増量

トレーニング・コンディショニング管理
・熱中症を防ぐために運動量・強度を落とし過ぎて体力レベル低下、体重増量

これらの全てを未然に防ぐことは困難かもしれませんが、最小限に留められるよう努力することは可能です。


熱中症対策

アスレティックトレーナーとして最優先しないといけないのが熱中症予防です。熱中症は最悪命を落とす可能性もあります。選手の安全を確保しながら、予防を常に心がけないといけません。

対策としてとにかく『体温を下げる』ことです。

体温を下げるために
・汗をかく
・汗をかけるようにインナーを頻繁に着替える
・体温より低い水分を摂取
・イニング間はクーラーの効いた部屋へ移動
・氷嚢・冷水などで手のひらを冷やす

そしてもう一つ大事なのが、水だけの補給だと高強度運動にて消耗されるミネラル・糖などの補給ができないので、パフォーマンス低下や最悪痙攣を起こす原因となり、試合中に交代せざるを得ないケースがあります。予防として
・スポーツドリンク(チームはアクエリアス提供)
・ミネラル補給(スポーツミネラルやバナナなど)
ピットインゼリーなどでエネルギーを迅速に補給

体組成管理

体重の変化は短期・中期に渡って管理することが重要です。これはあくまで熱中症にかかった選手、試合中攣りやすい、夏場に体重の変化が激しい選手を対象としていて、チーム全体の取り組みではありません。

短期的に(1日単位で)
・毎日球場入りと試合後に体重計測し、1日の減少を1~1.5%以内に収め、翌日には元に戻すことを推奨

中期的に
・尿の色を観察するように指導し、脱水状態にならないよう注意
・体重変化をモニタリングし、食生活に変化がないか確認する

トレーニング・コンディショニング管理

暑いからといって今まで継続していたトレーニング・コンディショニングを辞めたり、量を極端に落とすと、疲労を取り除くことに貢献できます。しかし、シーズンはまだ2−3ヶ月続くので、シーズン後半には体力低下してしまい、パフォーマンスはおそらく落ちるでしょう。暑さに慣れる事(暑熱順化)も必要です。

具体的な対策はここには書ききれませんが、『やり過ぎず、やらな過ぎずに体力レベルを維持できる範囲でトレーニングを継続する』のが一番です。


以上、夏場対策に対しての個人的考えと個別対応の紹介でした。

これから本当に厳しい環境で試合が続きます・・・ 少しでも良い状態で望んでもらいたいものです。 

屋内球場が本拠地のチームが羨ましいです 笑。

↓の動画は競技中に体温を下げることに関して1時間以上も語ってくれて、非常にためになったので紹介しておきます。英語ですが、興味ある方はどうぞ!





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