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Garuchan
2020年11月11日 18:46
がるこの冒険 ◆第一章 始まり 私は絶望していた。パスポートと半券そして200ルピー。これじゃあ日本に帰れない。これじゃあ、さっき食べた大盛りのカレーセットが50ルピーだったから…あと4食分!? そのまま崩れ落ちた。もうダメかもしれない。底知れない恐怖と孤独が私を支配していた。「お姉ちゃん大丈夫?」 今思えば、それが全ての始まりであった。 ●出会い 誰かに話
2020年9月26日 17:05
インドの街はぐちゃぐちゃだ。あちこちで日本では考えられないことが起きている。人は川の流れのように常に動いていて止まらない。蝿がたかる肉売りのおじさん。ニンニクの皮を小さな少女が弟をおんぶしながらむいて売る。そのちょっと端に彼はいた。 始めは小さな子供のように見えた彼は実は青年だった。そうそれくらい小さい青年が。頭はしっかりある。けれど身体がないのだ。
2020年9月24日 14:37
インドは私が考えていたより飢えていて、活気があって、めちゃくちゃだった。道はもちろん舗装なんてされてないし、通行区分もない。クラクションがそこら中から鳴り響く。人が歩いていてもガンガンバイクを飛ばす。道の真ん中を牛が堂々と歩いていく。インドは牛が神聖な生き物で人は轢いても牛は轢いてはいけないらしい。そんなふざけた街。ニューデリー駅に行く途中公衆トイレに寄った。紛れもない公
2020年9月21日 23:44
日本から約10時間。インディラ・ガンディー国際空港に到着。空港で全財産の1万円札を両替すると、その辺にいる人に「ガンガ」「ヴァラナシ」この2つのワードを言い続けた結果、空港から2日でニューデリー駅につけた。途中オートリキシャ(三輪のタクシー)や、バスがあったらしいけど明日には死ぬ身。最期に自分が死ぬ国をゆっくり見ておこうと思い歩いた。
2020年9月19日 16:10
私は父に褒められた事がない。かけっこで一番になっても、テストで一番になっても。父の口癖は俺の父だから当たり前。家族よりも仕事に重きを置き、家にはほとんど帰って来ない。祖母からは祖父も仕事を一番に考える人で若くして過労死で亡くなったと聞いた。私はそんな父を尊敬していたし、私自身仕事に生き過労死したいとまで考えていた。しかし、母は違っていた。家族第一で育てられた母には、それが理解できなかったのだと思う
2020年9月18日 14:51
私は絶望していた。パスポートと半券そして200ルピー。これじゃあ日本に帰れない。これじゃあ、さっき食べた大盛りのカレーセットが50ルピーだったから…あと4食分!?そのまま崩れ落ちた。「お姉ちゃん大丈夫?」私は雷に打たれたみたいに飛び上がり、たちつくした。そこにはガリガリに痩せ細った少年が、私のことを覗き込んでいた。「ねえ、どうしたの?僕の言葉通じない?」私が何よりも驚いた