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「ただ何となく」で東大に入る子がそこそこいることに衝撃を受けた話

みなさんは、東大に入る子たちがどんなモチベーションで勉強していたと思いますか?

普通なら、大きな目標や明確な目的を持って勉強に励んでいたんだろうなと想像しますよね。私自身もそうでしたから。(詳しい経緯はこちら↓↓)

ところが、実際はそうでもなかったんですよね。

受験勉強を始めてから東大生の生態や家庭環境に興味が湧いていたので、私は入学してから会う子会う子に、どんな勉強をしていたか、何で東大を目指したのかなど色々聞いていました。

すると、彼ら彼女らが東大を目指した理由は大きく3つに分類できることが分かりました。

まず1つ目はやりたい勉強や研究があったり、卒業後の進路をしっかり思い描けているなど、目標を持って受験したパターン。まあこれは当然予想されるものですよね。そうでないと受験勉強なんかやっていられないでしょう。

ただ、このようにしっかりした目標がある子は、私が聞いた100人近い子の中で2割くらいしかいませんでした。もっとみんな大きな野望や研究意欲に燃えているものだと思っていたので、これは意外でした。

2つ目のパターンは、やりたい勉強が決まっていない、あるいは色々あって現時点で選べないから、というものです。東大は2年生の前期(Sセメスター)が終わると、進振りという制度によって、自分の成績と希望に応じて好きな学部に進むことができます。

やりたいことが明確でないからこそ、入ってから進路を決められる東大がベストな選択だったということですね。細かい違いはあれど、このタイプに含まれるのが大体6割くらいでした。

もちろんそういう子もいるだろうとは思っていましたが、予想していたよりはるかに多いのが驚きでしたね。具体的な目的もないのに、よくあんなレベルの受験勉強を頑張れるなと。ただ、もっと衝撃的だったのが3番目のパターンです。

残りの子たちはなぜ東大を目指したのかというと、「ただ何となく」という理由からでした。学校や塾の先生に「成績的に行けるから目指してみたら?」と言われたから来たとか、東大レベルの授業や講座を受けていたら自然と合格レベルまで力がついていたから来た、といった子も結構な数がいたのです。

これには参りました。ただのノリかよと、そんな程度のモチベーションで入れちゃうのかよと。これが若さというものなのでしょうか。

じゃあ君たちは本気出したらどこまで行けんのよと、大きなカルチャーショックを受けたものです。自分を奮い立たせながら頑張ってきた30歳からの3年間を思い返して、彼我の差を見せつけられたような気がしました。

もちろん私が聞いて回った範囲での話なので、全数調査したら割合はもっと変わるかもしれません。ただ、そんな子も一定数いるのは確かです。

実際に3番目のパターンの子たちは、やっぱり頭が良かったです。大半が東大合格者を何十人も出す超進学校出身だったので、東大に行くのが特別なことという感覚がないんでしょうね。

入学後も、本人たちにはそこまで興味がない勉強だったかもしれませんが、それでも成績は概ね優秀な方でした。

ただ、このタイプは就活で苦労する場面が多く見受けられました。あくまで私が知り合った範囲の子に限った話ですが、今まであまり主体的に自分の進路を選択したり真剣に自分の夢や目標と向き合った経験が乏しいので、「自分が何をしたいか分からない」と悩む人がたくさんいたのです。

こういう子は、超一流と言われる大手企業での面接はだいたい落ちていました。やはり人事のプロから見たら、東大卒といえども大きな目標のある子と比べてエネルギーの乏しさを感じたということなのでしょうか。

まあどれだけ頭が良くても、やっぱり20歳前後ではっきりした夢や目標がなくて悩むなんて当たり前の話ですけどね。

ただ、そんな様子を見ながら、いい大学に行けば後は安心という偏差値・学歴主義の受験競争に対して、改めて疑問を抱いたのも確かです。やはり明確な夢や目標を抱いて燃えている人間の方が、最終的には強いんだなと。

などと偉そうに言いながら、私も入ること自体が目標だった部分もあるので、入学後の成績(進振り点)は中の下くらいでした。人のことを言えたもんじゃありません。

これ以上書いてもボロが出るだけなので、やっぱり目標って大事ですよね! というありきたりなオチで締めくくっておきます。

お読みいただきありがとうございました。

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