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フランス語を勉強したら、英語が苦手な人の気持ちが分かった話

下の記事で自己紹介をしていますので、未読の方は先にどうぞ。

大学に入ってから第二外国語でフランス語を選択した。

英語は元々得意だったので、フランス語もちょっと勉強すれば大丈夫だろうと思っていたが、かなり勝手が違った。

よく言われるように、フランス語には男性名詞と女性名詞の区別があるというのは知っていた。

しかし、名詞の性や数(単数か複数か)に合わせて冠詞や形容詞まで対応させなければいけないのには驚いた。

動詞の活用も、英語なら現在形、三単現のs、現在分詞形、過去形、過去分詞形の5パターンだが、フランス語はまず主語に合わせて動詞が6パターン変化する。

それに加えて時制が10種類以上あるので、それぞれの組み合わせで何十もの変化形を覚えなければいけない。

その時制も英語と微妙にニュアンスが異なっており、過去形だけでも10種類あったりする。

単語のスペルもややこしい。

例えば母音の e であれば、 é , è , ê , ë のように色々な記号がつくことがあり、当然この記号込みでスペルを覚えなければならない。

それに加えて上記の活用が加わるのでたまったものではない。

英語なら見ただけで単語の意味もスペルも覚えられるが、フランス語はそうもいかないので、試験前は紙に一生懸命スペルを書き取って暗記した。

小学生の頃の夏休みの宿題でノート1冊漢字の書き取りをした時のことを思い出して何だか悲しくなったが、そうするしか覚える方法がなかったので仕方なかった。

文法も何度も最初から復習して、やっと半分理解できるくらいだった。

自分で選択しておいて「何でこんなことしなきゃなんねーんだ、めんどくせー」と愚痴りつつ勉強しながら、「ああ、英語が苦手な人はこういう気持ちだったんだなあ」としみじみ感じた。


私が塾で英語を教え始めた頃の話だが、当時はまだ経験が浅かったので「何でこんなことも分からないんだろう」と戸惑うことが多かった。

「これくらいは分かるだろう、覚えられるだろう」というこちらの感覚と、生徒の実力の伸びが一致しないので、もどかしいことが何度もあった。

だが今なら分かる。
彼らもフランス語を勉強している自分と同じ感覚だったんだなあと。

日本語と全然違う規則に加え、単語も山ほど覚えないといけない。
最近はリスニングやスピーキングまで頑張らないといけない。

しかも英語嫌いの人からすると、選択の余地なしにやらされるわけなので余計にストレスだろう。

こういう経験があったので、以前よりは英語が苦手な生徒の気持ちに寄り添って教えることが出来るようになった。

フランス語を勉強して得た、一番の収穫である。

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